『鎌倉殿の13人』“源実朝”柿澤勇人、“公暁”寛一郎、“源仲章”生田斗真が語るそれぞれの結末

ドラマ
2022年11月27日
『鎌倉殿の13人』左から)公暁(寛一郎)、源実朝(柿澤勇人) ©NHK

小栗旬が主演を務める大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK総合 毎週日曜 午後8時~8時45分ほか)で源実朝役を務める柿澤勇人と、公暁役の寛一郎、源仲章役の生田斗真からコメントが到着した(以下、ネタバレを含みます)。

大河ドラマ第61作は、鎌倉幕府の二代執権・北条義時(小栗旬)が主人公の『鎌倉殿の13人』。平安時代末期から鎌倉時代初期を舞台に、野心とは無縁だった義時がいかにして武士の頂点まで上り詰めていくのかが描かれる。

11月27日(日)放送の第45回「八幡宮の階段」では、右大臣拝賀式を終えて楼門から出てきた源実朝(柿澤勇人)を迎えた源仲章(生田斗真)が、公暁(寛一郎)に義時と間違われて斬られ、断末魔を残し果てていく。さらに、間もなくして実朝も公暁に暗殺されてしまう。満を持して敵を討った公暁もまた、三浦義村(山本耕史)に刺され、絶命した。

『鎌倉殿の13人』源実朝(柿澤勇人) ©NHK

柿澤は実朝の最期について「今まで鎌倉殿・三代将軍として生きてきて、大変なことがいっぱいありつつも、一生懸命、果敢に取り組んで政にもちゃんと向き合ってきました。うまくいかなかったりとか、悩んでいたり、苦しんでいたりしたものも、最期にはある意味、全てを受け入れて。『これで天に行けるんだ』じゃないけど、『父(頼朝/大泉洋)や兄(頼家/金子大地)のところに行けるんだ』みたいな思いはありましたね」と振り返る。

続けて「『こういう人が本当に生きていたらいいな』と思うような心の持ち主だったのかなと思います。ただ、残念なことにこの鎌倉の時代に生まれてきて、環境がたまたまそういった激動の陰惨な環境だったりもするので、そこがやっぱり悲劇というか、とてもかわいそうな人生だったなと思います」と。

一方、自身については「僕はやっぱり役者なので、芝居をやっていて苦しいとかしんどいなというのはかなり多かったし、実際、撮影を経ていくとだんだん顔がやつれていって、体重も落ちていきましたね。それは自分でも如実に分かっていて、でもそれは役者としては本当にありがたいことで、すごく矛盾しているかもしれないですけど、その実朝の苦悩みたいなものが、役者としてはすごく幸運なことだったというのは、最期のシーンを経て思いました」と語った。

『鎌倉殿の13人』公暁(寛一郎) ©NHK

公暁役の寛一郎は実朝暗殺について「彼(公暁)のすがりどころとしては、もう実朝を殺す、というところなんです。北条義時も標的ではありますけど。とにかく実朝を殺せばなんとかなるんじゃないかと、自分が生きるために殺さなければならないと。でも第44回で公暁は実朝との共鳴というか、会話、対話をしてみて、最後に『だまされるものか』と言うんですけど、それはもう彼がずっと生きてきた中で芽生えた猜疑心というか、自分が生き抜くためにはだまされてはいけない、という猜疑心からも、本来だったら手を取り合える仲だったかもしれないけど、やはり殺すという決断をして」と。

そして、ついに実朝を討った公暁。「でも恨んでいた相手が本当はいいやつだったって、結構きついじゃないですか、殺す側にとっては。それはうすうす、公暁も分かっていたはずなんですよ、『こいつが別に悪いわけじゃない』と。実朝にもそう言っていますし。でも殺さなければいけない、自分が生きるために。だから実朝が最後、自分の小刀を捨ててうなずいたときは結構苦しかったですし、斬ったあとに『父の敵をとった』という名目の下やっていましたけど、やっぱり気持ちは晴れないんですよね。というより、彼の呪いが解けていくというか、やっと自分の犯したことの重大さに気づいていく、というつもりでやっていました」と明かした。

『鎌倉殿の13人』左から)公暁(寛一郎)、源仲章(生田斗真) ©NHK

まさかの“勘違い”で突然最期を迎えた仲章役の生田は「台本を読んでびっくりしたんですけど、仲章の最期の断末魔というか、最期のせりふが『寒い、寒いぞ、寒いんだよ!』というせりふなんです。三谷(幸喜)さんのせりふというか独特の感性で、こんなにもすてきなせりふというか、すてきなシーンをいただいて、冥利に尽きるなという思いでやらせていただきました。あんなに大きな階段のセットも、ワクワクするような撮影になりましたし、すごくいい日に、思い出深い日になりました」と振り返る。

「(『寒い、寒いぞ、寒いんだよ!』というせりふには)本当に寒くて、『なんでこんなに寒いんだよ、こんなんじゃ代わるべきじゃなかったな』という怒りもあるだろうし、その裏には『俺じゃないだろ!なんでおまえ、間違えたんだよ。なんで俺が斬られなきゃならないんだよ!』という思いもあった。そして、こんなところで自分の人生は終わってしまうのか、こんなはずじゃなかったんだという悲しみの叫びでもあると思います。オンエアをご覧になった皆さんにどういうふうに受け取っていただけるのか、すごく楽しみにしています」と期待を膨らませた。

