4月9日(日)放送の相葉雅紀主演の新作ドラマ『ひとりぼっち-人と人をつなぐ愛の物語-』(TBS系 午後9時~10時48分)の取材会が行われ、相葉、坂本冬美、一路真輝、石井ふく子プロデューサーが登壇した。
人気シリーズ『渡る世間は鬼ばかり』をはじめとする数々の名作ドラマを世に送り出してきた石井ふく子プロデューサー。2018年のドラマ特別企画『あにいもうと』、2020年の新春ドラマ特別企画『あしたの家族』と、今もなお精力的に作品を生み出している石井プロデューサーが3年ぶりに贈る本作は、最も親交の深い脚本家だった故・橋田壽賀子さんに捧げる愛の物語となる。
主人公・杉信也を演じるのは相葉雅紀。信也の心を救うヒロイン役は上戸彩、信也の亡き姉にうり二つで、物語の舞台となるおにぎり専門店「たちばな」の店主役を坂本冬美、その従業員役を一路真輝、おにぎり店の常連で声優を目指し挑戦し続ける青年役を仲野太賀、「たちばな」の店主・香を利用しようと近寄る謎の男を船越英一郎が演じる。
初めに、石井プロデューサーが「この『ひとりぼっち』というのは、今、こういう時代の中で、どっか心の中にひとりぼっちではないかと思われる。友達にも会えないし、親の故郷にも行かれないっていう方、いっぱいいらっしゃったんじゃないかと思って。そして、どうしたらこのドラマで、皆さんに心安らかな思いをしていただけないかと思って考えてみました。このグループですてきなドラマにできないかと思い、橋田賞をお取りになった山本(むつみ)さんっていう方に私の資料をお渡しして、それでこういうドラマを作ってほしいと言って、お願いをいたしました。皆さんがとってもすてきに演じていただいて、私は本当にうれしゅうございます。本当にぜいたくな思いをさせていただきました。心と心を結ぶおにぎり、それを皆さんの今の時代の中で見ていただければ、本当に幸せだと思います」と企画意図などを明かした。
本作がTBSドラマ初主演となる相葉は「僕は本当に石井先生の作品に参加できると聞いたときは、大変光栄でうれしく思った半面、プレッシャーもありました。ですが、当日撮影現場へ行ったら、本当に石井ファミリーの皆さん、スタッフの皆さん、演者の皆さん、とても優しく迎え入れてくれたので、すごく優しく、愛のある時間を過ごさせていただきました。とても自分の中で財産になりました」と心境を明かした。「何か特別な思いがあったか」という問いには「本当に石井先生の作品を見て、育ってる世代でもありますし。まさか、自分が参加できる日が来るなんてと想像もしていなかったです。今回、やらせていただけると決まったからには、120%注いでやらせていただきました」と語った。
また、石井プロデューサーからかけられた言葉について質問されると、相葉は「お言葉ももちろんそうですが、僕が大好きなたまごサンドを毎回作ってきていただきました。先生は普段、現場におにぎりを入れられるらしいんですが、『今回はおにぎり屋さんがテーマだったので、サンドイッチにしたわ』と言っていただき、僕は手作りのサンドイッチで、現場をやらせていただきました」と裏話を披露。石井プロデューサーは「いつも大体おにぎりを作っていくんですけど、今回はおにぎり屋さんなので、ちょっと失礼かと思って、それで『何がいい?』って言ったら、卵が好物だと相葉さんがおっしゃったから、たまごサンドを作ろうかなと思って、それで自分で作っていきました」と明かすと、相葉は「とてもおいしかったです」と笑顔を見せた。
舞台で石井プロデューサーの演出を受けた経験のある坂本は「舞台の場合は、先生が直接演出をしてくださるんです。ですから、指先まで細かい所作まで、先生が本当に1つずつ1つずつ手を取りご指導してくださるんですが、ドラマに関しては、プロデューサーですから、『何かあった時は言うけど、見守ってるわ』っていうスタイルでいらっしゃいました。でも、私が本当に申し訳ないんですがNGばっかり出したんですよ。その度に撮り終わってから、先生に泣きつこうと思うと『何かあったら言うから大丈夫』ってモニターをご覧になって、必ずそういうふうにおっしゃってくださったのが、本当にお守り代わりになって何より心強かったです」と明かした。
