映画『無限の住人』が「カンヌ国際映画祭」特別招待作品に選出され、木村拓哉、杉咲花、三池崇史監督が公式記者会見に登場した。
世界三大映画祭の常連である三池監督は、『極道大戦争』(2015)以来2年ぶり6作品目のカンヌ映画祭。木村にとっては『2046』(2004年/ウォン・カーウァイ監督)以来13年ぶりで、邦画・主演作品の公式選出は今回が初。杉咲にとっては初の世界三大映画祭の参加作品となる。
<会見レポート>
◇映画を拝見して素晴らしい作品でした。カンヌでこの作品を見られてうれしいです。コーエン兄弟の作品を思い出したりもしていました。サムライ映画と西部劇は似ているところがありましたか? また、撮影監督とのお仕事の方針を教えてください。
三池「やっぱりウエスタンも時代劇も法律的に、人間らしく暮らしていくことを考えると社会が未熟だった時代。現代劇で10年かかるところを時代劇では2日かかる。時代劇は大好きです」
◇(ジェレミー・トーマスプロデューサーへ司会者から)あなたは、大島渚監督、三池崇史監督と何度も組んでいますね。2人の世界観は全然違いますが、三池監督とはどのような仕事でしたか?
ジェレミー「僕は残念ながら日本語ができないから、自分の作品への思うことや情熱をお伝えして、お役に立てることがあれば立ちたいと思っています」
◇カンヌに来るのは映画『2046』以来2回目ですが、今回違うところはありますか?
木村「またこの地に戻ってこれてうれしい。今回は違うところは大きく違います」
◇サムライ映画といえば黒澤監督を思い出します。ジェレミー・トーマスともっと映画を作ってほしいと思います。
三池「黒澤監督は、黒澤明という人間を作れた。今の自分たちの表現したいことを、我々も1つひとつ積み上げていかないといけない。今後も時代劇を世に送り出したいです」
◇どうしてこの役を受けたのですか? ハードなアクションもありますね。三池監督のファンだったからですか?
木村「三池監督に一緒に仕事ができるのは、とても名誉なこと。一緒にやろうということ自体が、三池組のチームの一員ということが光栄でした」
◇この映画を撮ることの一番の挑戦は何でしたか?
三池「一番の挑戦はやっぱり木村拓哉と対決すること。主人公は不死身の男。いま日本で演じられる人間は木村拓哉しかいない。彼に万次を演じてもらわなければ始まらなかった」
杉咲「凜を演じさせていただくうえで、ショックな出来事があって、両親のかたき討ちをする。凜ってすごい精神の持ち主だと思っているので、最初不安だったんですけど、凜の気持ちを自分で理解することが挑戦でした」
木村「挑戦という形では、原作者の佐村広明先生が作り出した世界観をリスペクトを込めて表現すること。スタートラインに立つことがもう挑戦でした」
◇作中にたくさんの武器が出てきましたが、万次を演じるにあたってトレーニングはしましたか? 一番好きな武器はどれですか?
木村「トレーニングは、今思い返すと一度もしてないです。一番好きな武器は、いろんな造形物があったんですけど、凛を守り抜くメンタルです」
◇シンガポールから来ました。とても好きで、7回映画を観ました。ケガをされたと聞きました。ケガをしてもやろうと思った推進力はなんでしょうか?
木村「推進力になったのは、三池監督が現場で常に前に進む推進力を失わなかったです」
◇今後どうなっていきたいですか?
木村「三池監督は映画監督なのはもちろん、三池組の家族が目の前でこれくらいのテンションで、ご自身でやてくれるのが楽しくて。アクション部のスタッフよりアクションがうまいんじゃないかと。出演者にしても、いろいろ各セクションのスタッフにしても気持ちを理解してくれる。映画を作るということは、こんなにも楽しいと感じさせてくれました。これから出会う役は1つひとつ運命だと思って演じていきたい」
杉咲「今後どうなっていきたいかというのは、正直明確に自分の中では浮かんでこないんですけど、もともとドラマや映画を見ることが好きで、今自分が経験したことや知らなかったことを演じて学んでいけるのは楽しみです」
三池「子どもたちに夢を与えることです」
映画「無限の住人」
公開中
木村拓哉
杉咲花 福士蒼汰
市原隼人 戸田恵梨香 北村一輝
栗山千明 満島真之介 金子賢 山本陽子
市川海老蔵 田中泯 / 山﨑努
原作: 沙村広明「無限の住人」(講談社『アフタヌーン』所載)
監督:三池崇史
脚本:大石哲也
音楽:遠藤浩二
主題歌:MIYAVI「Live to Die Another Day-存在証明-」(UNIVERSAL MUSIC)
製作:映画「無限の住人」製作委員会
制作プロダクション:OLM
制作協力:楽映舎 東映京都撮影所
配給:ワーナー・ブラザース映画
映画「無限の住人」オフィシャルサイト:http://www.mugen-movie.jp
©沙村広明/講談社©2017映画「無限の住人」製作委員会