2023年度後期放送の連続テレビ小説が、笠置シヅ子をモデルにしたオリジナル作品『ブギウギ』(NHK総合ほか)に決定。作者の足立紳と音楽を担当する服部隆之から、コメントが到着した。
連続テレビ小説第109作『ブギウギ』は、戦後の大スター・笠置シヅ子(1914〜1985)をモデルに、足立紳が描くオリジナル作品。タイトルの『ブギウギ』は陽気で踊り出したくなるような音楽リズムの一種で、“ブギウギのように多くの人を明るく元気にしたい”という思いが込められている。「東京ブギウギ」や「買物ブギー」など数々の名曲とともに、日本の朝に笑顔を届けていく。
なお、実在の人物である笠置をモデルとするが、本作では激動の時代の渦中でひたむきに歌に踊りに向き合い続けた、ある歌手の波乱万丈の物語として大胆に再構成。 登場人物名や団体名などは一部改称し、フィクションとして描かれるという。
ヒロインの名は、花田鈴子。香川生まれ、大阪育ちの鈴子は、銭湯の看板娘から“ブギの女王”と呼ばれる戦後の大スター歌手となっていく。満面の笑顔、からだ全体を使った踊り、明るい歌声。そこには、暗い戦争の時代や燃えるような恋、別れなど、心がズキズキするようなことを乗り越えてきたからこその強さがある。
大阪の華やかなステージ、生まれ故郷・香川への思い、そして夢を追いかけ東京へ……さまざまな舞台がドラマを彩っていく。これまでの朝ドラにはないほどの歌と踊りが出てくる作品になるとのことだ。
今回の発表にあたり、作者の足立は「主人公の生きる姿を見て、いつしか主人公の生き方を笑いながら肯定し、ドラマを見ながらいつの間にか『生きる活力』のようなものが少しでもみなぎってくるような作品になればうれしいなと思っています」と語る。
また、音楽を担当する服部隆之は「朝から視聴者の皆様にワクワク、ドキドキ、ブギウギを感じていただくべく、微力ながら頑張らさせていただきます」と。制作統括の福岡利武も「毎朝、ヒロインの成長を見ながら笑って泣いて、おおいに楽しんでいただけるようなドラマを目指します」と意気込みを述べた。3名によるコメント全文は次ページを参照。
作者・足立紳 コメント
「ブギウギ」という言葉は音楽用語の一つですが、その語感から「ウキウキ」という言葉を連想してしまいます。そして「ウキウキ」という言葉からはすぐに「ワクワク」が連想されます。
「ウキウキ、ワクワク」と聞くと、明るく前向きで楽しいイメージです。
人生、ウキウキワクワクばかりではありませんし、明るく前向きな生き方はもちろんすばらしいですが、その正反対の生き方だって悪くはありません。(私は暗くて後ろ向きな性格です!)。
ただ、本作の主人公のモデルとなる笠置シヅ子さんが生命力あふれる表情とダンスで踊り歌った「東京ブギウギ」という歌は、戦後、多くの日本人たちに「明るく前向きに生きる活力」を与えました。
ですが、その底抜けに明るくて陽気なメロディーの裏には、笠置シヅ子さんのさまざまな人生がありました。
そんな笠置シヅ子さんをモデルにした主人公を描くことで、今度は「今を生きる人たちに、今、必要な活力」というものが描けるかもしれないと思いました。主人公はときに人を巻き込み、ときに巻き込まれ、たくさん人に迷惑をかけ、迷惑もかけられながら生きていきます。それは人が生きていく上での当たり前の姿だと思います。そんな主人公の生きる姿を見て、いつしか主人公の生き方を笑いながら肯定し、ドラマを見ながらいつの間にか「生きる活力」のようなものが少しでもみなぎってくるような作品になればうれしいなと思っています。
音楽・服部隆之 コメント
時代を稲妻の様に走り抜けていった一人の女性。
ブギウギという翼を手に入れ空高く羽ばたき、日本中に元気と勇気を振りまいた彼女のジェットコースターの如き人生。
朝から視聴者の皆様にワクワク、ドキドキ、ブギウギを感じていただくべく、微力ながら頑張らさせていただきます。
制作統括・福岡利武 コメント
ブギのリズムに乗って明るく元気に歌うヒロイン鈴子は、笑顔がとっても魅力的な女の子です。そして厳しい稽古の中で、悩み苦しみながらも、多くの人を笑顔にする大スターへと成長していきます。まっすぐで人情に厚い、気取らないスターです! 毎朝、ヒロインの成長を見ながら笑って泣いて、おおいに楽しんでいただけるようなドラマを目指します。
脚本の足立紳さんとは、毎朝、力をもらえるドラマにしようと話しています。
音楽の服部隆之さんは、「東京ブギウギ」の作曲、服部良一さんのお孫さんです。昭和歌謡のドラマの世界を、鮮やかに表現していただきたいです。
毎朝がワクワクするドラマ「ブギウギ」をスタッフ、出演者一同、力を合わせてお届けしたいと思います。
番組情報
2023年度後期 連続テレビ小説『ブギウギ』
NHK総合ほか
2023年秋放送予定
©NHK