5月27日(土)に公開を迎えた「ママは日本へ嫁に行っちゃダメと言うけれど。」の初日舞台あいさつが行われ、ジェン・マンシュー、中野裕太、谷内田彰久監督、そして物語のモデルとなったモギ夫妻が子供とともに登壇した。
舞台あいさつ冒頭で、本作で一番好きなところを語ったキャスト陣。シャイな日本人男性“モギサン”を演じた中野は「めちゃくちゃピュアなところ!恋愛映画だけどキスシーンすらない。手と手が触れ合うというような表現だけで、恋に落ちていく様子や恋愛が成就して結婚に至るまでを、プラトニックに描いているところが好きです」とコメント。続けて、本作のキャンペーンとしては初めて日本のメディアの前に登場した、ヒロインの“リンちゃん”を演じた台湾の人気女優ジェン・マンシューは、まず日本語で「私はマンシューです。よろしくお願いします」とあいさつを。映画の好きなところについては「リアルなトゥルーラブストーリーが基になっているところであり、また台湾の観光地なども出てきて、観客の皆さんも行ってみたいなと思うのではないでしょうか?」と観客に問いかけた。
撮影の裏話として、マンシューは「リンちゃんとモギサンが2人で東京から長崎まで旅をするシーンを撮るため、ロケをしていました。短いスケジュールの中で、移動しながら少しずつ撮影を進めていくという経験は初めてだった」と振り返った。さらに「途中、富士山を2人で眺めるシーンを撮るはずが、雲が覆ってしまい見えない状況になった。そのときあるダジャレを思いつきました!」と茶目っ気たっぷりに話だし、その言葉に観客の期待が高まる。すると「富士山とモギサン。共通している“さん”のフレーズをかけて、富士山は残念ながら見られなかったけれど、私の目の前には大きなモギサンがいるよ!という意味で、モギサンに対して“富士山”と指をさしたが、そのダジャレに対して現場で誰も共感してくれずさみしい気持ちになりました」と残念そうに語り、マンシューの愛くるしさに、会場はどっと笑いに包まれた。
実際にマンシューに突然指をさされたとき、「正直、何を言われているか分からなかった(笑)俺が富士山!という意味かなと判断し、とっさに頭上に腕で三角を作り、山のポーズを決めた!」とコメントし、実際のモギ夫妻のようにアドリブを交えたマンシューとの仲睦まじく息の合った掛け合いについて語った。
物語のモデルとなったモギ夫妻はそろって、本作について「台湾の風景、優しさと情熱的な部分を兼ね備えた台湾人らしさを見て、改めて台湾に行きたくなる気持ちにさせてくれるところが好きです」と語り、モギ奥さんは「足つぼマッサージや自宅で麻雀をしていたり、劇中に出てくる母親や居酒屋の女性たちが、いかにも台湾の南の地方の情熱的なおばちゃん!という感じで好きです」と実感を込めて語った。
MCによる質疑応答では、中野とマンシューにそれぞれ『理想の女性像・男性像』の質問が。
中野は悩みながらも「性格が優しく、明るい人。一緒にいて気を遣わず、自然体な人」とコメント。マンシューは理想の男性像というより、地震の恋愛観について話が及び、「もしも理想の人と出会ったら、劇中のリンちゃんのように積極的になりたい!」と台湾人らしい情熱的な一面をのぞかせた。
モデルとなったモギ夫妻の奥さんのリンちゃんが自身でデザインを手がけ、台湾・中国で立ち上げているファッションブランドについても質問が及んだ。MCから「どのようなファッションなのでしょうか?」というという問いかけに対し、即答で「こういうファッションです!」と自身が着用しているワンピース(黒いストローハット、レトロな柄の暖色のワンピース)を示したモギ奥さんにMCが焦ってたじろぎ、観客からも笑いが起きるというほっこりとしたひと幕も。ブランド名『ドレジアム』の由来について「ドレスとミュージアムが合体しているという意味であり、伝統的で流行に流されないで、洋服が自分のコレクションとして長い間着られるようなデザインを心がけている」とデザイナーとしての一面をのぞかせた。中野も「中国と台湾で大人気です!」とアピールコメントを加えた瞬間、モギ奥さんの大きな白く丸いイヤリングが外れ、舞台下に落下。とっさに中野が舞台から飛び降りて拾うというハプニングも。
最後は本作が劇場用映画監督デビューとなった谷内田監督が「気軽に見てもらえる映画だと思う。大切な人と見てほしいです」と公開初日を無事に迎えられた喜びを熱く語った。そして最後はサプライズゲストとして主題歌「ハンブンコ」を歌うericka hitomiが登場。マンシューへ花束を贈り、観客からの温かな拍手に包まれてイベントは幕を閉じた。
映画「ママは日本へ嫁に行っちゃダメと言うけれど。」は、新宿シネマカリテ、ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場ほかにて順次公開。
<作品情報>
「ママは日本へ嫁に行っちゃダメだと言うけれど。」
台湾に住む元気いっぱいの女の子・リン。日本のドラマやアニメが大好きで、通っている大学でも日本語を専攻するほどの“日本オタク”。日本を襲った震災の話で世界が揺れているとき、リンのFacebookに一通のメッセージが届く。差出人は日本人青年で、彼の名前は「モギ」。
モギは震災で復興支援に協力的な台湾の国民性や親日感情を知って興味を抱き、まだ見ぬリンにメッセージを送ったのだった。友達申請を承諾したリンと茂木とのFacebookのやり取りを始まる。内容は他愛もないことや、日本のこと、お互いの悩みや日々の出来事など。そして迎えたゴールデンウィークに、二人は台湾で初めて顔を合わせる。その時間はあっという間だったが、二人の距離はより一層縮まり、その日を境にFacebook上でのチャットがリンとモギとのオンラインデートとなった。内容は相変わらずだが二人は幸せで、お互いの気持ちはいつしか海を越えていた。
■スタッフ
原作:モギサン&モギ奥サン
監督;谷内田彰久
脚本:野村伸一
■キャスト
ジェン・マンシュー、中野裕太、ワン・サイファー、蛭子能収、リン・メイシュー、大谷主水、岡本孝、与座重理久