船越英一郎主演の土ドラ『テイオーの長い休日』(東海テレビ/フジテレビ系 毎週土曜 午後11時40分〜深夜0時35分 ※)より、木場勝己のインタビューが到着した。
船越英一郎演じる“元・2時間サスペンスのテイオー・熱護大五郎”が、悩みを抱えた登場人物たちを救っていくヒューマンコメディ『テイオーの長い休日』。ドラマ業界を巡る問題をあの手この手で解決していくが、人情あふれる熱護裁きに、視聴者からの称賛と声援が巻き起こっている。
明日7月15日(土)の放送では、とうとう熱護の所属事務所・オリプロに激震が走る。事務所存亡の危機ともいえる大問題に直面、そのど真ん中に立つのが社長の城戸太一だ。演じるのは日本のドラマ業界で長年仕事をしてきたベテラン俳優・木場勝己。
第5話で熱護が萩原匠(今井悠貴)に向かって「年月の中で生み出される、いぶし銀の個性」について説明するシーンがあったが、まさにそうした“いぶし銀”の味わいを見せる木場に『テイオーの長い休日』という作品の魅力を聞いた。
※7月15日(土)放送の第7話は通常より10分遅い午後11時50分から放送。第8話は7月29日(土)午後11時40分から放送となる(7月22日(土)は『FNS27時間テレビ』放送のため休止)。
木場勝己 インタビュー
◆木場さんは、まさに『火曜サスペンス劇場』などの2サスに出演されていましたよね。
僕が30代半ばくらいのときですかね、2時間ドラマの仕事を一番やっていました。もう、来る作品、来る作品ほとんどが刑事役でした。犯人の役も、たま~にはあったんですが…(笑)。主役をやったわけではないですが、2時間ドラマは本当にしょっちゅうやっていたので、『テイオー』の企画のお話をお聞きした時は、感慨深く思いました。
あと、船越君と一緒にお仕事させていただいたのが、もう38年前。船越君が20歳代半ば、僕が30代半ばの時です。それ以来ですから、もう!懐かしいなぁ!という感じで…。その意味でも、船越君が熱護で僕がその所属事務所の社長で“この2人は30年来の腐れ縁”という設定は、妙にリアリティを感じましたね。台本を読んだ瞬間から、強いご縁を感じた作品です。
僕は50数年間、俳優業をやってきた中で、刑事役の他にも、いわゆる会社の社長の役はけっこういろいろやってきました、大企業から中小企業まで。しかし、今回のような、芸能事務所の社長というのは、まったく初めての役です。初めての役どころをやれるというのは、やはりありがたいと思っています。演じるのは初めてなんですが、ただ、この城戸社長という設定は、すごく身近に思えて仕方がないんです。僕は、今は比較的大きい事務所に入っていますが、ほんの数年前までは、かれこれ20年近く、小さな個人事務所に役者として所属していまして。その事務所の社長のことが、城戸太一社長に重なってくるんですね。その社長と20数年一緒に仕事をしてきて、その方が言っていたことや、悩んでいたこと、これからどうしていきたいかという夢や希望も含めて、いろいろ見聞きしていたことを、次々と思い出してしまったんですよ、城戸社長を演じていて(笑)。
◆オリプロデスク・藤本千春役の久保田磨希さんが、「城戸社長のせりふが、俳優としての自分の胸に刺さってしかたがない!」と絶賛していました。
ああ、それは僕自身にとっても同じことが起きています。劇中で、城戸社長が熱護に向かってなにか言っているとき、ときどき、僕の中に、その事務所社長が入り込んでしゃべっていましたよ(笑)。彼が話していたことが、城戸社長のせりふにとてもしばしば重なっていた。それだけ、『テイオー』の脚本は、業界のリアルさを映し出して書かれているということなのでしょうね。
余談にはなってしまいますが、後日になって、その社長が、僕が出演した作品の資料を山ほど…それこそ段ボール箱何箱にもなるくらいためていたのを見たときは、グッときちゃいました。オリプロの城戸社長が、熱護や匠君に対しても、そうしたことをしていてもおかしくないように思っています。
この作品は、業界モノというか、ドラマ業界の内幕がかなり赤裸々に描かれています。視聴者の皆さんの中には、そのことを面白がる人もいれば、あまり自分事には感じられない人もいるかと思います。ただ、この業界の人間がドラマという“モノ”を作っているときの熱量とか情熱が、この作品のどこかに反映されていたらいいな、とは思っていますし、自分としてもぜひとも伝えたいなと思っています。