源実朝役・柿澤勇人 コメント

<源実朝の最期を演じて>
実朝は今まで鎌倉殿・三代将軍として生きてきて、大変なことがいっぱいありつつも、一生懸命、果敢に取り組んで政にもちゃんと向き合ってきました。うまくいかなかったりとか、悩んでいたり、苦しんでいたりしたものも、最期にはある意味、全てを受け入れて。政以外にもおばば(歩き巫女/大竹しのぶ)に言われていたこととか、そういったものがあの一瞬のうちに一気に走馬灯のように頭の中を駆け巡り、全てを理解したというか。「これで天に行けるんだ」じゃないけど、「父(頼朝/大泉洋)や兄(頼家/金子大地)のところに行けるんだ」みたいな思いはありましたね。

<実朝の人生>
生まれた環境や時代がもし違っていたら、ものすごくいい将軍だったと思うし、将軍であること以前に、ものすごくピュアで真っすぐないい人で。現代にも通じると思うんですけど、「こういう人が本当に生きていたらいいな」と思うような心の持ち主だったのかなと思います。ただ、残念なことにこの鎌倉の時代に生まれてきて、環境がたまたまそういった激動の陰惨な環境だったりもするので、そこがやっぱり悲劇というか、とてもかわいそうな人生だったなと思いますね。ただ一方で、僕はやっぱり役者なので、芝居をやっていて苦しいとかしんどいなというのはかなり多かったし、実際、撮影を経ていくとだんだん顔がやつれていって、体重も落ちていきましたね。それは自分でも如実に分かっていて、でもそれは役者としては本当にありがたいことで、すごく矛盾しているかもしれないですけど、その実朝の苦悩みたいなものが、役者としてはすごく幸運なことだったというのは、最期のシーンを経て思いました。

公暁役・寛一郎 コメント

<源実朝を討つシーンについて>
彼のすがりどころとしては、もう実朝を殺す、というところなんです。北条義時も標的ではありますけど。とにかく実朝を殺せばなんとかなるんじゃないかと、自分が生きるために殺さなければならないと。でも第44回で公暁は実朝との共鳴というか、会話、対話をしてみて、最後に「だまされるものか」と言うんですけど、それはもう彼がずっと生きてきた中で芽生えた猜疑心というか、自分が生き抜くためにはだまされてはいけない、という猜疑心からも、本来だったら手を取り合える仲だったかもしれないけど、やはり殺すという決断をして。

大階段のシーンは本来、最初に義時を殺して次に実朝を殺すという献立でしたけど、思いもよらぬ仲章という、よく分からないやつを殺してしまい、そのパニックもあるんですけど、最終ゴールは実朝、という公暁なりのプランがあったので、最後に実朝を殺しました。でも恨んでいた相手が本当はいいやつだったって、結構きついじゃないですか、殺す側にとっては。それはうすうす、公暁も分かっていたはずなんですよ、「こいつが別に悪いわけじゃない」と。実朝にもそう言っていますし。でも殺さなければいけない、自分が生きるために。だから実朝が最後、自分の小刀を捨ててうなずいたときは結構苦しかったですし、斬ったあとに「父の敵をとった」という名目の下やっていましたけど、やっぱり気持ちは晴れないんですよね。というより、彼の呪いが解けていくというか、やっと自分の犯したことの重大さに気づいていく、というつもりでやっていました。

源仲章役・生田斗真 コメント

<仲章の最期を演じて>
台本を読んでびっくりしたんですけど、仲章の最期の断末魔というか、最期のせりふが「寒い、寒いぞ、寒いんだよ!」というせりふなんです。普通はやられたときのシーンって、「なぜだ!」とか「貴様!」とかそういうせりふのような気がするんですけれど、三谷(幸喜)さんのセンスというか独特の感性で、こんなにもすてきなセリフというか、すてきなシーンをいただいて、冥利に尽きるなという思いでやらせていただきました。あんなに大きな階段のセットも、ワクワクするような撮影になりましたし、すごくいい日に、思い出深い日になりました。

<最期のことば>
役者によって、というか、言い方ひとつでどういう捉え方もできるようなせりふをいただいたので、これはなかなか難しい宿題を出していただいたな、という気はがしました。仲章は太刀持ちの役割を半ば強引に義時から奪い取るような形で務めるわけですけど、「思ったより寒かった」というのもあると思うんですよね。本当に寒くて、「なんでこんなに寒いんだよ、こんなんじゃ代わるべきじゃなかったな」という怒りもあるだろうし、その「寒いんだよ」の裏には「俺じゃないだろ!なんでおまえ、間違えたんだよ。なんで俺が斬られなきゃならないんだよ!」という思いもあった。そして、こんなところで自分の人生は終わってしまうのか、こんなはずじゃなかったんだという悲しみの叫びでもあると思います。オンエアをご覧になった皆さんにどういうふうに受け取っていただけるのか、すごく楽しみにしています。

番組情報

大河ドラマ『鎌倉殿の13人』
NHK総合:毎週日曜 午後8時~8時45分
BSプレミアム/BS4K:毎週日曜 午後6時~6時45分

この記事の写真

©NHK

下記の「CTAボタン」を設定することで、ユーザーがスマートフォンで記事詳細ページを開いた際に「続きを読む」の下に「CTAボタン」を2つ追加できます。上段「CTAボタン」に設定したものは上に表示、下段「CTAボタン」に設定したものは下に表示されます。
2024秋ドラマまとめ今日の人気記事ランキング