西島秀俊、同役を演じる水上恒司と似ているところは「眉毛がぼさぼさなところ?(笑)」『黄金の刻〜服部金太郎物語〜』

ドラマ
2024年03月25日
『黄金の刻〜服部金太郎物語〜』©テレビ朝日

西島秀俊が主演を務める、テレビ朝日ドラマプレミアム『黄金の刻~服部金太郎物語~』(テレビ朝日系 午後9時~)が3月30日(土)に放送。それに先駆けて記者会見が開催され、西島と水上恒司が登壇した。

作家・楡周平による小説「黄金の刻 小説 服部金太郎」(集英社文庫刊)を、テレビ朝日2夜連続SPドラマ『キッチン革命』、映画「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」ほかで知られる名手・豊島圭介が完全ドラマ化。それが3月30日(土)に放送のテレビ朝日ドラマプレミアム『黄金の刻〜服部金太郎物語〜』だ。

日本初の腕時計、世界初のクオーツウォッチを発売したことで知られる「セイコーグループ」の創業者である服部金太郎の波乱の人生を重厚に描き出す本作。丁稚奉公から時計修理職人を経て、時計の製造工場「精工舎」を設立し、国産初の腕時計を製造販売。常に時代の先を読み、「義理」「人情」「恩義」を大切にしながら一歩ずつ己の夢をかなえていった金太郎だが、一方で火災や震災など、数々の困難が彼の人生を襲う。

主人公・服部金太郎に扮するのは、主演映画「ドライブ・マイ・カー」で全米映画批評家協会賞・主演男優賞受賞、ドラマ『警視庁アウトサイダー』など、話題作、注目作への主演で実力を発揮する西島秀俊。そして、若かりし日の金太郎役に、2018年に俳優デビューを果たして以降、2021年の大河ドラマ『青天を衝け』、第44回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した映画「弥生、三月君を愛した30-」、連続テレビ小説『ブギウギ』で個性を披露するなど、飛ぶ鳥を落とす勢いの大注目株・水上恒司を配役。そしてこの度、金太郎の壮年期と青年期をみごとに演じ分けた西島と水上が、記者会見に登壇した。

2人が登壇すると、この日大勢集まった、一般応募などで募ったファンから大きな拍手が。「壮年期の服部金太郎さんを演じました西島秀俊です」、「服部金太郎さんの青年期を演じました、水上恒司です」とそれぞれがあいさつをすると、「2人には似ている雰囲気がある」という話題に。これに西島は「ありがとうございます、こんな男前に似ているだなんて(笑)。眉毛がぼさぼさなところが似ているのかな?(笑)」と笑いを誘う。これを受けて水上も「その通りだと思います(笑)」と笑顔で返し、会見は和やかなムードでスタートした。

『黄金の刻〜服部金太郎物語〜』©テレビ朝日

この日は事前に試写会が行われ、来場したファンもひと足先に作品を堪能。多くの感嘆の声が寄せられたが、あらためて本作の見どころを聞かれた西島は「金太郎さんが丁稚奉公から始まって、東洋の時計王となるまでの一代記なのですが、本当に豪華な共演者の皆さんが情熱をこめて演じてくださっています。実際に、金太郎さんの周りには、ライバルだった人も味方になって、みんなで幾多の困難を乗り越えて、日本の技術を上げていきました。そういった人と人とのつながりや、それぞれがそれぞれの場所でベストを尽くしている姿を描いた群像劇こそ、一番の見どころです」とアピール。

水上は「“時”というスケールの大きいものに着眼点を置いた、ある1人の男の人生を描いていることが僕としては一番好きですし、青年期の金太郎さんを演じさせていただくうえで、いかに金太郎さんが“時”に魅了されていったのかという過程が大事だと思っていました」と襟を正した。

また、実在の人物を演じる難しさを問われると、西島は「原作本の中では、人物像を膨らませて、とても面白く描いていらっしゃるので、その原作を自分の役作りの参考にさせていただいて、生きている1人の人間としてどのように演じられるか、他の登場人物たちとの関係性をどのように築いていくのかというのを、監督やキャストの方々と丁寧に語りながら役を作っていきました」と回答。

一方の水上は「まだまだ至らない部分もありますので、実在した方に寄せていく作業は難しかったです」と謙遜しつつ、「金太郎さんが“時”に魅了されていく様子が、いかにキラキラしていたのかというところを大事に作っていきました」と。すると西島から「青年期の純粋で真っすぐなエネルギーみたいなものは水上君が演じているからこそ」と太鼓判が。

今回、2人は「劇場版 奥様は、取り扱い注意」以来3年ぶりの共演となったが、金太郎という同一人物の壮年期と青年期を演じ分けたため共演シーンはごくわずか。これには水上も思うところがあったようで、「西島さんのお芝居を現場で見られていないので、いつかがっつり共演して、現場での姿勢などを学ばせていただきたいです」と懇願。「敵対する役とかでも…」と言うが、西島が「いや、味方でいいでしょ(笑)。それじゃ、またあまり会えないよ(笑)」とツッコみ、息の合ったところを見せる場面も。