実は、今日、この現場に来るとき、タクシーに乗って来たんですが、着いてクルマを降りる寸前に、運転手さんが声をかけてくれたんですね。「俳優さんですよね」って。わりと年配の運転手さんで、それこそ十何年前に僕が2時間ドラマに出ていたときのことを覚えてくださっていた方なんですよ。まあ、今は、再放送があったりするんで、その影響もあるんでしょうが、その昔の作品の話を、降りる前の勘定をしているときに話してくれたんです。とても好印象なことを言ってくれて、僕としてはむちゃくちゃうれしくなっちゃいました。
今、テレビを見ている人には、いろいろな世代の方がいらっしゃると思います。もちろん年配の方でテレビ好き、ドラマ好きな方も大勢いらっしゃる。でも今のテレビ界を見ていると、最近はそういった年代の皆さんの見たいものが減っていたりするんじゃないかな、などと思えてきましてね。「作っている側もまだこんな熱量でやっているよ」「そういうところを見て何かしらを感じてほしいな」 といったことを伝えたい!それを今回のこのドラマで少しプッシュしたい!という気持ちを抱いています。たまたま、僕自身が歳を取ってきているという事情もありますが、僕ら自身を含めて、そして世の中の“ベテランな皆さん”も含めて、背中をグッと押すようなモノが作れたらいいな、と思っています(笑)。
◆7話と最終回・8話に向けて、メッセージをお願いします。
7話は、変な意味で、私、活躍しています(笑)。ネタも、業界の失敗ネタや困るネタ。事務所の存続に関わるような事件さえ抱えてしまうような物語になっています。詳しくは明日の放送をご覧いただきたいのですが、城戸社長が「映画を作りたい」「死ぬまでに1本、自分で映画作りたい」と言って、事件に巻き込まれていってしまうストーリーです。実は、これ、もう、まるっきり、私・木場勝己のリアルと同じなんですよ。20年くらい前、僕自身が監督をやって映画を作る、という話が持ち上がっていたときがあって、まさに金主に逃げられて、ポシャッたんです。幸い、金銭的な問題は僕には影響なかったんですが…。ドラマの脚本で書かれていることが、しっかりリアルでも起きていたということなんですね。それを、今回演じていて、どっぷり思い出しちゃいました。いやぁ、もう、仕事って、恐ろしいな、と(笑)。いろんなことがフィードバックしてきちゃう。
そんなリアルに満ちたドラマの中で、何よりもお伝えしたいのは、これは人間のつながりのお話だ、という点です。とくにこのシリーズ終盤では、城戸社長と熱護さんの若い頃から長くつながってきた関係がガッツリ色濃く出てきます。人生は、つまりは人と人とのつながりである…と。熱護という名前に掛けるわけではありませんが、人間が熱く関わり合う、その“熱い関係”をぜひ伝えたい!と思います。
第7話 あらすじ
ゆかり(戸田菜穂)のために、寿(前川泰之)の本心を解き明かした熱護(船越英一郎)。熱護という男をゆかりもだんだん理解できるようになってきていた。そんな中、事務所の社長・城戸(木場勝己)が映画の出資詐欺に遭い、オリプロは多額の負債を抱えてしまう。そこにIT会社の社長・北條(大浦龍宇一)が現れ、事務所の経営権を譲れと言い出す。まるで仕組まれていたような買収劇。
そんな中、城戸が倒れてしまう。慌てて熱護に知らせようとしたゆかりだったが、熱護は既に城戸の入院先の病院に駆け付けていた。二人で初めて取った仕事の話を淡々と話す城戸。そんな城戸に熱護はある決意をする。「この家を手放すことにした」
家も財産も、俳優としての名声も全てを捨てる覚悟を決めた熱護。驚くゆかりたちをよそに、熱護はそのまま行方をくらませてしまう。事実無根のネット記事が出回り、ゆかりは芸能リポーターに突撃取材をされるも、熱護を信じることしかできない…。
そんなクライマックス目前、ついに大物俳優・桐林藤吾も登場。世紀の大どんでん返しは起こるのか。
番組情報
『テイオーの長い休日』
東海テレビ/フジテレビ系
毎週土曜 午後11時40分~深夜0時35分
※第7話は7月15日(土)午後11時50分~深夜0時45分
※『FNS27時間テレビ』のため7月22日(土)は休止
出演:船越英一郎、戸田菜穂、今井悠貴、宮下結衣、石原颯也、平野絢規/白石隼也、久保田磨希、前川泰之、木場勝己
企画:市野直親(東海テレビ)
脚本:入江信吾、川﨑いづみ、諸橋隼人
音楽:仲西匡(カレント)
主題歌:「素顔」上野大樹(cutting edge)
OPテーマ:「Bumpy」Beverly(avex trax)
ナレーション:大和田伸也
演出:吉川鮎太(ホリプロ)、白川士
企画:市野直親(東海テレビ)
プロデューサー:松本圭右(東海テレビ)、井上竜太(ホリプロ)
制作協力:キャンター
制作:東海テレビ、ホリプロ
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