桜田ひより主演ドラマ『あたりのキッチン！』（東海テレビ・フジテレビ系 毎週土曜 午後11時40分～深夜0時35分）の第7話（11月25日（土）放送）に登場する料理が公開された。
極度の人見知りで他人とまともな会話ができず、目すら合わせられない。コミュニケーション能力ゼロ、ゆえに友達もできず空回りばかりしてしまう大学3年生の辺清美。そんな清美が、唯一可能なコミュニケーション手段は「料理」だった。本作では、料理を通じて清美の成長を描く。
辺清美を演じるのは、女優として目覚ましい活躍を見せる桜田ひより。清美が働く定食店「阿吽」の店主・中江善次郎に渡部篤郎。また善次郎の一人息子で、父親に素直になれずお互いに壁を感じている高校生・中江清正を窪塚愛流が演じる。
第7話では、祖母の面倒を見る桜（工藤美桜）のため、清美（桜田ひより）が料理を手伝うことに。登場するのは、昭和喫茶の定番ナポリタン。懐かしいあの味を、東京・恵比寿「賛否両論」店主で、料理監修の笠原将弘が現代風にアレンジした。
具材として入れるのはソーセージか、ベーコンか。マッシュルームは生のものか、缶詰か。人によって好みの味があり、専門店ができるほど人気のナポリタン。ケチャップに加えてバターを使うことが多く、こってり味が定番だが、ここで紹介するのはあっさり味のもの。清美は何を思い懐かしの味をアップデートさせたのかが見どころのひとつとなっている。
1つ目のポイントは「調味料はしっかり炒めることで、酸味を飛ばす」。ケチャップやウスターソースを加える際は、先に炒めた具材をフライパンの端に寄せ、空いたところに入れてしっかりと炒める。これにより、ケチャップ独特の酸味が飛び、コクが出る。またこの時にしょうゆも加えると、味がまろやかになる。
2つ目のポイントは「仕上げに牛乳を入れ、軽やかに」。ナポリタンでは香りづけとして最後にバターを入れることが多いが、「ちょっと重たい…」と感じる人も少なくない。そこで清美が選んだのが、牛乳。仕上げに少し加えるだけで全体がまろやかにまとまり、なおかつバターよりも軽い味わいになる。
笠原は「昔ながらのナポリタンを作るのなら、スパゲッティは表示時間よりも30秒くらい長くゆで、軟らかめに仕上げるのがいいと思います。また粉チーズとペッパーソースも添えると雰囲気が出ますね。しょうゆ以外にもみりんやハチミツを加えたり、ほんの少しカレー粉を加えると、また違った味わいになります。ちなみに工藤美桜さんは麺つゆを加えるそうですが、それもアリ。私もぜひ試してみたいと思います（笑）」と話している。
おなじみの料理だけど、立ち上る湯気やあふれる肉汁が食欲をかき立て、「コレ絶対うまいヤツ！」と注目を集めている定食屋「阿吽」のメニュー。清美の成長と共に見逃せないもうドラマのもう1つの主役だ。そんな魅力いっぱいの料理をドラマの現場で作るのが、フードコーディネーターの仕事。通常のグルメドラマとはひと味違う「あたりのキッチン！」の料理について、担当者に話を聞いた。
調理は、『さくらの親子丼』『パパがも一度恋をした』といった土ドラをはじめ、現在放送中の『いちばんすきな花』『うちの弁護士は手がかかる』など、数々のドラマの食のシーンを手掛けている、はらゆうこ率いるフードスタジオ「Vita」が担当。撮影には、はらや山﨑千裕らを中心に2～3名のスタッフがあたっている。
調理をする場所は「阿吽」のセットのすぐ隣。当然、撮影の本番中には炒め物などを作ることはできない。そのためスタッフによれば、「唐揚げなどは一旦火を通して準備をしておいて、出す直前に、再度揚げることで、こんがりとした揚げ色と湯気が出るよう配慮しています。また第1話のうどんも一度ゆでてから冷水で締め、最後に熱湯で湯がいて出しました」と。
監督やカメラマンからも「立ち上る湯気や食材のツヤを撮りたい」というオーダーがあり、そこは徹底的にこだわったそうだ。
撮影用に作った料理は、撮り終わった後にスタッフみんなで食べているという。一番人気を聞いたところ、「やはり唐揚げとか、とんかつといった肉料理が人気でした」とのこと。
ドラマスタッフによれば、あまりのおいしさに「ごぼうびだ！」と争奪戦が繰り広げられることもあったそうだ。「ちなみに桜田ひよりさんには、しょうが焼き定食を完食していただきうれしかったです！」という答えが返ってきた。
一方、調理が難しかったのは、第3話に登場したメンチカツ。「肉と同量の野菜が入っていたのでとてもフワフワで、成形するのが難しかったですね。ただ、出来上がりも本当にフワッとした食感で、メンチカツの概念がちょっと変わりました」と苦労を明かす。
笠原将弘のアイデアを取り入れながら、フードコーディネーターが料理を仕上げていくという流れ。「笠原さんの調理法や調味料の使い方には驚かされることが多かったですね。例えば第2話のサバのみそ煮に酢を入れる手法は想像したこともなかったのですが、入れてみると臭みが取れさっぱりと食べられる、今までにない味になりました。また第4話のサンマのお茶漬けに、すだちと梅の味を邪魔せずフワッと香る大葉を加えるといったアイデアにも驚かされました」と話していた。
第7話 あらすじ
最近、桜（工藤美桜）の様子がおかしい。いつもはゆっくり清美（桜田ひより）と昼食を共にしていたのだが、なぜかソワソワし清美に対してもよそよそしい様子。「ひょっとして嫌われた？」と落ち込む清美に、善次郎（渡部篤郎）は「もしかしてトラブルに巻き込まれているのかも…」とつぶやく。心配で気が気ではない清美のもとに、桜から「助けて」という電話が入る。慌てて桜の家に駆けつけると、そこで目にしたものは…。
番組情報
『あたりのキッチン！』
東海テレビ・フジテレビ系
毎週土曜 午後11時40分～深夜0時35分
出演：桜田ひより、窪塚愛流、工藤美桜、峯村リエ、原沙知絵／渡部篤郎
原作：白乃雪「あたりのキッチン！」（講談社アフタヌーン KC）
主題歌：ざきのすけ。「オレンジ」（ソニー・ミュージックレーベルズ）
オープニング曲：松田今宵「甘じょっぱい」（SDR）
制作協力：共同テレビ
制作著作：東海テレビ
番組サイト：https://www.tokai-tv.com/atarinokitchen/
番組Instagram：https://www.instagram.com/dodra_tokaitv/
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©白乃雪／講談社
