現在公開中の河瀨直美監督最新作『光』が、第70回カンヌ国際映画祭の独立部門であるエキュメニカル審査員賞を受賞した。
水崎綾女演じる人生を迷いながら生きていた女性が、永瀬正敏演じる視力を失いゆく天才カメラマンと出会ったことにより、大きく変わっていく様を描いた本作。パルムドールは逃したものの、 本作は第70回カンヌ国際映画祭の独立部門であり、ヨーロッパで権威のあるエキュメニカル審査員賞を見事受賞。日本人としては、2000年に受賞した青山真治監督(『EUREKAユリイカ』)以来2人目、日本人女性監督としては初の受賞となる。
現地で行われた授賞式に登壇した河瀨監督は、「メルシーボークー」と切り出し、「この映画は、“映画”とは一体なんなんだとうということを問いかけながら作りました。映画祭が70年を迎える年にこの賞をいただけることを光栄に思う」と感激の表情を浮かべた。また、河瀨監督、永瀬正敏のコメントが届いた。
<河瀨直美監督コメント>
映画というものは何なんだろうと考えて作りました。映画がもたらすものはたくさんありますが、人を繋ぐものだと思っています。人は人種も国境も越えていくものだと思います。映画館の暗闇の中で、映画という光と出会うとき、人々は一つになれるのだと思います。カンヌでも一体感を持てたことがうれしかったです。この混沌とした時代に、70年という記念の年に栄えある賞をいただけて大変うれしく思います。ありがとうございます
<永瀬正敏コメント>
歴史あるすばらしい賞。感謝しています
『光』
新宿バルト9、梅田ブルク7ほか 全国公開中
公式サイト:http://hikari-movie.com
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