12月22日(木)に放送される『森村誠一ミステリースペシャル終着駅シリーズ・ファイナル 十月のチューリップ』(テレビ朝日系 午後8時〜9時48分)で主演を務める片岡鶴太郎からコメントが到着した。
ミステリー界の巨匠・森村誠一の原作を得て、1990年に誕生した『終着駅シリーズ』。ミステリーでありながら一貫して“人間”を深く掘り下げる物語が厚い支持を集め、30年以上にわたって回を重ねてきた同シリーズが12月22日(木)についに完結。ファイナル作品『十月のチューリップ』が放送される。
『終着駅シリーズ』は、執念の捜査で事件の奥底に潜む真相に迫る、新宿西署のベテラン刑事・牛尾正直の活躍を描くミステリー。1990年、露口茂の主演で誕生し、第5作(1996年)から片岡鶴太郎がバトンを受け継いだ。ファイナル作は第38作に当たるが、週刊誌記者・川村冴子(水野真紀)とのコラボ作『終着駅の牛尾刑事VS事件記者・冴子』シリーズ(計16作)などを合わせると、片岡の主演50作目となる。
そんな牛尾の歩みをしめくくる最終作『十月のチューリップ』では、“神の手”を持つといわれる心臓外科の名医が刺殺される事件が発生。牛尾は第一発見者であるフラワーショップ店主・北野英子(美村里江)に容疑者の面通しを依頼するが、そのときの英子の証言に違和感を覚え、捜査を開始する。
やがて、英子の過去にいくつもの謎が隠されていたことが判明。執念の捜査を進めた牛尾がたどり着いたのは、衝撃の真実だった…。人間の善と悪、生と死を深く考えさせられる、つらく悲しい事件が描かれていく。
片岡と美村は、2012年の連続テレビ小説『梅ちゃん先生』で共演。当時から真摯に演技に取り組む彼女の姿勢に感銘を受けていたという片岡は、今回のヒロインが美村に決定したと聞いた瞬間、「ああ、もう大丈夫だ! 美村さんなら受け止めてくださる」と、作品の成功を確信したと明かす。
フラワーショップのオーナーを務める英子は、華やかなイメージの職業とは裏腹に、どこか影のある女性。その役作りのため、美村がいわゆる“塩抜き”という方法でストイックに体を絞ったことを聞いた片岡は、「塩抜きって、ボクサーが計量前、ガッと体重を落とす方法なんです。アルカクイックスマイルで美しい美村さんが、中身はなかなかのボクサーだったとは! “ヤバイぞ、これは!”としびれましたね」と、覚悟を持って作品に臨んだ美村を絶賛。
さらに、このファイナル作について「人間を掘り下げた普遍的な作品。シリーズならではの深い意味をはらんだ、ファイナルにふさわしい物語です」と力強く見どころを語った。片岡のコメント全文は、下記に掲載。
片岡鶴太郎(牛尾正直 役)コメント
美村さんとは約10年前、連続テレビ小説『梅ちゃん先生』で共演しましたが、当時からお芝居に真摯に取り組む姿勢が素晴らしいなと感じていました。ですから、今回のヒロイン役を演じられるのが美村さんだと聞いた瞬間、「ああ、もう大丈夫だ! 美村さんなら受け止めてくださる」と感じ、この時点で作品の成功を確信していました。
そして思ったとおり、美村さんは素晴らしかったですね。この北野英子という役をどう具現化するか、脚本を手に取ったときから彼女の中では既に覚悟ができていたみたいで、撮影までに体重を2~3キロ絞ったとおっしゃっていました。最終的にはストーリーの進行にあわせて、さらに“塩抜き”をして体を絞ったと聞きました。塩抜きって、ボクサーが計量前、ガッと体重を落とす方法なんですよ。アルカクイックスマイルで美しい美村さんが、中身はなかなかのボクサーだったとは!「ヤバイぞ、これは!」としびれましたね。美村さんは本当に、英子という人物を全身でキャッチしてくださいました。
美村さんが撮影中、「この終着駅シリーズは、いわゆる“はやりモノ”のドラマではなく、かめばかむほど味わいがにじみ出る作品ですね」とおっしゃってくださったのですが、とてもうれしい言葉でした。これまで、ありがたいことに過去の作品を再放送していただく機会も多かったのですが、確かにどの作品も古さを感じないんです。この『十月のチューリップ』も、人間を掘り下げた普遍的な作品。『終着駅シリーズ』ならではの深い意味をはらんだ、ファイナルにふさわしい物語です。
あらすじ
心臓外科の名医として知られ、総合病院の副院長でもある前園徹(天野浩成)が刺殺されているのが見つかった。臨場した新宿西署の刑事・牛尾正直(片岡鶴太郎)は、第一発見者であるフラワーショップ経営者・北野英子(美村里江)から事情を聴く。英子は現場から急ぎ足で立ち去る大柄な男を目撃したと話すが、フードをかぶっていたため顔までは分からないという。
そんな中、牛尾は殺された徹が自身の病院の特別室に、意識不明の重体に陥った高校生・川合理香(菊地姫奈)を迎え入れていたことを知る。理香は病院で働く看護師の娘で、学校のいじめを苦に飛び降り自殺を図ったらしく、状況を知った徹が母子に手を差し伸べた形だった。彼の行動は美談として報じられていたが、その一方で徹は病院長でもある母・貴子(原日出子)に面倒なことは全て頼りきっていたという、いびつな親子関係も明らかになる。
まもなく、英子の目撃証言に合致する関係者が浮上。ところが、彼の風貌を確認した英子は、自分が見た男とはまったくの別人だと証言。牛尾はきっぱりと否定する英子に、かすかな疑念を抱く。
番組情報
『森村誠一ミステリースペシャル
終着駅シリーズ・ファイナル
十月のチューリップ』
テレビ朝日系
2022年12月22日(木)午後8時~9時48分