今井悠貴×久保田磨希のインタビューが到着!『テイオーの長い休日』が描く業界話についてや第5話の見どころを語る

ドラマ
2023年06月26日
『テイオーの長い休日』©東海テレビ

船越英一郎が主演を務めるドラマ『テイオーの長い休日』(東海テレビ/フジテレビ系 毎週土曜 午後11時40分~深夜0時35分)より、今井悠貴と久保田磨希のインタビューが到着した。

2サスの帝王、船越英一郎が、自らの分身のような“大御所俳優”熱護大五郎を演じることで注目を集めている本作。1年以上も仕事がない“崖っぷち状況”にありながらも信念を貫く熱護の姿を通じて、周囲の人間が本当に大事なものを再確認していく、笑って泣けるヒューマンコメディだ。

第4話では、バディを組む敏腕マネージャー、吉田ゆかり(戸田菜穂)の家族の問題に向き合うことに。「夫」役も「父親」役も演じたことがなかった熱護だったが、ゆかりの長男・悟(石原颯也)との交流で、ゆかりたちを前向きにすることに成功した。

SNSでも、“熱護裁き”に「父親とは違う味のミンチカツを食べさせることで料理人の才能を伝える、こんな優しさ見たことない」「大事なことは自分で考えさせて気付かせる育成力すごい」「父親役の経験がなく気の利いたせりふが言えないとかわいらしさも出しているのが新鮮」と、さらに「裸じゃないアキラ100%さん、めちゃくちゃ演技派」と父親役を演じた大橋彰(アキラ100%)への称賛の声も多く寄せられた。

そんな『テイオーの長い休日』第5話(7月1日放送)は、芸能界のドロドロとした部分にもスポットを当てるという。テーマは、俳優の移籍問題。熱護の付き人で、芸能事務所・オリプロ所属の俳優・萩原匠(今井悠貴)に大手からの引き抜きの話が来るストーリー。

匠を演じるのは、20代半ばながら、すでに俳優歴20年の今井悠貴。そんな今井と、匠と同じ芸能事務所・オリプロのデスク・藤本千春役で、個性的なキャラクターで、ドラマや舞台、バラエティなどで幅広く活躍する久保田磨希に、本作が描く業界話について聞いてみた。

今井悠貴×久保田磨希 インタビュー

◆芸能事務所「オリプロ」にいる“同僚”同士ということでお二人にお集まりいただきました。

久保田 私はオリプロにデスクとして勤務する千春を演じています。デスクというのはお仕事の電話を受けたり、経理みたいなこともするんですが、中でも、千春は基本的に「いつも必ず事務所にいて、俳優さんの世話を焼いてくれたり、おしゃべりの相手になってくれる」というオバチャンです。私の今の事務所のデスクさんがまさにそういう人なので、その“居心地のよさ”みたいな感じを目指して演じています。今井君とこも、そういう感じじゃない?

今井 僕の今の事務所も、そうですね。居心地がいい感じで、ありがたく思っています。

久保田 第4話は、ゆかりさんちの家族みんなが最終的にほっこりする、すごくいいホームドラマな回だったけど、次の5話は、オリプロに激震が走る回なんですよね。

今井 そう、すでに4話の最後で匂わせていましたけど、ライバル事務所・トレランスの寿彰(前川泰之)さんが、うちのオリプロにいろいろと“仕掛けて”きて、僕が演じる匠が、巻き込まれていくんです。芸能事務所というところの裏側がずいぶん見えちゃう回になります。

◆「事務所移籍」というキーワードが、物語の核心になってくるんですよね。

久保田 そうですね、「移籍」される方もいらっしゃいますよね。

◆久保田さんの事務所移籍のお話、聞かせてください。

『テイオーの長い休日』©東海テレビ

久保田 私、29歳まで大阪のローカルな事務所にいたんです。あるとき、東京のドラマが決まりかけていたのに、スケジュール調整がうまくできず事務所が断ってしまったんです。その一件で、私はつくづく、「…これは東京の事務所に行かなくちゃだめだな」と思いまして…。他にもいろんな理由はあったんですけど、「東京の事務所に行きたい」と心を決めたんです。で、そのことを、大阪の事務所に…。私、もう、ほんとに礼儀を尽くして、尽くして、尽くしぬいて、29歳の自分としてできる限りの丁寧さで伝えたんです。ところが、結局、そこの社長に嫌味を言われたり、担当マネージャーさんに突然キレられたり、ひどい言われようをして…それはもう、ドラマなんかには描けないような修羅場でしたね。

