船越英一郎が主演を務めるドラマ『テイオーの長い休日』(東海テレビ/フジテレビ系 毎週土曜 午後11時40分〜深夜0時35分)より、大橋彰のコメントが到着した。
船越英一郎が自らをパロディにしたような“元・2時間ドラマの帝王、熱護大五郎”役を演じて話題になっている土ドラ『テイオーの長い休日』。放送のたびにSNSでは「毎回役になりきる場面で笑っちゃう」「ドラマ作りの現場にかかわる話だけどんな組織にも当てはまるエピソードでとても響く」などの声があがり、“かつての2時間ドラマのファン”からのコメントに加え、業界ドラマとしての面白さや熱護の新たな一面に称賛の声が上がっている。
さらに「業界で働く人達とゆかりの子どもたちの悩みをリンクさせてそのどちらも救ってみせる熱護の人間力に惹きつけられる」「熱護は基本面倒見いいよなぁ。苦手なはずの子どもにも」「ドラママニアでもファミリーでも楽しめる内容」といった感想も届いているように、悩める長女を救うため、苦手なはずの子どもにも向きあった熱護。ヒューマンドラマとしても楽しめる作品となっている。
そんな愛すべき偏屈な熱護に振り回されているのが、彼のマネージャーとなった吉田ゆかり(戸田菜穂)。ある事情からドラマ業界を一時“追放”されていたが、3人の子供を抱えて生活していくために熱護のマネージャーとして業界に復帰した。ゆかりがシングルマザーになったのは、愛する夫が3年前に交通事故で他界してしまったためだが、その夫・吉田康介の思い出を巡り、吉田家でひと騒動が起こる。
その康介役を演じるのが“全裸でお盆だけ持って登場するネタ”で知られるアキラ100%こと大橋彰。今回、お盆芸を封印して俳優として演技をする大橋からコメントが到着した。
大橋は、大学卒業後すぐに芸能事務所へ就職し、学生時代の同級生とお笑いコンビを組んだあと、ピン芸人・アキラ100%として活動。おなじみの全裸&お盆芸で注目を浴び、2017年には『R-1ぐらんぷり』で優勝。その頂点を極めた大橋だが、今回は裸もお盆も封印して父親役を演じる。「芸人・アキラ100%」としてのパフォーマンス、そして「俳優・大橋彰」としての演技。“二刀流の切り替え”はどのようにしているのだろうか。
「切り替えは、とても分かりやすくて、どうも『服を脱ぐ』ということで芸人のスイッチが入るようです。ネタをやるぞとか、人前に出ていくんだなという場面では『服を脱ぐ』。これで気持ちが入ります。アキラ100%の名前で、服を着てロケに行かせてもらうようなお仕事もあるんですが、そういうときも、やっぱり“お盆”は持ったり、蝶ネクタイだけはしてるとか…。“服を脱ぐ/脱がない”“お盆持つ/持たない”みたいなことで、切り替えているかと思います(笑)。今回の役の、吉田康介さんを演じる時には、もちろん、お盆は持ちませんでした。蝶ネクタイもしていません。洋食のお店なので、撮影現場のお店の中にはお盆はあったかもしれませんが(笑)。僕がそれを手にすることはなく、一生懸命“優しい夫であり父親”というヒューマンな役柄を演じさせていただきました」
そもそも大橋は、芸人と俳優のどちらを先に始めたのか。
「“二刀流”と言ってくださっていますけど、実体はそんなにカッコいいものではないんです。本家・二刀流の大谷翔平さんなどとはもう比較にならないようなことで…(笑)。そもそもの話をすると、高校の時に演劇部に入りまして、それにすごくハマったんです。当時は第三舞台とか、夢の遊民社とか、キャラメルボックスとか、いわゆる演劇の第三世代といわれる方たちがすごく活躍している時期で。自分も、ああいう世界でご飯食べられたらいいな、といった思いが募って、学校卒業後も就職せずに養成所みたいなところに行ったり、そこで友達になった人たちと一緒に舞台やったりしてました。
一般的なお芝居だけじゃなくて、チャップリンとか、ドリフとかもすごく好きで、コメディをやりたい、という気持ちも抱えていたんです。とはいえ、その気持ちが実って、何か芽が出るようなことは何もなくて、気が付いたら30歳になっていました。30になっても、ろくな仕事もできてない。でも、このまま、好きなことを辞めるのは嫌だ。そう思って、その時点でコントをやろうと思ってお笑いへ舵を切ったんです」
ピン芸人・アキラ100%が誕生する前に“コンビでコントをしていた”ことは、知る人ぞ知る逸話。
「コンビの時代にも、“お芝居コント”みたいなことをやっていたんですね。例えて言ってしまうと、東京03さんみたいな、設定を作って進行させるヤツ。お芝居好きが、そこでも顔を出していたんでしょうね。実は、裸芸の原点も、その設定コントのネタのひとつにあったんです。喫茶店の店員が裸で登場する設定で…ちょっとシュールな感じでしょ(笑)。
コンビからピンになった後、ネタ作りも試行錯誤で苦しんでいたんですが、あるテレビ番組のオーディションに出ることになりまして。『宴会芸ネタを持ってきてください』という趣旨のオーディションだったのですが、そこで半ば苦しまぎれで思いついたのが、その、コンビ時代の裸ネタでした。“あれを一人用に直して持っていこう”ということで。それがウケて、テレビにもどんどん呼んでもらえるようになって、ついには『R-1ぐらんぷり』で優勝させてもらって、皆さんに覚えてもらえるようになりました」
