神木隆之介が主演を務める連続テレビ小説『らんまん』(NHK総合 毎週月曜~土曜 午前8時ほか)より、松坂慶子のコメントが到着した。
連続テレビ小説第108作『らんまん』の主人公は、槙野万太郎。明治維新から大正、昭和、そして未曽有の敗戦と、激動の時代の渦中でただひたすらに愛する草花と向き合い、明るいまなざしで生命の多様性を肯定し続けた日本の植物学の父・牧野富太郎をモデルとしている。
松坂が演じる槙野タキは、万太郎(神木)の祖母。夫と一人息子に先立たれたため、酒蔵「峰屋」を女手一つで切り盛りしている。曲がったことが許せない正しく強い女性で、跡取りの万太郎を時に厳しく、愛情深く育てる。
結婚を決めた万太郎、寿恵子(浜辺美波)と相棒の竹雄(志尊淳)が、第12週で高知に帰ってきた。6月26日(月)より放送の第13週で前半のクライマックスを迎える中、松坂がこれまでの撮影を振り返った。
松坂慶子 コメント
◆『らんまん』への出演が決まった際の心境はいかがでしたでしょうか。
ドラマの舞台の高知は日照時間も長くておおらかな土地柄だと思ったので、厳しい中にも、高知の人の、はちきん(勝気な高知の女性を指した言葉)らしい明るさ、勝負強くて快活で気のいい性格で負けん気が強い、ちゃきちゃきのおかみ、という感じでスタートできればと思いました。
◆台本を読んだときの物語とタキさんの印象を教えてください。
タキさんの時代はコロリ(コレラ)が襲った直後の時代でしたが、この3年間のコロナで大変だったので、現代との合わせ鏡的なところもありますね。タキさんは家を支えていかないといけないという勝ち気な厳しいところと、情のあるところがあるけれど両方がうそではなくて両立していて拮抗して、そういうふうになるといいと思いました。どんなに厳しいことを言っても愛情にひもづいていることで、何としても家を守るという、そういう役柄だとうかがいました。
◆『らんまん』放送が始まってから、周囲の方の反響はいかがでしたか。
万太郎は病弱で本当に立派に成長するのか心配だし、重い気持ちも抱えながらやっている1週目、2週目だったのですが、出来上がった作品を見るとオープニングの自然や、神木さんの明るさや快活さ、全体の作りがとても朝ドラらしくて。見てくださる方が、タキさんを怖がらないで、受け入れてくださって本当に良かったと思いました。
◆松坂さんご自身がお好きなタキさんのシーンはどちらでしょうか? 理由も教えてください。
愛情深い女性的なところが第1回の初登場シーンで仏壇に手を合わせるところだけで、あとは叱っている厳しいシーンばかりだったので、最初のシーンは大事に演じました。
私自身は、どちらかというと、昨年放送のあった、土曜ドラマ『一橋桐子の犯罪日記』で演じた桐子さんのほうが近いと思うんです(笑)。今回は自分とは全く違う役柄を演じなければいけなくて、厳しく怒るシーンの撮影の日なんか、帰っても真っすぐ歩けないくらいへとへとになっていましたね。
家族や子供に先立たれて、そしてまた自分も大事な人を残して逝く、という経験は自分にはないんだけれども、自然と切なさが分かって無理なく演じられたのが不思議でした。やはり脚本の力や演出家のアドバイスのおかげですね。
◆撮影現場の雰囲気はいかがでしたか。主演・神木隆之介さんの印象や、他の共演者とのエピソードがありましたら教えてください。
神木さんは、みんながいい気持ちで仕事場にいて、いい集中の仕方ができるような雰囲気づくりを常にしてくださっていました。
三山ひろしさんは、さすが演歌の実力のある方だなぁと、とても通る声で寿恵子さんの着物を選ぶのにも、堂々としていらして印象的でしたね。それと、みんなで前室でけん玉を教えていただいて、認定証もいただいたんですよ。
市蔵役の小松(利昌)さんはとても大きなお声で「よろしゅう」と言っていらして、最初の頃は競うように大きな声でやっていましたね。タキさんは第12週以降になると年も取って病気もあって弱ってくるんだけど、市蔵さんが私の分まで活気づけてくださるのが、楽しいというかおかしかったですね。
綾を演じる佐久間由衣さんも、とても土佐ことばも一生懸命やっていらして、本当に役を生きているという感じがしました。
番組情報
連続テレビ小説『らんまん』
NHK総合 毎週月曜~土曜 午前8時~ ※土曜は一週間の振り返り
BSプレミアム/BS4K 毎週月曜~金曜 午前7時30分~
©NHK