玉木宏×鈴木京香×演出リチャード・トワイマンの舞台「危険な関係」が、渋谷・Bunkamuraシアターコクーンで10月に上演されることが決定した。
本作は、海外演出家シリーズ“DISCOVER WORLD THEATRE”の第2弾。演出を担うのは、日本初登場となるロイヤル・シェイクスピア・カンパニー出身のリチャード・トワイマン。現在はイングリッシュ・ツアリング・シアターの芸術監督を務め、ロンドンのみならず国内外で注目を集める新進気鋭の演出家だ。
原作はフランスの作家ピエール・ショデルロ・ド・ラクロによる書簡体で展開される恋愛心理小説。世界各国で設定を変えて何度も映画化されたことでも知られている。この傑作をイギリスの劇作家クリストファー・ハンプトンが戯曲化、1985年にロイヤル・シェイクスピア・カンパニーによって初演。ウエストエンドからブロードウェイと上演し、大成功を収めた。日本では、1988年にデヴィッド・ルヴォーの演出で初演された。
稀代のプレイボーイ“ヴァルモン子爵”には、待望の4年ぶり2度目の舞台出演となる玉木宏。社交界の華で妖艶な貴婦人“メルトゥイユ公爵夫人”に鈴木京香。そして、ヴァルモン子爵とメルトゥイユ公爵夫人の仕掛ける恋愛ゲームに翻弄される貞淑で信仰の篤い“トゥルヴェル法院長夫人”に野々すみ花が挑む。
<コメント>
■玉木宏
◇4年ぶり2度目の舞台出演となりますが、今の心境は?また、今回の舞台で楽しみにしていることはありますか?
初舞台の際、舞台ってこんなにも楽しいんだと体感させてもらい、千秋楽の幕が降りた時から、もっともっと舞台経験を積みたいと思っていましたが、あっという間に4年が経ってしまいました。
また、あの時間を体感でき、観劇してくださる皆様にお届け出来る日が来ると思うとワクワク高揚します。
◇相手役の鈴木京香さんとは初共演となりますが、どのような印象をお持ちですか?
初めてご一緒させて頂きますが、かねてより共演したいと思う方でした。
上品な佇まいがメルトゥイユ伯爵夫人にぴったりだと感じております。
今回の役の様な、品位に中に潜む狂気をどのようにアプローチされるのか楽しみにしています。
◇稀代のプレイボーイという役柄への挑戦となりますが、意気込みをお願いします。また外国人役は初めてになるかと思いますが、戸惑いなどはありますか?
直接的な喜劇ではなく、人間が絡み合い、喜劇と悲劇が混在するストーリーだと感じており、このストーリーを届けるには、この時代背景が必要な作品だと思っているので、外国人役に戸惑いはありません。今回演じるヴァルモン子爵は登場人物の心と肉体を動かす役どころになるので、自信や野心に満ち溢れてはいるけれど、ピュアな一面も持ち合わせたヴァルモンという男の人生の機微を大切に臨みたいと思います。
■鈴木京香
◇出演が決まった率直なお気持ちをお聞かせください。今回の舞台で楽しみにしていることはありますか?
セリフの美しさにひかれています。
そして見かわす視線の多彩さ複雑さに驚いています。
舞台の上で、どれだけ細やかな表現ができるかが、私にとっての大きな挑戦です。
◇相手役の玉木宏さんとは初共演となりますが、どのような印象をお持ちでしょうか?
多くの女性を魅了するフランスの光源氏のような役ですが、玉木さんは色気を感じさせる演技の光る方です。
きっと素晴らしいヴァルモンになられるでしょう。
◇今回は見方によっては悪女とも言えるような役柄ですが、意気込みをお願いします。また外国人役に対し、戸惑いなどはありますか?
以前、ジャンコクトーの「声」で演じて以来の外国人の役です。
外国のコスチュームを違和感なく纏うだけでなく、社交界に君臨する女性としての知性と貫禄も必要な役です。トワイマンさんには文化の違い以外にもたくさんの質問をして役を作りたいと思います。
■リチャード・トワイマン(演出)
◇玉木宏さん、鈴木京香さんそれぞれの印象をお聞かせください。
カリスマ性を持った玉木さんは、お客さんの心をつかんだ魅力的なヴァルモンをつくりあげてくれることでしょう。京香さんは、自身の持つ強さと人間性によってこれまでになかったメルトゥイユになると思います。
『危険な関係』は人間ドラマを描いた近年の傑作戯曲です。彼ら2人ならそのスケールを舞台上で表現できると、今から楽しみにしております。
シアターコクーン・オンレパートリー2017 DISCOVER WORLD THEATRE vol.2
『危険な関係』
作:クリストファー・ハンプトン
翻訳:広田敦郎
演出:リチャード・トワイマン
出演:玉木宏、鈴木京香、野々すみ花 ほか
■東京公演
2017年10月 Bunkamura シアターコクーン
■大阪公演
11月上旬 森ノ宮ピロティホール
東京公演主催:Bunkamura フジテレビ
企画・製作:Bunkamura
<あらすじ>
18世紀末のパリ、舞台は華麗なる社交界。
社交界に君臨する未亡人のメルトゥイユ公爵夫人(鈴木京香)は、自分を裏切った愛人が15歳の清純な少女セシルと婚約したことを聞く。愛人への復讐のために、メルトゥイユは以前から関係のあるヴァルモン子爵(玉木宏)にセシルを誘惑して堕落させるように依頼する。だがヴァルモンは貞節と評判の高いトゥルヴェル法院長夫人(野々すみ花)を誘惑し堕とすことに興味を持っており、メルトゥイユの依頼をいったんは断る。しかしセシルの母ヴォランジュ夫人がトゥルヴェル法院長夫人に、ヴァルモンの事を非難し近づいてはならないと忠告したと聞き、ヴォランジュ夫人への復讐のために、ヴァルモンはメルトゥイユの依頼を受ける。
メルトゥイユ公爵夫人とヴァルモン子爵、二人が仕掛ける退廃に満ちた恋愛ゲームが始まる──。