おにぎり専門店の老舗「ぼんご」の右近由美子さんからおにぎり指導を受けた坂本と一路。一路は「2人で特訓したんです。動画にも撮って、家に持ち帰っても練習していたのですが、本番おにぎりを握っている映像は坂本さんだけで」と明かすと、坂本も「一緒にお稽古したんですけどね、どうもお店が忙しくてね」と相づち。一路は「連日大入り満員のお店の設定だったので、私はお運びが大変で」と語った。
おにぎり指導を受けた坂本は、おにぎりの認識が変わったことを明かし、「握っちゃいけないんです。型に入れて、塩をつけて1、2回くっとしたら、あとはのりで形成したら、ふわふわのおにぎりになるんです。右近さんからお米とのりと特別な塩を頂いて。お米は2時間、水につけておくとおいしくなるんですよ」と秘訣を明かした。
おにぎりを食べながら泣くシーンがあったという相葉。その相葉の姿に坂本は「いろんなことがあったっていう告白されるシーンがあって。熱演される中、おにぎりを完食しなきゃいけないという。リハーサルからもう完璧で」と感心。これに相葉は「エネルギーが必要だったので、大変でしたね」と打ち明けた。
上戸彩、仲野太賀、えなりかずき、角野卓造らとの共演の感想を問われると、相葉は「仲野君はちょっと下ぐらいの世代なので、合間によくお話したりもしてましたし、彩ちゃんは、ドラマとかでお芝居をするのは初めてだったんですけど、バラエティではよくお会いしていたので、すんなり撮影もできました。えなり君は30何周年を迎える大先輩なのに、気さくに話しかけてくれたり、『一生子役』って言っていたけど髭も生えているし、『ベテラン』って呼ぶようになって。年も近いのがあって、えなり君とは遊びに行く仲になりました。焼き肉行ったり! 角野さんは、ご自身が出されているお店の本にサインしていただけたり、すごく本当にアットホームな現場でした」と明かした。
長回しで行われたという撮影に、相葉は「お2方がお歌を歌われるシーンがあるんですが、そこは本当に緊張して。外から僕はお2人が歌っているところを眺めて、そーっと入るという展開だったんですが、ドアに思いっきりガンってぶつかってしまって…。すごいやらかしちゃってるんですけど、そのまま使われてたので、いろいろ申し訳なかったなと。長回しならではのハプニングもありました」と告白。すると、一路が「ぶつかっていたのは演技ではなかったのね!」と驚きつつ、「えなり君がドアを閉め忘れているシーンがあったんですが、カメラは止まらないので、冬美さんがせりふを言いながらお閉めになったりしてましたね」と裏話を披露した。
最後に相葉が「本当にこの数年間、人との接触はできるだけ避けて、できるだけ会わないように、リモートでとやってきたこの世の中だからこそ、この『ひとりぼっち』というドラマが皆さんの心に刺さってくれればいいなという思いでやらせていただきました。どうか皆さん見てください」とアピールし、会見を締めくくった。
番組情報
『ひとりぼっち-人と人をつなぐ愛の物語-』
TBS系
2023年4月9日(日)午後9時~10時48分
作:山本むつみ
演出:清弘誠
プロデューサー:石井ふく子
<出演者>
杉信也:相葉雅紀
内田千秋:上戸彩
松本逸平:仲野太賀
矢島宏明:船越英一郎
立花香:坂本冬美
藤森聡美:一路真輝 ほか
公式Twitter:@hitoribotchitbs
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