仲間由紀恵、視聴者震撼の狂気的な治済を演じ切り「子供に見られちゃいけない役だなと」『大奥 Season2』

ドラマ
2023年10月31日
『大奥 Season2』©NHK

ドラマ10『大奥 Season2』(NHK総合 毎週火曜 午後10時~10時45分)より、一橋治済役・仲間由紀恵のコメントが到着した。

3代将軍・家光の時代から幕末・大政奉還に至るまで、男女が逆転した江戸パラレルワールドを描いてセンセーションを巻き起こした、よしながふみ作の「大奥」。ジェンダー、権力、病など、現代社会が直面する課題を大胆な世界観で鮮やかに描いたこの傑作コミックを原作に、3代将軍家光から8代将軍吉宗までの物語をドラマ化し、ドラマ10枠で今年の1月期に放送された。

そして今秋、吉宗の遺志を継いだ若き医師たちが「赤面疱瘡」撲滅に向けて立ち上がるその後の物語から、女将軍をはじめとした幕府の人々が、“江戸城無血開城”のために奔走した幕末・大政奉還の物語を初めて映像化する。

そんなドラマ10『大奥 Season2』より、8代・吉宗の三女、宗尹の子で一橋家当主(吉宗の孫)である一橋治済役・仲間由紀恵のコメントが到着した。

仲間由紀恵 コメント

『大奥 Season2』©NHK

◆ご出演発表時は「冷淡で非道な権力の亡者」という役柄説明もありましたが、オファーを受けた時のお気持ちはいかがでしたか。そして、実際演じられていかがでしたか。

幼い子供を平気であやめていく役だという情報は聞いていましたが、実際何を思っていて、どんな役なのかという細かいところまでは、オファーをいただいた時点では分かりませんでした。
それでも台本を読み進めるうちに、思っていたより“ファンタジーな人”だなあと思えてきました。そもそも人の命を奪うこと自体がどうなんだというのはもちろんありますが、仕方なく人の命を奪うにしても、普通は理由があると思います。でも彼女が人をあやめる時に、理由はなくて。権力を手に入れる上で邪魔な者は排除するというただそれだけで、淡々と人を殺せてしまうし、楽しみすら感じることもある…。狂気的な面を持っていて、世の常識が通じない、とんでもない人だなと思いました。
彼女の言動に関しては人として理解できない部分だらけではあるので、理解しようというよりも、どんな楽しみを先においてこの人は取りかかっているのかな…みたいなことを想像しながら演じました。

あくまで作り物の世界ですし、ここまで振り切れた人物だと、監督陣もとても楽しそうに演出されるんです。それに、そもそも時代劇というのは、誰も実際には見たことのない世界。ある程度自由に作れるものだと思っています。とんでもなく変わり者で狂気な治済なので、不謹慎ではありますが、ある意味わくわくしながら演じさせてもらいました。

◆登場時は美しく穏やかな雰囲気だった治済が、徐々に不気味で恐ろしい存在に変化していく。その変化をどのように意識して演じられましたか。

役の魅せ方は、監督方ともお話をしました。前半は、本性が見えない、裏ではものすごいことをしているけれど、表面的には何を考えているか分からない雰囲気。でも実権を握った途端、たがが外れたようにぜいたくざんまいをし、この力がどこまで及ぶんだろうと楽しんでいるかのような空気もあります。監督との間で、力を握るあたりから治済の本音を少しずつ足していこうというお話もありましたので、それまではおとなしく見えるように意識して演じました。

◆息子・家斉を押さえつけてコントロールしてきた治済ですが、家斉への思いはどのようなものと捉えていますか。

“権力を握るのは自分である”という思いが、幼い頃から彼女の中にずっとあって。実権を握っていない時から、どうすれば自分が一番上に立てるのかを考えていましたし、そのためなら息子ですら利用するという…。何とも恐ろしい人です。
家斉は息子なので、もちろんある種の愛情もあると思います。ただ、「そうそう、私の言うことをずっと聞いてなさい」というように、従順な子に育ててきていますので、家斉はとてもかわいそうではありますよね。

◆撮影を振り返って、思い出深いシーンはありますか。

力を持ってからの、御台(茂姫/蓮佛美沙子)や定信(安達祐実)とのやりとりが印象に残っています。“自分”をしっかり持っていて、政を真っすぐやっていきたいという熱い思いを持っている人たちでしたが、そんな人たちですらも治済の狂気にはかなわないんだ…と。治済はそれくらい頭のおかしい人なんだというのを再認識させられました。
治済は、まぁ人の話を聞かない(笑)。自分のことしか考えていないという面を強く持ち続けるのが大変ではありました。自分の感情を真っすぐストレートに伝えられて、意志も強く、間違っていることは「これはおかしい」と声を上げられるような相手に対して、どう攻めたら崩すことができるんだろうというのはよく考えていました。通常は感情と感情のぶつかり合いで芝居が成立していきますが、彼女には感情がない。相手がぶつけてくれる熱い気持ちに対して熱く返すことがないので…。どうよけるかを考えながら演じるのは面白くもあり、難しくもありました。

◆治済を演じ切った今のお気持ちはいかがですか。

視聴者の皆さんからお叱りを受けるような役だとは思いますけれど。今まで演じたことのない、狂気的な役でした。子供に、見られちゃいけない役だなと思いますけれど…私の意思ではなく、脚本と監督の演出通り演じることができたということをきちんと伝えたいなと思います(笑)。

『大奥 Season2』©NHK

番組情報

ドラマ10『大奥 Season2』
NHK総合
毎週火曜 午後10時~10時45分

<医療編 キャスト>
鈴木杏(平賀源内)、玉置玲央(黒木)、村雨辰剛(青沼)、岡本圭人(伊兵衛)
中村蒼(徳川家斉)、蓮佛美沙子(御台・茂姫)
安達祐実(松平定信)、松下奈緒(田沼意次)
仲間由紀恵(一橋治済)
ほか

<幕末編 キャスト>
古川雄大(瀧山)、愛希れいか(徳川家定)、瀧内公美(阿部正弘)
岸井ゆきの(和宮)、志田彩良(徳川家茂)
福士蒼汰(天璋院・胤篤)
ほか

原作:よしながふみ
脚本:森下佳子
音楽:KOHTA YAMAMOTO
主題歌:Aimer「白色蜉蝣」
制作統括:長谷知記、藤並英樹
プロデューサー:舩田遼介、松田恭典、舟橋哲男
演出:大原拓、末永創、川野秀昭、木村隆文

公式Twitter:https://twitter.com/nhk_oooku

©NHK

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