3月24日(金)放送の特集ドラマ『生理のおじさんとその娘』(NHK総合 午後10時~11時13分)に、原田泰造、上坂樹里、齋藤潤、三山凌輝、菊地凛子らの出演、麻生久美子が語りを務めることに。原田や上坂らからコメントも到着した。
生理のこと、ナプキンのこと、子宮とホルモンのこと。きちんと理解している人はどのくらいいるだろう。「生理が来たことない人に分かるわけない」「どうせ分からないから自分は知らなくていい」と、両者の間にある壁は決してなくなることはない。
でも、壁を低くしたり、壁に穴を開けたりすることは、もしかしたらできるのではないか。特集ドラマ『生理のおじさんとその娘』は、“生理のおじさん”として有名人になってしまった男とその娘の、ある炎上事件をきっかけとした親子げんかと仲直りの記録だ。
脚本は、よるドラ 『恋せぬふたり』で向田邦子賞を受賞した吉田恵里香が担当。原田泰造が主人公の「生理のおじさん」こと、光橋幸男役を演じる。“生理に詳しすぎるおじさん” と “生理を語りたくないその娘”、2023年の「生理」の現状を通して「違う人同士が分かり合うこと」を描く。
さらに、光橋家の風変わりな日常を、一家に対する不思議な距離感で解説する謎の語り手を麻生久美子。「生理のおじさん」の娘・光橋花役を上坂樹里。花の弟・光橋嵐役を齋藤潤。「生理のおじさん」の部下・橘正樹役を三山凌輝。婚活アドバイザーで、生理をオープンに語ろうとする幸男と真っ向からぶつかる北城うらら役を菊地凛子が演じる。
発表にあたり、原田は「子供を愛する親としての在り方と、生理にまつわる正しい知識を広める活動に力を入れていく間で生まれる葛藤は、たくさんの方々にも共感いただけると思います。ぜひ、たくさんの男性にも見てもらいたいドラマです!」とコメントを。
脚本を手掛けた吉田は「幸男を含めて、この世界には生理が来ない人たちがたくさんいます。でも生理に関係のない人は誰一人いません。生理が来ても来なくても、全ての人がきちんと知識を得て、自分事にすることで変わる世界が確かにある。そんな思いを込めたドラマです」と語っている。
原田と上坂、吉田、演出の橋本万葉によるコメント全文は以下を参照。
脚本・吉田恵里香 コメント
私は生理が近づくと、とにかく眠くて食欲が増します。気が沈み、仕事の効率も悪くなります。でも症状は比較的軽い方だと思います。
思いますと言ったのは、生理について周りと深く話したことがないからです。最近は随分変わりましたが「生理について大っぴらに話してはいけない」というルールが、世の中にはまだあります。語られないことで奪われる健康・知識・配慮や優しさが絶対あるのに……。
本作の主人公・光橋幸男は「生理のおじさん」として活動することで、そのルールをぶち破ろうとする男です。幸男は生理の当事者ではありません。幸男を含めて、この世界には生理が来ない人たちがたくさんいます。でも生理に関係のない人は誰一人いません。生理が来ても来なくても、全ての人がきちんと知識を得て、自分事にすることで変わる世界が確かにある。そんな思いを込めたドラマです。
原田泰造 コメント
今回演じる幸男という役は、娘と息子を男手ひとつで育てるサラリーマン。子供を愛する親としての在り方と、生理にまつわる正しい知識を広める活動に力を入れていく間で生まれる葛藤は、たくさんの方々にも共感いただけると思います。
僕はこれまで、生理についてそこまで深く考えたことがなかったのですが、今回この作品を通して、なぜもっと早く向き合ってこなかったのかいろいろと反省することだらけでした。
ぜひ、たくさんの男性にも見てもらいたいドラマです! ご期待ください!
上坂樹里 コメント
「生理のおじさんの娘」という役があると初めて知ったとき、どれだけ変わった家族で、どんな子なんだろうと想像もつきませんでした。ですが、台本を読んだり、監督やプロデューサーの方々と話したりする中で、光橋家の日常や言動に私自身もたくさんのことを学び、勇気をもらいました。
私が演じる花は、素直になれず、頑固なところもありますが、本当は家族思いな女の子だと思います。花と同い年なので共感できるところもあり、自分と重ねながら演じたいと思っています。
きっと、このドラマを見終わったとき、思うことや感じることは人それぞれだと思います。だからこそ年齢、性別、世代関係なく、いろいろな方に見ていただきたいです。ぜひ、ご覧ください。
演出・橋本万葉 コメント
「生理」をテーマにドラマを作っていく過程の中で、自分の人生で起きた生理にまつわる出来事を書き出してみたことがあります。初潮を迎えた日、夕食に赤飯が出てきて恥ずかしかったこと。中学生の頃、生理用品の処理がうまくできず、母を通して父から注意されたこと。これは最近ですが、旅行中に白いズボンを汚してしまい、「この年になって…」とがっかりしたこともありました。でも同時に、高校時代、生理用品が飛び交う教室の風景を「女子校だなぁ(笑)」としみじみ眺めたことや、歩いている時に突然生理が来たかどうかを確かめようとした友人の動作が面白くて笑い合ったことなど、楽しい思い出の中にも生理があるということに気がつきました。
私たちは、生理と共に生きています。現代の人が生涯で経験する生理の数は約450回。その450回がいつも恥ずかしくて、痛くて、憂鬱な時間になってしまうなんて、いくらなんでもつらすぎる。生理でつらいと思う時や困っている時、それを話したければ話せるし、話した相手がちゃんとそれを理解してくれる。そんな日常が、近い将来当たり前になることを願って、このドラマを作ります。楽しんでご覧いただけたらうれしいです。
番組情報
特集ドラマ『生理のおじさんとその娘』
NHK総合
2023年3月24日(金)午後10時~11時13分
©NHK