役所広司のNetflixシリーズ初主演作となるオリジナルドラマ『THE DAYS』が、2023年に全世界同時配信されることが分かった。
2011年に起きた福島第一原発事故の真実に迫る『THE DAYS』。制作に際しては入念なリサーチを行い、政府と会社組織、現場で命を懸ける者たちという三者の視点から事故を克明にとらえた。あの日、あの場所で、本当は何が起こっていたのか? 全8話構成で、緊迫の7日間が描かれる。
企画・プロデュースは、『コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-』シリーズ、『はだしのゲン』の増本淳。『コード・ブルー』シリーズの西浦正記と『リング』シリーズの中田秀夫がダブル監督を務め、2021年6月から10月にかけて撮影が行われた。主演の役所、増本プロデューサー、西浦監督、中田監督からのコメントは下記に掲載。
役所広司 コメント
最初は題材が題材なだけに「これをエンターテインメントにしていいのか?」という気持ちがありましたが、プロデューサーの話をお聞きして意義を感じ、出演を決めました。私が演じた役は、チェルノブイリでさえ経験しなかった全電源喪失といった極限状況下でも信念を持って指揮をとるリーダーですが、英雄として描かれるわけではありません。原子炉が落ち着いた後も続く、事故に対する彼の終わりなき問い、そこにこそ本作の意義があるのだと思います。
増本淳プロデューサー コメント
勇気ある者たちが日本の危機に立ち向かったという美談、英雄譚にはしたくありませんでした。原案のタイトルにもあるとおり、4機の原子炉が同時に暴走するという、まさに死の淵に立たざるを得なかった人々が味わった恐怖と不条理をできうる限り事実に忠実に伝えることをテーマとしました。そして、十年以上が経過した今もなお終わりの見えないこの事故の存在を世界の人々に忘れずにいてもらいたいという願いから制作に至りました。
西浦正記監督 コメント
映像化には苦労しました。3.11のニュース映像は世界中が目にしている。現実の映像が持つ迫力にどれだけ迫れるかは大きな挑戦でした。とは言え、空撮を多用したハリウッドのディザスター映画のようにはしたくなかった。地をはう者の目線にこだわり、被災した人々の恐怖を少しでも自分のものとして感じてもらえるようにしました。また、役所さんをはじめ、普通の人として演出することも挑戦でした。
中田秀夫監督 コメント
目に見えない放射線への不安や恐怖感をどう描くか。それが演出上、最重要な点でした。吉田所長以下、現場の方々が知恵と体力を振り絞り、その恐怖に立ち向かっていく。それでも容赦なく放射線量は増大していく。彼らが経験した極限状態の緊迫感を身近に感じてもらうため、我々も事前に実際の建屋内に入り、セットに反映しました。尋常ではない不安や恐怖を抱えつつ「これは仕事だ」と職務を続けた彼らの内面に肉迫したいと常に考えていました。
作品情報
『THE DAYS』
Netflixで2023年全世界同時配信
出演:役所広司
監督:西浦正記、中田秀夫
企画・脚本・プロデュース:増本淳
原案:門田隆将「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」(角川文庫刊)
エグゼクティブ・プロデューサー:池田宏之、高橋信一
プロデューサー:関口大輔、増子知希、髙田良平
製作:ワーナー・ブラザース映画
制作:リオネス