ロマンポルノならではの秘話に会場ほっこり 中田秀夫監督『ホワイトリリー』初日舞台挨拶

映画
2017年02月13日

『ホワイトリリー』初日舞台挨拶 中田秀夫監督が初めてロマンポルノに挑んだ『ホワイトリリー』の初日舞台挨拶が行われ、主演の飛鳥凛、山口香緖里、町井祥真、中田監督が登壇した。

 今回のロマンポルノリブートプロジェクトを担当した監督陣の中で、唯一日活で助監督としてロマンポルノの現場を体験している中田監督。28年越しの願いがかなった中田監督は「昔は武蔵野館のそばに“新宿にっかつ”という劇場があって、昔そこでスーツを着て研修をした記憶があります。僕の世代はロマンポルノに間に合わなかった世代。小沼勝監督や、亡くなった神代辰巳監督、田中登監督など僕たちが憧れた先人たち、そして僕と同じく間に合わなかった同世代の思いを背負ってここに立っていると思うと感慨もひとしおです」と熱い思いを語った。

 主演を務めた飛鳥は「一年半と少し、この日を待っておりました。私自身この作品に出演することができて本当に良かったと思っています。初日に来ていただいてうれしいです」と。また「出演が決まった時は『中田監督の作品に出演できる!』ととてもうれしかったです。リハーサルではしっかりお芝居ができるか不安になり、泣いたこともあったのですが、現場では他キャストの方が支えてくれたので安心して臨むことができました」と当時の心境を語った。

 山口は「18歳で仕事を始めて、当時のロマンポルノを知っている大先輩のスタッフさんや俳優さんから、“女優は脱ぐもの”とよくお話しされていました。ロマンポルノの偉大さや、出演された女優さんのお話しを聞いて『私もいつかは脱ぐんだ』と覚悟はしていました。まさかこの歳でオファーをいただけるとは思っていなかったのですが、チャレンジする機会を与えてもらえて大変光栄です」と。

 また、「撮影期間が短くて大変でした。朝から晩まで連日撮影が続いたので、体力的にはとてもきつかったです。スタッフも皆さん疲れているはずなので殺伐とした現場になるのかなと思っていたのですが、中田監督の作る現場の雰囲気がすごく温かくて素晴らしかったです」と撮影を振り返った。

 本作で唯一の男性キャラクターとして登場する町井は「僕の初めての濡れ場のシーンは、神社での山口さんとのシーンでした。僕は今思い出すと恥ずかしいぐらい逃げ腰で、そんな僕に中田監督が『そこにはオスとメスしかいないんだ!ガルルルルルルルル!』と気合をいれてくれたのがすごく印象に残っています」とエピソードを披露。中田監督は「ロマンポルノの撮影を許可してくれる神社が見つかったと制作スタッフから報告を受けて、念のため神社の方に説明をしに行ったんです。ロマンポルノの撮影ですが問題ないですか?と。そしたらその神社の方が『神様はそんな小さくありません』とおっしゃってくれて感動しました」と秘話を披露し、会場に笑いが起こった。

 最後に、飛鳥は「皆さんに支えられてこの場に立つことができました。これからこの作品はもっとたくさんの人に支えられて皆さんの元に届けられます。これからも『ホワイトリリー』をよろしくお願いします」とメッセージを。中田監督は「かれこれ32年前に入社をして、今日ここに立つことができてうれしいです。先ほどアンケートをしたら、新作5本コンプリートした方がたくさんいらっしゃいました。日活OBとしては5本で1本のチームだと思っています。3月からは楽天地シネマズ錦糸町での公開も決定しておりますので、見逃した作品がある方はぜひご覧ください。また日活にはロマンポルノリブートプロジェクト第二弾、第三弾と続けてほしいなと思っています」と語り、舞台挨拶を締めくくった。

『ホワイトリリー』
新宿武蔵野館ほか全国順次公開中

監督:中田秀夫
脚本:加藤淳也 三宅隆太
出演:飛鳥凛 山口香緖里
町井祥真 西川カナコ 三上市朗 鎌倉太郎

公式サイト:www.nikkatsu-romanporno.com/reboot/

©2016 日活

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