原田泰造が主演を務める土ドラ『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』(東海テレビ・フジテレビ系 毎週土曜 午後11時40分~深夜0時35分)より、繊細なひきこもりの高校生・翔を演じる城桧吏のインタビュー、そして松下由樹&富田靖子スペシャル対談のパートⅡが到着した。
家族からも嫌がられる古い価値観を持ったカタブツのおっさん・沖田誠(原田泰造)が、ゲイの青年・五十嵐大地(中島颯太)との出会いによってこれまでの自分の常識をどんどんアップデートしていく、土ドラ『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』。
1月27日に放送される第4話では、ひきこもっていた翔(城桧吏)が“登校”を一大決心。そしてそれを心配しつつも優しく見守る沖田家の面々。果たして翔は無事に学校での1日を終えることができるのか。今回は主人公・沖田誠の息子で、ひきこもり中の高校生・翔を演じ、繊細な表現力で注目される17歳の若手俳優の城桧吏がドラマや自身の役について語った。
そしてデビュー作以来40年ぶりの共演となる五十嵐美穂子役・松下由樹と沖田美香役・富田靖子のスペシャル対談パートⅡも。さらには第4話の注目シーン&沖田萌役・大原梓の心に一番刺さったせりふも紹介する。
城桧吏 インタビュー
◆原田泰造さんとは初共演になるんでしょうか?
俳優のお仕事では初めてになります。一度、『ネプリーグ』に出演させていただいた時にお会いしたんですけど、覚えてくださっていて、それがとてもうれしかったです。いつもニコニコ笑いながら話しかけていただいて、とても話しやすい優しい方です。
◆「沖田翔」という役を頂いたときの感想を教えてください。
翔というキャラクターは今まで演じたことのないキャラクターで不安もありましたけれど、新しい自分を発見できると思い、とても楽しみにしていました。翔は自分の「好き」をちゃんと伝える意思を持っていて、見ていて尊敬できる応援したくなるキャラクターです。だからこそ、翔というキャラクターをいろいろな人に理解してもらえるように伝えたいという気持ちもあります。
◆漫画原作の作品ですが、沖田翔を演じるに当たって心掛けたことはどんなことですか?また苦労したところを教えてください。
翔のせりふを自分自身に落とし込んでいって、お父さんや他人からこう言われたら、こういう反応で傷ついちゃうのかなというのを考えながら演じていくことに気をつけてやっています。苦労した点で言うと、髪の毛を結んだりグロスをきれいに塗るなど、そういう物理的な部分ですね。ネイルもそうですが、髪の毛の編み込みもしたことがなかったので、メイク系の動画を調べたりして勉強しました。
◆誠との距離感や関係を表現するに当たり、演技で気をつけていることはどんなことですか?
第1話では誠のことが苦手で目も合わせたくない状態なので、目線であったり顔の表情で不安な感じを出していました。お話が進むごとに心を徐々に開いていくので、誠との間の緊張感を少しずつ減らして、顔の表現や言葉の強さも含めて関係性を築けるようにしていきました。
◆ご自身と沖田翔の似ている部分、異なる部分を教えてください。
似ているところは、同じ年ぐらいの子より、どちらかと言うと年上の方が話しやすいですね。同じ年くらいの子だと話しかけるのに抵抗があって、自分から話しかけるのが苦手かも…。あと家に結構縫いぐるみがあって、パステルカラーのものも好きです。カワイイものが好きという点は一緒かなと思いました。
違う点はメイクをしたことがない。そういうところは違うかな。翔と違う点は、そこまでないという感じですね。
◆最後にドラマを通じて伝えたいことは?
多様性への理解が必要な今、この作品に携わることができてあらためて深く考えるきっかけとなりました。“自分自身が大切だよ”“自分の個性をなくしてはいけない”“ありのままの自分で生きていいんだよ”など、人に無理して合わせることもなく自分らしさを出して生きてほしいというのを伝えたいです。
松下由樹&富田靖子 スペシャル対談パートⅡ
◆デビュー作「アイコ十六歳」ではどのように芝居を稽古されたのですか?