今井 それ、今、この対談で出しちゃっていいんですか。

久保田 あ、それは大丈夫です。その大阪の事務所の方は、のちのち、あのときは悪かった、って連絡くださって…その後、年賀状もやりとりしたりして(笑)。

今井 あっけらかんと、笑って話してるし…(笑)。

久保田 今井君も、事務所移籍は経験あるよね。

今井 僕はもともと子役の事務所でしたからね。年齢が上がって、子役としての契約が一旦終了するタイミングで、更新するか、しないか、と考える時があったわけです。僕が中学に入ったくらいの時でした。結局、僕は子役の事務所を継続するんじゃなく、 大人の俳優さんがいる“普通の”事務所に行こうかな、という気持ちになって、今の事務所に移籍したんです。久保田さんのように苦労したことは何もありませんでしたね。

久保田 その、今の事務所はどうやって選んだの?

今井 それがね、僕自身の意思じゃなかったんです。お世話になっていた、ある人が「ここの事務所に行きなさい」とピンポイントにアドバイスをくれて…。でも、僕、ぶっちゃけ、その事務所を全然知らなくて(笑)。僕も自分なりにいろいろ事務所を調べて、選択リストを作っていたんですけど、そのリストに全然入っていない事務所だったんです。でも「行け」って言われるものですから、とりあえず行ってみて…。ところが、事務所の側としても、「この子は、なんでウチに来たんだろう」って思っていたんです。お互いに困り顔を見合わせながら面談したんですね、「どうしましょうか」って(笑)。

◆間に立ってくれた人が、そこまでは説明してくれてなかったんですね。

『テイオーの長い休日』©東海テレビ

今井 結果として、そういうことでした。まあ、事務所の社長さん、いまのウチの社長ですけど…と話をして「何か月か、“預かり”みたいな形でお仕事して、その期間の中で決めてもらうことでいいですよ」と言ってもらえたんです。それで数か月の間、お仕事させてもらううちに、「あ、マネージャーさんたち、いい人かも」とだんだん分かってきて(笑)。預かり期間終了後、そのまま、正式にお願いしますということになったんです。

久保田 社長さんといえば、このドラマでの私たちの会社、オリプロの城戸太一社長(木場勝己)が、せりふでまた深いことを言うんですよね。第5話で城戸社長が匠君に言う言葉とか、熱護さんと交わすせりふが、自分が俳優として歩いてきた今までのいろいろなことを思い出してしまいました。さすが、『テイオーの長い休日』、“業界アルアルさらけだしドラマ”です。リアル!

今井 それ、僕もわかります! ちなみに、久保田さんはどのへんが刺さりました?

久保田「事務所を辞めた俳優に、仕事が来ないように圧力をかけるとか、私がそういうことが嫌で大手事務所から独立したのは分かっているだろう」というせりふですね。

今井 あ! あれね!

久保田 それを見て、私は過去に、自分や自分の周りに起きたことをすごく思い出しちゃいました! そこだけ見ても、城戸さんの心意気ってすごいなぁ、などとも思いつつ、それを堂々と言わせちゃう、このドラマの脚本に驚きました。

◆ドラマ業界や芸能界の実像は、どのようなものなんでしょうか?

久保田 芸能界って、華やかに思われがちなんですけど、特に俳優さんやその周囲の人たちは“華やかではない人”の方が圧倒的に多いです。ドラマ、映画、舞台をやっている人は、本当に「日々オーディションの繰り返し」。受かれば仕事だけど、受からなければ仕事はない。私自身もそうなんですけど、“明日はどうなるかわからない”という感じですね。あと、今、AIが何かする、とか、テクノロジーがなんかとか、あるじゃないですか。でも、俳優って、60年くらい前にテレビドラマが始まったときから、まったく同じことをやっているんですね。せりふを覚え、誰かになって、演技をする。ほんとに、“変わらない職業”なんだな、ってすごく思います。

今井 でも、その華やかでない人たちがいっぱいいて、それが全体のほとんどを占めているというのが、逆にカッコいい部分だなと思うんですよ。そういう、普段めちゃくちゃ華やかじゃない世界で、久保田さんもおっしゃるような、“明日食べるご飯のことも不安”という状況の人たちが、1本の映画が好きだから、とか、1人の俳優さんが好きだから、といった憧れの気持ちだけで、この世界で頑張っている…それってカッコいいな、と僕は思いますし、そういう人たちのことが大好きです。

久保田 おお! カッコよくまとめるね!

