ポーランド映画の巨匠アンジェイ・ワイダ監督の最新作であり遺作となった映画「残像」が6月10日(土)に岩波ホールほか全国順次公開。公開に先がけ、予告編が公開された。
本作は、2016年10月9日に急逝したアンジェイ・ワイダ監督の最新作。ポーランド史に残る芸術家の1人であり、社会主義政権の弾圧により人々の記憶から消し去られてしまった画家ヴワディワフ・ストゥシェミンスキを描いている。1939年代からポーランド構成主義の前衛画家として国内外で高く評価されたほか、非常に優れた教師として学生たちに慕われ、ウッチに世界で2番目となる近代美術館を設立するなど、美術教育に貢献している。さらに本作は、ワイダ監督の死の一か月前、トロント映画祭で世界初上映され、2017年アカデミー外国語映画賞ポーランド代表作品に選ばれている。
この度、解禁された予告編はストゥシェミンスキが巻き込まれていった、社会主義政権の残酷な時代背景を映し出しており、冒頭にウッチ造形大の教え子たちに“残像”の概念を説くストゥシェミンスキの姿は活力とカリスマ性に溢れている。しかし、スターリン主義はアトリエの窓を覆い尽くす垂れ幕のように画家の人生に不気味な影を落としていく…。
メガホンをとったワイダ監督は、ワルシャワ蜂起など史実に材を取った作品を撮り続け、レジスタンスの体験を基にした『世代』(1954)、対ソ連の地下抵抗運動を描いた『地下水道』(1956)、第2次大戦前後のポーランド社会の流転を描いた『灰とダイヤモンド』(1958)など、「抵抗3部作」で国際的な評価を獲得。カンヌ国際映画祭で1981年、最高賞パルムドールを受賞し、2000年には米アカデミー賞名誉賞を受賞したポーランド映画の巨匠と呼ばれている。
公式サイト:http://zanzou-movie.com/
<ストーリー>
アヴァンギャルドなスタイルで有名なポーランド人画家、ヴワディスワフ・ストゥシェミンスキの生涯を描いた物語。1945年、スターリンがポーランドへと侵略の手を伸ばす中、著名な画家、ヴワディスワフ・ストゥシェミンスキは社会的リアリズムの方針と自身のアートが歩み寄ることを拒否する。そのことから迫害され、大学の教授の椅子から追放され、美術館の壁からも作品は排除された。数名の学生たちの協力を得て彼は党に対して闘いを挑む。
映画「残像」は2017年6月10日(土)、岩波ホールほか全国順次ロードショー
出演:ボグスワフ・リンダ/ゾフィア・ヴィフラチュ
監督:アンジェイ・ワイダ
脚本:アンジェイ・ワイダ/アンジェイ・ムラルチク 撮影:パヴェウ・エデルマン
提供:ニューセレクト 配給:アルバトロス・フィルム
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