『黄金の刻〜服部金太郎物語〜』©テレビ朝日

しかし西島は、その後はすぐに真剣な表情に戻り、「水上君は、自分のやりたいことが明確に分かっていて、そのことに向かって純粋に進んでいくタイプだと勝手にイメージしているのですが、自分の道をゆっくり進んで、良い作品を重ねていってほしい」とアドバイス。これを真摯に受け止めた水上は「僕も西島さんの歳になったときに、後輩に対して的確なアドバイスを送れる、そういった姿勢でいたい」と瞳を輝かせ、今後の2人の共演への期待がさらに高まった。

そして、話題は豪華共演者のことに。金太郎を献身的に支え続けた妻・まん役は松嶋菜々子、時計店を営む卓越した腕を持つ時計職人で、後に金太郎の盟友になる男・𠮷川鶴彦役は山本耕史、金太郎とは丁稚奉公時代からの親友で、金太郎を兄と慕うも考え方の違いから後に衝突してしまう岩倉善路役は濱田岳、金太郎の初恋の相手・辻浪子役は吉川愛、浪子の父親で金太郎が丁稚奉公する洋服問屋「辻屋」の店主・辻粂吉役は船越英一郎(特別出演)、フランス商館「ブルウル商会」の番頭で、信頼できる金太郎に輸入時計の販売を託すキーマン・吉邨英恭役は髙嶋政伸、そして、壮年期の浪子を高島礼子が演じるなど、ベテランから若手有望株まで多彩な顔触れ。

一同について、西島は「すごい俳優の方々が集まっていらっしゃるので、皆さん、自分の演技のことよりもこのシーンにとって自分がどうやれば、より素晴らしいものにできるかということに意識が向いていました。エキストラの方たちもその場で考えてくれて、まさにみんなで作っていった感じでした。大変なこともありましたが、とても演じがいのある現場でした」と、濃密で貴重な時間を共にしたことを明かした。

特に、『レッドクロス〜女たちの赤紙〜』以来9年ぶりの共演となった松嶋に関しては「声が素晴らしいんです、ずっと聞いていたいくらい。それに泣きの演技がすごく響く、特別な女優さんです。松嶋さんは自身の持つ度量の広さ、役への理解も含めて、素晴らしかった」と賛辞を贈った。

『黄金の刻〜服部金太郎物語〜』©テレビ朝日

さらに、MISIAがこのドラマのために書きおろした主題歌「ゆびきりげんまん」についても言及。MISIA本人がこの曲に込めた想いを「未来への強い約束の気持ち。未来へ歩き出す人たちの応援歌」と語ったが、水上は「『黄金の刻』にふさわしい曲」と称賛。西島も「何度も挫折し、それがプラスに変わっていく金太郎さんの人生と歌詞が、とてもフィットしています」と分析した。

また、記者からの質疑応答で「2人にとっての“黄金の刻”とは?」と聞かれると、「映画が好きなので、映画館に行って座って待っているときに、徐々に暗くなっていく途中が好きなんです。ドキドキしますし、いいなぁって思えるんです」(西島)、「洗濯が家事の中で一番好きなのですが、洗濯物がいかに早く乾くかと考えながらハンガーに干している時が“黄金の刻”です」と、それぞれユニークな答えが。

また、間もなく新年度となるが、「チームや組織の中でどのような人物と働きたいですか?」との問いには、「今回の共演者の方もそうでしたが、情熱をもって取り組む方々と仕事をしたい」(西島)、「作品ごとにスタッフも演者も変わりますので、同じメンバーが二度と集まることはないんです。ですので、なぜこの人はこの角度からカメラを撮るのだろう? とか、なぜ、このお芝居をされるのだろう? といった、興味が沸く方々と仕事をすることは幸せ」(水上)と語り、会見は終始笑いの絶えない、良いムードのままで幕を閉じた。

現在、当たり前となっている正確な時間の重要性に気づき、時計商を目指す服部金太郎の試練の物語。「観てくださった方が、明日から頑張ろう、未来に向かって邁進していこうと、前向きな気持ちになってくださればこれほど幸せなことはありません」(西島)、「“時”というスケールの大きいものに金太郎さんが魅了されていったことは、とてもすてきなことだと思います。人生をかけて何かを追い求めていくということを、観てくださる方も見つかるきっかけになればうれしいです」(水上)と意気込む本作に注目だ。

『黄金の刻〜服部金太郎物語〜』©テレビ朝日

番組情報

テレビ朝日ドラマプレミアム『黄金の刻~服部金太郎物語~』
テレビ朝日系
2024年3月30日(土)午後9時~

番組公式HP:https://www.tv-asahi.co.jp/ohgon_no_toki/

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