今井 へへへ(笑)。

久保田 この『テイオーの長い休日』は、テレビ業界や芸能界の裏舞台も描いているドラマです。さきほどの城戸社長の、男気のあるせりふも含めて、“あ、これは、本当かもしれないなぁ”などと思いながら見て、楽しんでいただけたらと思います。あと、さっきお話ししたように、第5話は匠君の“選択”が問われる回です。匠君が、果たしてどっちを選ぶのか。私としては、どっちを選んでも、本人がちゃんとしていたら、「いい方」に行くと思うんですけどね(笑)。

今井 人間はたぶん、二択で迷った時に、どっちを選んでも「あ、この選択でよかったんだな」と考えることができる生き物だと思っています。そうポジティブに思うためには、ケジメだったり、自分なりの過去の清算だったり、が必要なんですけどね。5話は、まさに匠がそういうケジメや清算に、向き合う話になります。何かケジメをひとつきちんとつけたら、どの道へ進んでも大丈夫なんだよ…と、ドラマをご覧の皆さまの背中を押してあげられるような話になったらいいな、と思いますし、ドラマ全体もそういうメッセージを打ち出しているように思います。

久保田 これが、ドラマとして脚色されたストーリーじゃなくて、実際の俳優さんのリアルな姿がそこにあるかもしれない、と思って見ていただけると、今井君が言ったことも、より味わい深く感じていただけると思います。私自身、千春としてせりふを口にしていて、俳優の久保田として耳や心が痛いことがたくさんありました。

第5話(7月1日放送)あらすじ

『テイオーの長い休日』©東海テレビ

ゆかり(戸田菜穂)のマネージメントのおかげで熱護(船越英一郎)の付き人・萩原匠(今井悠貴)がプチブレイクの状況に。だが、なぜか浮かない表情の匠をゆかりは不審に思う。その影には大手事務所・トレランスの寿(前川泰之)の存在があった。寿は匠を引き抜こうとしていた。移籍すれば大ブレイクの道が約束されていた。だが、熱護への恩義もあり、悩む匠。一方、ゆかりは寿の真意を確かめるべく7年ぶりに古巣に足を運ぶ。そこでゆかりと寿の因縁が明らかになり…。
そんな中、熱護はなぜかトレランスの人気俳優で匠の友人でもある伊集院(白石隼也)に会いに行っていた。そしてなぜか漆黒の法服をまとい、オリプロの面々を呼び出して…。「これより、萩原匠移籍に関する審議を行う!」移籍すべきかせざるべきか。大紛糾の法廷劇が幕を開け、隠されていた真実が明らかに。そして、ゆかりは熱護を理解し、本当のバディになれるのか。それぞれの思いが錯綜する後半戦スタート!

番組情報

『テイオーの長い休日』
東海テレビ/フジテレビ系
毎週土曜 午後11時40分~深夜0時35分
※『FNS27時間テレビ』のため7月22日(土)は休止

出演:船越英一郎、戸田菜穂、今井悠貴、宮下結衣、石原颯也、平野絢規/白石隼也、久保田磨希、前川泰之、木場勝己
企画:市野直親(東海テレビ)
脚本:入江信吾、川﨑いづみ、諸橋隼人
音楽:仲西匡(カレント)
主題歌:「素顔」上野大樹(cutting edge)
OPテーマ:「Bumpy」Beverly(avex trax)
ナレーション:大和田伸也
演出:吉川鮎太(ホリプロ)、白川士
企画:市野直親(東海テレビ)
プロデューサー:松本圭右(東海テレビ)、井上竜太(ホリプロ)
制作協力:キャンター
制作:東海テレビ、ホリプロ

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