長澤まさみが鈴木亮平のおちゃめぶりを暴露「ある意味期待に応えてくれる本当にカッコいい方（笑）」『エルピス』

10月24日（月）スタートのドラマ『エルピス－希望、あるいは災い－』（カンテレ／フジテレビ系　毎週月曜　午後10時）の制作発表が行われ、主演の長澤まさみのほか、眞栄田郷敦、鈴木亮平、脚本を務める渡辺あやが登壇した。

本作は、実在する複数の事件から着想を得て制作された社会派エンターテインメント作品。スキャンダルによってエースの座から転落したアナウンサー・浅川恵那（長澤）と彼女に共鳴した仲間たちが、犯人とされた男の死刑が確定した、10代の女性が連続して殺害された事件のえん罪疑惑を追う中で、一度は失った“自分の価値”を取り戻していく姿を描いていく。

恵那と共に行動するうだつの上がらない若手ディレクター・岸本拓朗役で眞栄田郷敦、恵那と拓朗の先輩で報道局のエース記者・斎藤正一役で鈴木亮平が出演する。

まず、本作の脚本を執筆した渡辺が「この作品は、6年前に、私とプロデューサーの佐野亜裕美さんが出会ってから、長い時間を経て実現にたどり着いた作品です。その6年間の間はいろいろな紆余曲折がありました。私はドラマが実現することをほとんど諦めていた時期もありましたので、ついにオンエアを迎えられることは、今もまだ信じられない気持ちもあります。たくさんのハードルを越えてくださった佐野さんの頑張り、そして、早い時期から『出たい』とおっしゃってくださった長澤さんへの感謝もあります。カンテレさん、キャストの皆さん、スタッフの皆さん全員に感謝の気持ちでいっぱいです」とあいさつ。

続いて、長澤は「渡辺さんがおっしゃったように、出来上がるまでにいろいろな道を通ってきた作品なんだなとあらためて感じています。人の元に届くまでには時間がかかるものだと思いますが、やっと人の目に届くんだなと思うだけで、うれしさと緊張が混ざって、まだ実感が湧かないところもあります。でも、きっと楽しんでいただける作品になっていると思うので、ぜひ楽しみにしていただきたいです」と初回放送を前にした気持ちを明かした。

眞栄田は「6年前からというお話も今ありましたが、僕は6年前は16歳くらいで、まだこの仕事を始めてなくてただの高校生だったなぁと思って。タイミングやご縁にすごく感謝だなとあらためて思いました。ずっと見ていた長澤さんだったり、大好きな亮平さんだったり、監督、プロデューサー、渡辺さん、キャスト・スタッフの皆さんとご一緒できることが幸せで、自分ができることをとにかく全力でぶつけたいなと思って撮影に臨んでいます」とコメント。

鈴木は「ついにこの日が来たなという感じです。ドラマで一番大切なのは脚本だとよく言われますが、この台本を最初に読ませていただいたときに、本当に素晴らしい本に出合えたなと思いました。とにかくこのストーリーを早く皆さんに見ていただきたいという思いと、その一員として関われたことを大変光栄に思っております」と話した。

今だから言える裏話を聞かれた長澤は「鈴木さんとちゃんとお芝居をするのは今回が初めてでした。今までの鈴木さんのイメージは、“なんでも完璧にこなすカッコいい人”だったのですが、現場が始まってから、鈴木さんはすごくおちゃめな方だと初めて知りました。すごく真面目な方なので、現場でよく自分の動きを確認されているんです。一番覚えているのが、ポケットからスマホを取りだしてケースを開けるというシーンをずっと練習されていたときに、目の前に小さいコーヒーのカップがあったんですけど、スマホをそのコーヒーの中に落とすっていう（笑）。プールとか大きい川とか海じゃないんですよ。おちゃめということを知ってやりそうだなとは思っていたのですが、ここまでおちゃめな人いるかな、と思って（笑）。ある意味期待に応えてくれる本当にカッコいい方だなと思います（笑）」と鈴木のおちゃめなエピソードを披露した。すると鈴木は「最後のフォローが届いてこない（笑）。馬鹿にされているとしか思えないですよ（笑）」とツッコミ。

