島根発地域ドラマ『島根マルチバース伝』(NHK総合ほか 2024年3月放送予定)に、桜庭ななみ、佐野史郎の出演が決定。脚本・竹田モモコとプロジェクト統括・小野良太よりコメントが到着した。
本作は、田舎のしがらみや生きづらさをはじめ、地方に生きる人々のありのままの姿を描きながら喜劇に昇華させる作風が高い評価を受けている竹田モモコが脚本を担当。桜庭ななみが主人公の門脇ひかり役を、佐野史郎が「みせや」店主で、別バースへの案内人を演じる。
ひかり(桜庭)は、高校演劇で神童と呼ばれ、かつて女優になることを夢見ていたが、今では地元のスーパーましまやでアルバイトをしながら、「自分が輝けないのは島根にいるせいだ!」と家族や友人に愚痴を吐きながら過ごしていた。そんなある日、占い店のような怪しい男(佐野)の店に入ると、「あなたが輝くはずだった人生を見てみますか?」と不気味な提案が。なんとそこで別のバース(異なる選択をした自分の人生)に生きる自分を目撃するが、そのどれもが理想とは程遠い姿ばかり。そんな時、妹から地元の市民劇に誘われて…。
脚本・竹田モモコ コメント
「うそをついてはいけない」と思ったのです。
若者を応援するドラマを作るにあたって、大人が若者にうそをつくわけにはいかないと。
「夢はきっとかなう!」「地元最高!」「未来は明るい!」
そんなこと、とてもとても…。口がさけても言えません。
代わりに、妥協と生活で手垢にまみれてしまった夢を持て余した大人を描いてみました。
ダサくてもみっともなくても大丈夫なんです。
10年後の自分にがっかりしても大丈夫なんです。
いつでも、どこからでも人はリスタートできるので。
やりたいことに一歩ふみだす勇気と、日常を続ける元気を少しお届けできれば、と思います。
プロジェクト統括・小野良太 専任部長 コメント
「島根の人のために島根でドラマを作りたい――」
昨年、開局90周年を迎え、今年3月に新会館へ移転したNHK松江放送局が、強い思いを抱いて立ち上げたドラマプロジェクト。島根に住む生き方も境遇も違う若者が抱く夢は、さまざまな形でそれぞれの思いとともに心に刻まれています。その誰しもが持つ心の機微を、島根に生まれ、もがきながらも妥協して生きてきた「ひかり」の姿を通して、島根で暮らしていくことの意味や、心の奥底にある大切な思いへの気付きとして、脚本家 竹田モモコさんが描いてくださいました。島根の皆さんの心緒に触れ、明日に向く背中をちょっとだけ押すことのできる、そんなドラマにしたいと思います。完成を楽しみにしていてください。
番組情報
島根発地域ドラマ『島根マルチバース伝』
NHK総合 2024年3月上旬放送予定 <島根県域>
NHK BS 2024年3月放送予定 <全国>
出演:桜庭ななみ、佐野史郎 ほか
作:竹田モモコ
演出:岡村祭冬
制作統括:高橋英里、櫻井賢
プロジェクト統括:小野良太
制作:NHK松江放送局
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