劇場版アニメ「BLAME!」花澤香菜×監督陣による「シボ祭り」開催

エンタメ総合
2017年05月31日

122007_01_R アヌシー国際アニメーション映画祭2017特別上映作品の劇場アニメ「BLAME!」が全国公開中。全国27館という小規模なスタートながら、ミニシアターの興行成績でNo.1という好調な滑り出しを見せている。そんな中、5月27日(土)にシボ役の花澤香菜、瀬下寛之監督、吉平“Tady”直弘副監督、岩浪美和音響監督を迎えた「シボ祭り」が開催された。

 公開2週目ながら、超満員で迎えた舞台挨拶。シボ役の花澤が「皆さん、『シボ祭り』へようこそ!皆さん、シボは好きですか?」と問いかけると、観客からは大きな拍手と歓声が起きた。白いドレスを着て登場した花澤を、岩浪音響監督らが「一輪の白百合のよう」と絶賛するも、「さっきまでクリオネとかウミウシとか言ってたくせに(笑)」と花澤が暴露。会場は大爆笑となった。

シボ役について、花澤は「(シボは)本当にいろんな形に変わっていくので、どんな距離感でどうしゃべるか想像しづらかったです。でも原作があったおかげでイメージができて助かりました。原作にショートカットの研究者時代の彼女が出ていて、あのマンガの中のあの人の声でおしゃべりするように意識しました。『うー、うー』っていう唸り声はどうしようか?といろいろ試しました(笑)“手”になったことないですしね(笑)」と、シボを演じる難しさを明かした。ここで岩浪音響監督からリクエストがあり、花澤はゾンビのシボの声を「キリイ…(笑)」と実演。会場は再び笑いに包まれた。

画がない状態のプレスコで収録したことについて、花澤は「ここまで自由にしていいんだなあ、という感じでした」と振り返った。瀬下監督は「基本、プレスコ用の台本があって、そこにト書きが山のようにあるんです。それと僕らの説明だけでやっていただくけど、画がないので、役者さんの想像力に頼っている部分が多いです」と収録について説明を。すると花澤は「でも、監督からはすごくたくさん説明していただけました」と言い、「(画がない分)自由にできました。言い回しや間の取り方も自由で楽しかったです」と語った。

好きなシボのシーンについて、瀬下監督は「接続してアクセスするシーン」と回答。その理由を「上にわざわざ乗るところがいい(笑)」と語り、「設定では歩く感じじゃなかったけど、吉平副監督が『監督、歩かせていいですか?』って言ってきた」と裏話も明かした。それに対し、吉平副監督は「いちいち降りるってかっこ悪いので、モデルウォークして上らせるようにしました(笑)」と説明。瀬下監督も「モデルウォークするのが見たくて『いいよ』って言いました(笑)」と続けた。
ここで岩浪音響監督が、「(ゾンビのシボの)この顔を見ても誰も花澤香菜を想像しないでしょうね…」とポツリ。すると花澤は「(霧亥による)最初の扱いはひどい!」と言い、続けて「最初に画がついてたら、突っ込みたくなってました。プレスコでよかったかも(笑)」と語った。

吉平副監督は、アニメーターやスタッフの間でも人気のシボのライティングについての説明を。「青い海のようなシーンがありますが、非現実感を脱したくて、より実在感があるようなないような、半幽霊のようなことをやりたくて、色彩、トレス線、髪のなびき方など非現実的なライトになっています。上からライトが当たっているようで、実は下からとか」という解説に、岩浪音響監督は「絶対に実写じゃできない、ありえないライティングですね」とコメント。さらに吉平副監督は、「顔の半分だけ明るくて半分が影になっているのは、このあと、シボは何をしたいのかが分かんない…その二面性を“TWO FACES”で表しています」と明かした。

“手”だけのシボについて話が及ぶと、岩浪音響監督のリクエストで花澤が再び“手”のシボを実演する場面も。吉平副監督は、“手”のシボの動きについて「虫みたいな雰囲気も残しつつ、リアルなロボットの動きも取り入れてます」と明かした。さらに瀬下監督は「ある映画の有名なキャラのオマージュが動きに入ってます」と、吉平副監督も「バレリーナの手の動きもモデルにしてます」と続け、制作の裏側が次々と明らかに。「シボは、意外と重要なことをやってるんで。あえて分からないようにしてることがいっぱい仕込んであります」と瀬下監督が語ると、吉平副監督は「ラストの霧亥とのお別れシーンに秘密があります(笑)。監督にも言ってない演出もまだいっぱいあります」と暴露。すると瀬下監督も「僕もまだスタッフに言ってないことが、まるで自主製作映画のようにいっぱい入ってます(笑)」と明かした。

最後に、花澤は「作っているスタッフさんのワクワク感…『ここにこういうのを入れて』『どうだ!』ってスタッフさん同士でも分からないことがたくさんあったり、遊び心がたくさん入っていてすてきな作品で、そんな作品に関われたことがうれしいです」とコメント。瀬下監督は「映画を見終わった満席のお客さまの前で、自分たちの作品の話を一緒にできるって、幸せです。こういうことを続けさせていただけるのは応援してくださる皆さんのおかげです」と語り、イベントを締めくくった。

劇場アニメ「BLAME!」は、全国公開中。

<作品情報>
人類たちが「違法居住者」として、駆除・抹殺される暗黒の未来。無限に繁殖を続ける超巨大な「階層都市」における探索者・霧亥(キリイ)の孤独で危険な旅路を描いたSF漫画の金字塔「BLAME」が、連載から20年のときを経てついに劇場アニメ化。
■スタッフ
原作:弐瓶勉「BLAME!」
総監督:弐瓶勉
監督:瀬下寛之
副監督・CGスーパーバイザー:吉平“Tady”直弘
脚本:村井さだゆき
■キャスト
霧亥:櫻井孝宏
シボ:花澤香菜
づる:雨宮天
おやっさん:山路和弘
捨造:宮野真守
タエ:洲崎綾
フサタ:島﨑信長
アツジ:梶裕貴
統治局:豊崎愛生
サナカン:早見沙織

©弐瓶勉・講談社/東亜重工動画制作局

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