『遺留捜査スペシャル』が9月21日(木)に放送されるのに先駆け、放送直前トークイベントが開催。主演の上川隆也とレギュラーキャストであり、本作では2役に挑戦する甲本雅裕が登壇した。
事件現場に残された“遺留品”が持つ意味を徹底的に探り、声なき遺体が訴えたかったメッセージを代弁。事件そのものを解決するだけでなく、遺族の心情をも救う優しさと、超マイペースで空気を読まない不思議キャラで、視聴者を虜にしてきた刑事・糸村聡(上川隆也)。彼の活躍を描くミステリー『遺留捜査』の新作スペシャルが、9月21日(木)に放送される。
このたび、放送直前トークイベントが開催され、主演の上川と甲本雅裕が登壇。約1年ぶりとなる今回のスペシャルが決まった際の心境について、上川は「『遺留捜査』は昨年夏のシーズンをもって、いったん物語にピリオドを打つ形を取りました。それが今回、スペシャルという形ではありますが、また糸村という男に会えることがうれしくて、それ以外の思いはありませんでした」と感慨を。
続けて、甲本が「右に同じです」と発すると、上川から「自分の言葉で伝えてください(笑)」とすかさずツッコミが。あらためて「『遺留捜査』のメンバーとは、いつもその瞬間にしか生まれないものを感じながら撮影してきたので、今回はどのようなものができるのだろうと楽しみでワクワクしていました」と振り返った。
なお、今回のスペシャルの目玉のひとつは、シリーズ1作目からレギュラーキャストの村木繁役として出演する甲本が、物語の鍵を握るガラス職人・相良克典役も演じ、2役で出演していること。今回の挑戦について、甲本は「僕は12年間、村木という役を通じて糸村さんを見てきて、それには慣れていたのですが、全く別の人間である相良として相対したら、“糸村さんってこんなに変人だったんだ!”と気づいてしまって…(笑)」と。
撮影中、笑いが止まらず撮影が進まなかったという裏話も明かしつつ、上川は「これまで彼が携わってきたさまざまなお芝居を拝見し、彼の演技の幅の広さを、時に感心や驚きを伴いながら目の当たりにしてきました。なので、今回の役柄に関しても彼なりにしっかりと構築し、僕が今まで会ったことのない人物と対峙することになるのだろうと思っていました」と甲本への信頼感を浮かべた。
そして、あらためて主人公・糸村の魅力を問われると、上川は「2011年から始まったこの物語を見直していくと、糸村は全く変わっていないわけではありません。彼は彼なりに仲間や環境に影響を受け、経験を積み重ねながら生きています。でも、根ざしているところが変わっていないんです。“遺留品にこだわる”という点を取ってもそうですが、モチベーションや行動原理がブレないからこそ安心して見ていただけるのかもしれません」と分析する。
すると、甲本は「僕は糸村というキャラクターの前に、上川隆也という役者の幅とスキルに魅力を感じます。手練手管という言葉が合っているか分かりませんが、上川君はあらゆる手段を使って糸村の中にいろいろなものを入れ込んで現場で爆発させているのだなと、いつも触れるたびに感じるんです」と。
「また、上川君は緻密に考えをめぐらせる完璧な人ですが、糸村さんは逆に“ほころびの塊”のような存在。それをひとりの人間として作り上げる上川君という役者は、本当にすごいなと思っています」と語り、上川との絆を感じさせた。
さらに上川は、本作が長く愛され続ける理由にも言及。「この作品はある種、人間関係におけるファンタジーでもあるのかなと思っています。今この現実では得がたい人と人の触れ合いや距離感に、この作品では触れることができる。皆さんの“こうであったらいいのに”という渇望や憧憬を、この作品に見ていただいているのではないかなと感じています」と語った。
最後は今回のスペシャルの見どころについて、「今回は2役を演じましたが、それも含めて今までと変わらない『遺留捜査』を皆さんにお届けできたらいいなという思いです」と甲本。
上川も「まずは、今回の舞台となっている岡山の鹿久居島の風景です。そしてやはり、『遺留捜査』がジョーカーを切ったといいますか、甲本さんを2役に据えて全く異なる人物としてひとつの物語に登場させたこと。それがどう物語に絡んでいくのかが、何よりの見どころです」と熱くアピールした。
番組情報
『遺留捜査スペシャル』
テレビ朝日系
2023年9月21日(木)午後8時~9時54分