公開中の映画『光』の大ヒット御礼舞台あいさつが行われ、河瀨直美監督、永瀬正敏が登壇した。
本作は、第70回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品された大注目作。単調な日々を送っていた女性が、視力を失いゆく男性カメラマンと恋に落ちる物語だ。
カンヌ国際映画祭に参加していたため、先日都内で行われた初日舞台あいさつには登壇できなかった河瀨監督と永瀬。今回、カンヌ以来初、2人揃っての都内舞台あいさつ登場となった。
5月30日にカンヌから帰ってきた河瀨監督は、「ただいま」とあいさつ。「カンヌから帰ってきてもう10日ほど経っているんですが、やっと時差ボケも抜けてきた中で、今日は東京に戻ってきました。自分の映画がこの映画館で、こういった形で映画と一緒に戻ってこられたこと、感動を噛みしめております」と日本で本作が受け入れられていることに感激した様子。
第70回カンヌ国際映画祭において、エキュメニカル審査員賞を受賞した本作。会場で、本作に出演している樹木希林から「河瀨監督の表現力は成熟していますね」というメッセージが披露されると、河瀨監督は「ありがたいです。希林さんが言ってくれたことも、最近全然聞くことがなくて。今は『河瀨、カンヌ。うん、そうやね』と言われる。でもそれを続けることの表現者としての苦しみもあるので、希林さんの言葉は非常にありがたいと思います」と感謝を口にした。
一昨年の河瀨監督作『あん』の出品を含め、カンヌに3回行っている永瀬は「こんなに忙しいカンヌはなかったです」と振り返る。「僕は写真を撮るので、いつもブラブラするのですが、今回は街を歩くと人に呼び止められて、とても丁寧に作品の感想を伝えてくれる人たちがいたり、どんどん声を掛けられて」と現地での反応の大きさに驚いた様子だった。
イベントも後半に差し掛かると、観客からの質問を受け付ける場面が。前作『あん』に続いて、永瀬を起用した理由を聞かれると、河瀨監督は「惚れたからです」とコメント。会場が沸く中、司会者から永瀬のために作った映画なのか、と質問が及ぶと「永瀬さんのためではないですが……(笑)。抜き差しならない、映画への愛がある方です。皆さんご存じかと思いますが」と永瀬の映画に対する姿勢を称賛し、イベントは幕を閉じた。
【作品概要】
『光』
新宿バルト9、梅⽥田ブルク7ほか全国公開中
©2017“RADIANCE” FILM PARTNERS/KINOSHITA、COMME DES CINEMAS、KUMIE
■監督・脚本:河瀨直美
■出演:永瀬正敏、水崎綾女、神野三鈴、藤竜也
■配給:キノフィルムズ/木下グループ
<公式サイト>
http://hikari-movie.com