松下:(芝居を)知らないので、思ったまんま。合宿みたいなのはありましたね。
富田:稽古合宿はありましたけど、役が決まって1か月くらいで撮影に入っているので…。
松下:夏休みの時だけ撮影期間だったので全国から来た中学生、高校生で現場は埋め尽くされていました。クラスメイトは全員、オーディションで受かっている子たちで先生だけがプロの役者さん。それ以外は、経験のない初めての人たちばっかりでした。地方の子たちは、靖子もそうだけど、ホテル泊まりになっているし、そういうのところも大変だったと思います。
富田:その時に初めてファミリーレストランのハンバーグを食べました。毎日、外食っていうのが「うわ〜すっごい」って思っていました。
松下:ホテルのラウンジでクリームソーダを飲んだの覚えてる?
富田:あ〜〜!覚えてる覚えてる!!「あっ、これがクリームソーダですか!」ていうの?そんな感じでした。
松下:お互いに中学生でクリームソーダ(笑)。
富田:もちろん自動販売機のクリームソーダは飲んだことはあっても、喫茶店みたいな、ホテルのラウンジのすてきなクリームソーダは、その時初めてだったので。
松下:靖子って「アイコ十六歳」の時、映画に出たくてオーディションを受けたの?
富田:あの…私、薬師丸ひろ子さんになりたかったっていうか…本当に憧れの人がいて、その人になりたかった…。
松下:役者になりたくてオーディションを受けていたんだ〜。そこから東京に来るんだもんね?
富田:私の場合、親は行かせるつもりはなかったらしいです。これが将来への道筋になるなんて思ってもいなかったので、行かせていいのかどうか、やらせていいのかどうかっていうのはすごく考えたみたいです。だけど、本人が行く気満々だったので、止めることができなかったみたい。
松下:靖子は行く気満々だったんだ。
富田:行く気満々!
松下:え〜そういう印象じゃなかった、私。
富田:由樹は?
松下:私はもうやりたかったから、東京に出ていくことは躊躇なかった。なんか靖子の印象は本人が躊躇しながら来ているという印象があったかな。
富田:当時、芝居が好きなだけでは終わらないこともいっぱいあったからね。主役だからしっかりやってねと言われることが最初はうれしかったんですが、だんだん息苦しくなってきて、福岡から一人で出てきた孤独感もあったので、もしかしたらそういうふうに見えていたのかもしれない。そこら辺の葛藤は撮影の後半くらいから、自分の中で気持ちをどう処理していいのか、分からなくなっていたというのはあります。
◆デビュー作から40年ぶりとなる共演ですが、今作でのお互いの印象をお聞かせください。
松下:靖子は変わっていなかった。
富田:由樹も。
2人:(爆笑)
松下:変わってないと思う?やっぱり。
富田:うんうん。もっとフワフワする感じがあるかなと思ったら、普通にせりふを言って、普通に終わっていった。
松下:話し方から普段の雰囲気とかまで「あれ?全然変わっていないな」っていう。
富田:40年もたったのにね〜。
松下:私もそういう感じ。やっぱりそうなんだね〜。
富田:根っこは変わらないのね〜っていう感じ。
◆今後、こんな俳優を目指したい、こんな役をやりたい、というものはありますか?
