今夜スタート『イグナイト』畑中翔太Pが語る制作の背景とキャスティングの狙い 映像表現へのこだわりも

ドラマ
2025年04月18日
『イグナイト -法の無法者-』
『イグナイト -法の無法者-』

金曜ドラマ『イグナイト -法の無法者-』(TBS系 4月18日(金)スタート 毎週金曜 午後10時~10時54分)で企画・プロデュース・脚本を手掛ける畑中翔太プロデューサーのインタビューが到着した。

本作は、日本の訴訟社会化と飽和する弁護士界の実態をテーマに描く、ダークリーガル・エンターテインメント。2000年以降の司法制度改革により、弁護士の数はこの20年で倍以上に急増し、飽和状態となっている。それによって、依頼人からの弁護士費用が主な収入源となる弁護士たちは、弁護士バッジをつけているだけでは食えない世の中になってしまった。そんな時代だからこそ、もしも弁護士が自ら“人々の間に訴訟を起こさせる”存在となってしまったら…。

「Ignite」=“火をつける”。主人公・宇崎凌(間宮)が足を踏み入れたのは、その名の通り、“争いの火種”があるところへと潜り込み、人々に訴訟をたきつけ、あらゆる手段を使って原告を勝訴へと導く、界隈では“無法者”として知られている怪しげな法律事務所。まるで弁護士バッジをつけた“法の当たり屋”ともいえる彼らの目的は金か、正義か…。

畑中翔太プロデューサー インタビュー

◆はじめに、本作制作のきっかけや企画意図について教えてください。

1つはこれは個人的なことになりますが、学生時代に実際に司法試験にチャレンジしていた過去があり、結局その道は諦めることになりましたが、いつかエンタメ作品として「リーガルドラマ」を作りたいという想いを持っていました。
そんな時に、たまたま知人の弁護士さんから、 「弁護士の数が以前より倍増して、弁護士になれたからって簡単に食べていけるわけではない」「もめ事が起こらないと弁護士は仕事にならない」という話を聞いた時に、「もしも案件を獲るために、人々に訴訟をたきつける弁護士がいたら…?」という、この作品の軸となる企画を思いつきました。

◆企画を練り始めて2年、金曜ドラマでの地上波放送が決まった時の気持ちをお聞かせください。

TBSの金曜ドラマは、学生時代から一視聴者として普通に観ていたドラマ枠なので、企画が決まった時は「あまり実感が湧かなかった」というのが正直なところです。ただ徐々に制作が進んでいくうちに、「自分が過去に観ていたあのドラマと肩を並べる作品を作らないといけないんだ…!」というプレッシャーみたいなものが湧いてきました。ただ今はそれを、チーム全体でいい作品を作るんだ!といういいプレッシャーに変換できていると思います。

◆主演・間宮さんの起用理由や、撮影現場でのエピソードがあれば教えてください。

主人公の宇崎凌は弁護士として、社会や周囲の力に押さえつけられ、苦しみや訴えの想いを閉じ込めた人々の心に“火をつけていく”人間です。その主人公像を想像した時に、一見クールに見えるのに、その奥に泥くさい熱い闘志を感じさせる間宮祥太朗さんのイメージがぴったりと重なり、今回主演のオファーをさせていただきました。
このイグナイトの撮影現場では、1つのシーンを頭から終わりまでカメラのアングルを変えながら、何度も繰り返し撮影する手法を取っています。これは俳優の皆さんにとっては気力と集中力がいる現場なのですが、間宮さんはたとえ自身が映っていないカメラアングルになっても、そのエネルギーを全く絶やすことなく、常に全力で宇崎を演じてくれます。その間宮さんのエネルギーをさらに周りのキャスト陣やスタッフが受け取って、観ている人の心を動かすような熱量の高いシーンが次々に生まれています。そういう意味でも1シーン1シーン見逃さないで観ていただければと思っています。

◆個性豊かなピース法律事務所のメンバーについても、起用理由を教えてください。

ピース法律事務所の代表・轟謙二郎は、裁判の賠償金目当てに訴訟をたきつけるチームのリーダーです。仲村さんとは過去に、チーフ監督である原廣利さんと共に制作したドラマ作品でご一緒した経験があり、「またいつか一緒に作品を作りたい」という想いがありました。その中で、うさんくささにあふれる謎多き事務所代表・轟というキャラクターが、これまでの仲村さんのイメージにない新境地になるのでは?という、制作陣としてワクワクする気持ちも含めてオファーさせていただきました。
ピース法律事務所、唯一の女性弁護士・伊野尾麻里を演じてもらうのは上白石萌歌さん。轟や宇崎をはじめ、暑苦しいメンバーばかりの事務所のムードメーカーであり、“歩く六法全書”との異名も持つ伊野尾のキャラクターと、人間からにじみ出る天性の愛嬌のようなものと、弁護士としての説得力となる知性を同時に持ち合わせる萌歌さんのイメージがぴったりと重なり、この伊野尾役をオファーさせていただきました。
チーム最年少の秀才・高井戸斗真を演じてもらうのは三山凌輝さん。事務所最年少のクールキャラでありつつ、その内側に抱えたものを誰にも見せないミステリアスな側面を持つ高井戸。この高井戸というキャラクターなら、俳優とアーティストで全く違う顔を持つ、三山さんの両局面の魅力を活かしてもらえるのでは?と思い、オファーさせていただきました。また三山さんならではの要素を高井戸のキャラクターに加えた部分もあるので、ぜひそこも楽しみにしていただければと思います。

◆ご自身も司法試験合格を目指したことがあるとのことですが、制作において反映できたことはありますか?

