東山紀之が主演を務めるドラマ『刑事7人』(テレビ朝日系 毎週水曜 午後9時~9時54分 ※初回6分拡大)が、6月7日(水)にスタート。それに先駆け、初回の試写レビューを掲載する。
2015年にスタートして以来、東山紀之演じる主人公・天樹悠を中心に、深い人間模様とサスペンスフルなドラマが共存する人気刑事ドラマシリーズとして走り続ける『刑事7人』。6月7日(水)放送の第1話で通算第77話に到達する今シーズンは、ミステリーとしての面白さはそのままに、過去と現在が交錯するシリーズ史上最大のスケールで送る。
天樹をはじめ、海老沢芳樹(田辺誠一)、坂下路敏(小瀧望)、野々村拓海(白洲迅)、青山新(塚本高史)、片桐正敏(吉田鋼太郎)、法医学の権威・堂本俊太郎(北大路欣也)というスペシャリストたちの躍動に期待が高まるが、待ち受けるのは7人の絆が試される波乱の展開だ。
そんな本シリーズの第1話は、これまでのシリーズの中でも極めて重厚で、60分の間に幾重もの伏線が張りめぐらされているように感じられた。冒頭から10年前に発生した連続強殺事件で死刑を処された男性が絞首台へと登っていくさまや彼が遺したメッセージを何者かが手に取る様子、震災後の街を彷彿とさせる景色が映しだされていき、これから天樹らの身に降りかかる事件の大きさを伺わせる。
また、同シリーズは新専従捜査班メンバーの団結力やほほ笑ましいやりとりも見せ場の1つだが、本作ではそれが不安定に揺らいでいる。刑事を辞めることを決意し、最後の事件に挑もうとする天樹をはじめ、それぞれが岐路に立たされており、笑顔を浮かべていてもどこか陰を帯びて見えるのだ。
さらに、警察組織の内部告発を行う「暴露チャンネル」も始動。この存在が、本シリーズにおいて物語を動かす軸の1つになるのではないだろうか。警察内部の人物でしか入手できない情報が流出していることから監察は警察内で配信者を絞っており、拓海を呼び出すと、なんと片桐を候補の1人として挙げ、内偵するよう告げる。
なお、このチャンネル内で告発される不正を働いた警官たちの経歴には、すべて10年前の事件が絡んでいることも明らかに。そんな中、天樹らが次々と発生する殺人事件の捜査を開始すると、殺害された人物たちも10年前の事件に関わりがあったことが発覚する。
そんな中、片桐だけは10年前の事件と一連の殺人事件が関連する可能性をかたくなに否定。誰が見ても明らかに違和感を感じる片桐のその強固な態度は、一体何につながっていくのか、そして何を隠しているのか…。さらに拓海は、10年前の事件の生存者である盲目の女性・望月和沙(山崎紘菜)をひそかに追い続ける片桐の姿を目にしてしまう。
“シーズン史上最も切ない物語”とも謳われている本シリーズだが、まさにその片鱗が見えた初回だった。また、以前のように一枚岩となった新専従捜査班の姿を見られることを願いつつ、彼らがたどり着く結末を今後も追っていきたい。
番組情報
『刑事7人 Season9』
テレビ朝日系
2023年6月7日(水)スタート
毎週水曜 午後9時~9時54分 ※初回6分拡大
番組公式HP:https://www.tv-asahi.co.jp/keiji7_09/