また、裏話について眞栄田は「亮平さんはおちゃめなところがありますが、僕はすごく好きなんですよね」と笑顔。「撮影の序盤の頃に、亮平さんがスタッフさんに『僕いつでも最終回のシーンの撮影がきても大丈夫なので。全部入ってますから』とおっしゃっていて。すげぇな！　カッコいいな！　と思って、それがすごく印象的です」と鈴木の印象的なエピソードを明かした。

すると、鈴木がすかさず「それは良いエピソードなんですよね？」と確認。これに眞栄田は「はい！　フォローしたつもりだったんですけど…（笑）」と言いつつ、「すごく面白かったのが、長澤さんとの最初の方のシーンで、鈴木さんが『僕、こう見えてもいじられキャラなんですよ』と自己紹介していたのがすごく面白かったです（笑）」とまたもや鈴木のおちゃめな部分が明かされた。

それを聞いてさらに長澤が「そのときも、鈴木さんが椅子の調整をしていて。体格を考えたら自分の体重ってだいたい分かるんじゃないかなと思うのですが、（座るときに）勢いよくいくもんだから（笑）。後ろにのけぞりそうになって『あ～！』って言ってて（笑）」と話すと、鈴木は「それは初日ですね。そのとき、僕のこういうところに慣れてくださいってお伝えしたと思います」と初日の裏話を明かした。

さらに、鈴木の面白いエピソードから長澤が笑い上戸だという話に。バナナが好きだという鈴木が、「僕がバナナを食べているだけで大笑いするんですよ」と。長澤が「それはもう…期待通りっていうか」と笑いながら話すと、「どういうこと!?」と間髪入れず聞き返す鈴木。「バナナを食べるだけで大笑いするので、僕が何に見えているんだろうっていう」と話し、会場も笑いに包まれた。

そして、記者から作品の見どころを聞かれると、渡辺は「昨日第1話を拝見しました。すごくたくさんのことが詰まっている作品なので、見どころって一言でどう言おうか…と考えたのですが、この作品は、組織、権力、ルール、法律などの人間が作ったかたい壁のようなものに対して、それに戦い慣れていない人たちが本気で立ち向かおうと思ったときに、どういうことが起こるのか見ていくドラマだと思います。そのときにその人物たちがどういう表情をするのか、どういう声を出すのか、どんなことを言うのか、というのをキャストの皆さんが表現してくださっています。そこが一番感動的で、心揺さぶられる見どころだと思いました」とコメント。

鈴木は「僕はテレビ局の記者という役どころなので、そこで見どころを話しますと、“テレビに精通した人が作るテレビ業界の話”です。誰よりもテレビを愛しているテレビを作っている人たちが作る、本気のテレビのドラマです。どういうふうにテレビが作られているのか、というところをぜひ見ていただきたいと思います」と役と絡めて魅力を語った。

眞栄田は「僕も数日前に1話を見ましたが、純粋に面白かったなと思いました。シリアスなテーマではありますが、ちょっと笑える部分もあったり。キャラクター全員が魅力のある方たちばかりです。引き込まれて見ていたな、すぐ時間がたったなと思いながら見させていただきました。ぜひ楽しみにしていただきたいと思います」とドラマの面白さをアピール。

最後に長澤は「私が演じた浅川恵那は、自分の人生に立ち止まっている人です。過去の失敗みたいなものにとらわれていて、前に進めない人なのですが、これから浅川がどう変わっていくのか、というところも一つのポイントだと思います。人生っていろいろなことがあって、自分の気持ちが前に向いているときもあれば、次の瞬間には『やっぱりそうじゃないかも』と引き返したり、思わぬ方向に足が向いてしまうこともたくさんあって。感情と衝動に背いてしまうこともある。でもそれが人間なんだなと、浅川恵那を通して感じました。人間がどうやって迷いながら歩いていくのか、この登場人物たちに自分を重ね合わせながら楽しんでいただきたいと思っております」と語り、会見を締めくくった。