「裁判」というのは決して簡単なものではなく、訴える原告側にも、訴えられる被告側にも、そこにたどり着くまでの人生ドラマがあります。過去にそういった裁判のリアルに身近に触れていたからこそ、従来のリーガルドラマにはなかった、依頼人が「訴訟を起こそう」と、心に決めるまでのヒューマンストーリーを丁寧に脚本にできているのではないかと思っています。

◆本作で初めて行っている試みがありましたら教えてください。

従来のリーガルドラマは法廷内での攻防が見どころですが、本作はアクションシーンやカースタントシーンなど、“法廷外”にも大きな見どころがあるリーガルドラマです。そのため撮影にはBABEL LABELの強みでもある映像のダイナミズムをふんだんに生かした、さまざまな撮影アプローチを取り入れています。ぜひ第1話から、その視点でもドラマをご期待いただければと思います。

◆『イグナイト』というタイトルにちなんで、本作を見た視聴者の感情がどう燃え上がることを期待していますか?

「こんなリーガルドラマ観たことない!」とシンプルにテレビドラマに興奮してほしいなと思っています。全話を通じて、テレビドラマなのにテレビドラマらしからぬ、リーガルドラマなのにリーガルドラマらしからぬ、を制作テーマにしています。人々に訴訟をたきつける無法者弁護士たち、法廷外でのアクションやスタント、そして1人の人間が訴訟を起こすまでの葛藤を描くヒューマンストーリー…この『イグナイト』という作品には、これまでにはないさまざまな“驚き”が詰まっていると思います。TBSとコンテンツスタジオ・BABEL LABELのタッグだからこそ生まれた、新たなTBS金曜ドラマをぜひ最後まで見逃さないでほしいです。

『イグナイト -法の無法者-』あらすじ

父を事故で亡くしたことをきっかけにサラリーマンを辞め、ほぼ最下位ながらもなんとか司法試験を突破した宇崎凌(間宮祥太朗)。持ち前の根性で弁護士資格を取得したはいいが、法律事務所への就職がなかなか決まらずにいた。そんな時、母・純子(藤田朋子)に自身が経営する弁当屋の客でピース法律事務所の代表・轟謙二郎(仲村トオル)を紹介され、晴れて弁護士として働けることになった。だがそこは、飽和状態の弁護士業界で生き残るために“争いは、起こせばいい”と考える、癖のある事務所だった。
そんな宇崎の最初の案件は、3年前に山上工業で起こった作業員のサイロ転落事故。轟が事故死した作業員の妻・斎藤美咲(土屋太鳳)をターゲットとして、宇崎とピース法律事務所の弁護士・伊野尾麻里(上白石萌歌)、高井戸斗真(三山凌輝)を連れて接触。しかし、宇崎の不用意な発言で敵視されてしまう結果に…。
さらに、事故に怪しい点が出てきたと知った宇崎は独断で山上工業の社長に事故当時の話を聞こうと会社に乗り込むが、そこに山上工業の顧問弁護士・桐石拓磨(及川光博)が現れる。

番組情報

金曜ドラマ『イグナイト -法の無法者-』
TBS系
2025年4月18日(金)スタート
毎週金曜 午後10時~10時54分

<出演者>
宇崎凌…間宮祥太朗
伊野尾麻里…上白石萌歌
高井戸斗真…三山凌輝
浅見涼子…りょう
桐石拓磨…及川光博
轟謙二郎…仲村トオル

<スタッフ>
製作、BABEL LABEL TBS
企画・プロデュース・脚本:畑中翔太(『量産型リコ』『お耳に合いましたら。』『絶メシロード』など)
脚本:山田能龍(「全裸監督」「新聞記者(Netflixオリジナルドラマシリーズ) 」「朽ちないサクラ」など)、山口健人
法律監修:福島健史
音楽:森優太
プロデューサー:山田久人、瀬崎秀人、駒奈穂子
編成:松本友香、杉田彩佳
監督:原廣利(「帰ってきた あぶない刑事」「朽ちないサクラ」など)、山口健人(「イクサガミ」『アバランチ』など)、吉田亮

©TBS

下記の「CTAボタン」を設定することで、ユーザーがスマートフォンで記事詳細ページを開いた際に「続きを読む」の下に「CTAボタン」を2つ追加できます。上段「CTAボタン」に設定したものは上に表示、下段「CTAボタン」に設定したものは下に表示されます。
2025春ドラマ最新情報まとめグラビア関連記事一覧