松下:明るい作品に出たいなと思います。明るい作品はパワーをもらえるし元気になれるから。今回の『おっパン』も元気をもらえる作品だからすごくうれしいです。そういう思いもありながら、やっぱり年齢にふさわしいに大人の作品というものにも、ちゃんと出られるような自分でいたいなと思います。だから時代劇や現代劇など、作品の幅というものはあまり狭めないで、いくらでもできるみたいな、年齢を重ねていることをポジティブに変えていこうと思います(笑)。
富田:由樹と同じところは、やっぱり自分がエネルギーをもらえるような作品はずっと続けていきたいというところ。その先にどんな出会いがあるのか楽しみにしているところはあります。この『おっパン』の先にどんな役が待っているのか考えるとちょっとワクワクします。でもちょっぴり女スパイはやってみたいかな。やっぱりけがも増えてきちゃって体もあちこちガタが来ているので、体力があるうちに刑事ものとか、アクションものとか、ここ数年のうちにやっておかないとできなくなっちゃうというのはありますね。言葉より体を使う役を早めにやらなくちゃ、と思っています。
◆富田さんの女スパイ、ぜひ見てみたいです!
富田:女スパイってなんだよ!(笑)
松下:女スパイってなんだ!(笑)
富田:ちょっと今、スパイファミリーがマイブームで来ているので、ちょっとやってみたいですね(笑)
(続く)
第4話 注目シーン
翔(城桧吏)の学校から届いた1通の知らせ。そこには、これ以上休むと留年してしまうという内容が書かれていた。現実を突きつけられ家族と向き合い、そして自分と向き合う翔。そんな中、翔は五十嵐大地(中島颯太)のアドバイスもあり学校に行くことを決意する。その後、学校を終えて帰宅した翔は、また部屋に閉じこもってしまう。一体、何があったのか。「家族はギリギリ待てても、世間は待ってくれないだろ。それを…どうしたらいいんだ」と落ち着かない様子の沖田誠(原田泰造)に萌(大原梓)が一言。
「世間が待ってくれないから、家族は待ってるふりをするんじゃないの?」
萌らしい何げない優しさと気遣いがあふれた家族の絆を感じるこのせりふが、演じる大原も「いちばん好き」だという。「やっぱり家族だからこそ待つのって難しいじゃないですか。でもそうしてほしいっていう気持ちはあるよな、と思いながら言いました。このせりふを言いながら萌自身もたぶん誰かに言ってほしかったのかなと思いましたね。そのせりふは私もいちばん心にきました」。
第4話「おっさん、少しだけアップデートする――」
人の趣味嗜好や価値観はおっさんのパンツと同じ!? ひとつの気付きを得た誠(原田泰造)。そんな中、不登校中の息子・翔(城桧吏)が久しぶりに学校に行くと言いだす。思わず褒めてやろうとする誠だったが妻の美香(富田靖子)に止められ、そっとしておくことに。そう。誠は、我慢できるようになったのだ。
とは言え、心配な誠は再登校初日に、翔を学校の近くまで車で送ることに…。
いざ、校門の前で立ちすくむ息子に、誠は胸を張ってある言葉を贈る。
その頃、大地(中島颯太)は実家に帰省する恋人の円(東啓介)に、円の父親の還暦祝いを渡していた。自分の親への気遣いにうれしくなる円。だが、実家からの電話では「まだ恋人はいない」と口にしてしまう。
一方、学校に行った翔にも試練が…。キャラの濃すぎるギャル三人衆、謎のメイク女子(並木彩華)、そして翔が所属している野球部の面々。少しだけアップデートした誠を中心に、おっパン・ステージ2の幕が上がる。
番組情報
『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』(全11回)
東海テレビ・フジテレビ系全国ネット
毎週土曜 午後11時40分~深夜0時35分
出演:原田泰造、中島颯太(FANTASTICS)、城桧吏、大原梓、東啓介、渡辺哲/松下由樹、富田靖子
企画:市野直親(東海テレビ)
原作:「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!」練馬ジム (LINEマンガ)
脚本:藤井清美
音楽:鈴木ヤスヨシ
主題歌:「Dancing Dreamer」 4-CaraT(RISING RECORDS)
オープニング:「アプデライフ」 FANTASTICS from EXILE TRIBE(rhythm zone)
演出:二宮崇、室井岳人、加治屋彰人
プロデューサー:松本圭右(東海テレビ)、古林都子(The icon)、渋谷未来(The icon)
制作:東海テレビ The icon