ただ、実際は「俳優・大橋彰」の活動も「裸芸のアキラ100%」の前から動いていたようだ。
「ピンになってまだ仕事もなくて、ただライブに出て、アルバイトするという生活をしていたときに、事務所に出入りしている作家さんたちが、自分たちで作っているお芝居に呼んでくれたんです。『ちょっと出てくれないか』と。何本か出させていただいたんですが、その舞台を見て、今度は映画に呼んでくれる監督さんにも出会えて。自分としても、コントから俳優に戻りたい、なんて思いではなく“芸人も俳優も関係なく、とにかくやれることをやっていこう!”という気持ちで、お芝居の方もやらせてもらった、という感じです。自分が生きて活動している証しみたいなものでしょうか。二刀流なんてカッコいいものではなくて、とにかくなんでもやらなくちゃ!という状況でこうなったことが、分かっていただけるでしょうか(笑)」
今回の役どころについては、「憧れます」と語る大橋。
「既に発表もされている通り、今回、僕が演じる吉田康介は、ゆかりさんの亡くなった夫であり、3人姉弟の父親です。実際に演じてみてつくづく思ったんですけど、康介さん、ほんとに優しい人なんですよね。4話の中で、長男の悟君と語り合うシーンがあって、言葉の端々に、家族への愛と、それから“強さ”があふれているんです。人間として正しいことは何か、正しいことをするというのはどういうことか、と悟君に語る言葉が、本当に深くて…。
例えば、『思いやりが大事なんだ』というせりふがありましてね。思いやりを誰に対しても持つというのはほんとに難しいことだと思うんです。それだけ相手のことを考えなくちゃいけないわけですから。しかも、ただやさしいだけではダメ。子供に対しても、いいよいいよと容認しているばかりでなく、あるときには厳しさも含めて、しっかりと接さなくてはならない。そういうところも、すごくしっかりできていたのが、この康介だと思うんですね。僕個人も家に帰ると奥さんと子供がいるわけですが、気持ちとしては、この康介のような、妻に愛され、子供にも慕われている、そういう男でありたいなと思います。家族からの信頼を得る、というのは大変なことで、康介のようにあんなに『やさしかったんだ』と評価されているのは、本当にすごいなと思います。憧れます」
そして、視聴者としても本作を楽しんでいるという。
「この『テイオーの長い休日』は、船越さんが元・2サスの帝王を演じるという設定そのものが面白過ぎるんですけど、その上に、この4話のような“家族のあり方”を映し出すホームドラマの要素まで入れてくるのが、すごいです。しかも、そこに事件の謎解きの要素があって、熱護が過去の役に扮するというパターンもきちんとあって、自分は家族をもっていなくて、役の上でも父親役はやったことがない熱護が、家族の問題をどう“料理”するのかというポイントも加わって。さらに、事件の裏にはティーンエイジャーの友情の問題という深いテーマも絡めてあって…このドラマは、“ネタの練り込み方”がハンパないと感じています。そういうわけで、僕は、次回の第4話に出演するんですけど、自分で第1話から一視聴者としてどっぷり楽しんでいます。視聴者の皆さんも、どっぷり楽しんでいただきたいと思います!!」
第4話(6月24日(土)放送)あらすじ
ゆかり(戸田菜穂)の長男・悟(石原颯也)を警察が訪ねてくる。何やらトラブルに巻き込まれているようだったが、悟はゆかりに何も語らず…。
その頃、熱護(船越英一郎)は地元の食堂で店長の日置(河相我聞)ら中年グループからゴルフに誘われていた。再現ドラマでのゴルフシーンに感銘を受けてのオファーだったのだが、熱護はそこで商店街で盗難事件が起きていることを知る。事件が悟とも関係している事に気づいた熱護は、悟を食堂に連れていくが、そこで悟は亡き父・康介(大橋彰)との約束を思い出し―「亡き人が自分たちを愛してくれた記憶は絶対に消えない―」思い出のメンチカツが紡ぐ、残された者たちのそれぞれの思いの物語。
番組情報
『テイオーの長い休日』
東海テレビ/フジテレビ系
毎週土曜 午後11時40分~深夜0時35分
※『FNS27時間テレビ』のため7月22日(土)は休止
出演:船越英一郎、戸田菜穂、今井悠貴、宮下結衣、石原颯也、平野絢規/白石隼也、久保田磨希、前川泰之、木場勝己
企画:市野直親(東海テレビ)
脚本:入江信吾、川﨑いづみ、諸橋隼人
音楽:仲西匡(カレント)
主題歌:「素顔」上野大樹(cutting edge)
OPテーマ:「Bumpy」Beverly(avex trax)
ナレーション:大和田伸也
演出:吉川鮎太(ホリプロ)、白川士
企画:市野直親(東海テレビ)
プロデューサー:松本圭右(東海テレビ)、井上竜太(ホリプロ)
制作協力:キャンター
制作:東海テレビ、ホリプロ
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