10月より放送開始の土曜ドラマ 『一橋桐子の犯罪日記』(NHK総合 毎週土曜 午後10時〜10時49分)で松坂慶子が主演、ふじきみつ彦が脚本を務めることが決定。両名よりコメントが到着した。
原作は原田ひ香による人気小説「一橋桐子(76)の犯罪日記」。一見、身につまされる高齢者犯罪の物語だが、“ムショ活”に真剣に取り組むうちに新たな発見や出会いを得て、皮肉にも主人公の生活は生き生きと変化。高齢者の孤独や生活の厳しさを背景としながら、同時に“人生の生きがいとは何か”“人と人との結びつきの大切さ”を浮き彫りにする物語だ。
そんな本作の主人公・一橋桐子役は松坂慶子が務める。さらに、脚本は『阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし』(2021年放送)などで知られるふじきみつ彦が担当。桐子の世界をユーモアたっぷりに描き、切なくて笑える“終活青春グラフィティ”を届けていく。
発表にあたり、松坂は「最初にタイトルを聞いたとき、『犯罪日記』というとちょっと怖い物語なのかしら? と思ったのですが、台本を読ませていただいたら、とっても面白くて。観ていただいた方に『人生って楽しく生きられるのかもな』って、そんなふうに思っていただけたらうれしいです」と思いを述べる。
ふじきも「原作を読んでみたら、そこに描かれていたのは健気でかわいらしい一橋桐子という女性の物語でした。これは一橋桐子の青春日記だ、そう思って脚本を書きました。パッとしなかった桐子の人生が犯罪に関わることで妙に輝いていく可笑しさを楽しんでいただけたらうれしいです」と語った。2名によるコメント全文は以下を参照。
松坂慶子 コメント
最初にタイトルを聞いたとき、「犯罪日記」というとちょっと怖い物語なのかしら? と思ったのですが、台本を読ませていただいたら、とっても面白くて。
主人公の桐子さんは、一橋桐子というお名前のとおり本当にすてきな方。天涯孤独な70代なんだけれども、日々の生活を慈しみながら暮らしていて、草木などから季節を感じたり、自分の気持ちを俳句にしたためたりする。そんなすてきな桐子さんが、親友が亡くなったことで心が弱ってしまい、ひょんなことから刑務所に行きたいとまで思うように…本当に切ないことですし、どうすれば救われるのか。難しい問題ですが、ドラマを通して向き合いながら過ごしている最中です。
桐子さんは刑務所に行こうとすることで、今までになかった新しい経験、そして面白い人たちに出会うんですね。私のお仕事も、作品ごとに新しい土地に行って、新しい人と出会い、そして終わる頃には、自分の中の幅が少し広がっていたりと、まるで旅のように感じることがあるんです。だから、桐子さんを分身のように感じるところもあって、自分の中にある体験の箱をあけながら、日々演じております。私も万葉集を趣味にしていたりするので、そんなところも共通点があってうれしいです。
一人じゃ何もできないと思っていた桐子さんが、さまざまな人と出会って、新たな扉を次々と開いていく。人間って面白いなと思えるドラマです。そして、観ていただいた方に「人生って楽しく生きられるのかもな」って、そんなふうに思っていただけたらうれしいです。
脚本・ふじきみつ彦 コメント
犯罪日記かぁ、犯罪モノかぁ…
事件が起きたり人が殺されたり憎しみあったり、だけど憎しみは決して何も生まなかったり…、そういう話を書くのは得意じゃないので困ったなぁと思いつつ原作を読んでみたら、そこに描かれていたのは健気でかわいらしい一橋桐子という女性の物語でした。
これは一橋桐子の青春日記だ、そう思って脚本を書きました。
パッとしなかった桐子の人生が犯罪に関わることで妙に輝いていく可笑しさを楽しんでいただけたらうれしいです。
番組情報
土曜ドラマ 『一橋桐子の犯罪日記』
NHK総合
2022年10月放送開始
毎週土曜 午後10時〜10時49分(全5話)
©NHK