橋下徹・小山慶一郎司会で、世間を騒がせた裁判のその後を追跡する『実録!世界怒りの法廷』(TBS系)が7月5日(水)後7・00放送。濃厚VTR&白熱の議論で約6時間にもおよんだ収録直後、初タッグを組んだ2人を直撃しました。
◆長時間の収録、お疲れ様でした。
橋下:VTRがすごかったですね。事件について本格的に知れるようなかなりの大作で。
小山:改めて世間で話題になった事件を見直してみてどう考えるか、ストーカーの事件や冤罪などについても、自分たちがもっと知識がないといけないなと。新たな発見もあったし、考えるきっかけになりました。
橋下:裁判に関する今の問題点について、多分最先端の議論をしています。VTRの間に、弁護士の方も交えて行われる議論は、今の裁判司法における問題点についての最先端の議論ですよ。相当勉強になると思います。
小山:僕も普段ニュースを読ませてもらう仕事もしているのですが、そのニュースがより立体的に見えるようになりました。ああ、そういうことかと。
◆今回が初共演とのことですが、お互いの印象はいかがでしたか?
小山:橋下さんは、最初は怖いイメージがあって。間違ったことを言って「何言ってんだ?」とか言われたら嫌だなと思っていたので、今までで一番っていうぐらい勉強しました。
橋下:はははは。
小山:あとは橋下さんは羽鳥慎一さんと番組をやられているので、羽鳥さんにたくさんメールをして。「どういう方でしょうか? どういう感じで行ったらいいでしょうか?」って聞いたら「何も心配することないですよ」って。で、打ち合わせで初めてお会いした時に、Tシャツにジーンズでラフな格好されていて、あ、橋下さんってこんな感じなんだって。ほんとに優しくて、僕のイメージが全部覆りました。
橋下:覆ったって、相当印象悪かったんだ(笑)。
小山:やっぱりテレビって怖いですね。僕でもそう思っちゃうぐらい、そういう場面が使われていますから。
橋下:確かに政治の時には、相手にけんかを売られたら100倍返ししないと生きていけない世界でやってましたけど、別に何も言って来られなければ、こっちからつっかかってくこともないんですけどね。
小山:だって「君そんなバカな質問するのか」みたいなこと言われたらって…会見のときよくあったじゃないですか。ああいうの見てるから、バカな質問しちゃいけないと思って。
橋下:あれは相手が敵だから(笑)。こちらは仲間だから(笑)。よく見てるね。
小山:研究してきましたから。だから(優しくて)よかったですよ。
橋下:僕としては、“ニュースタイルジャニーズ”って言うのを見た感じがしましたね。アイドルでいながら勉強してキャスターやって、で、最後はちゃんと笑いのところもやると。全部こなしていくっていうね。僕は並ぶのもいやでしたよ。でも自分の子供にちょっと、いい格好ができるんで。それがうれしいです。
小山:(笑)。ありがとうございます。
◆お二人それぞれが印象に残った事件、裁判は?
橋下:事件の当事者とお会いできたことが印象的です。「布川事件」という有名な冤罪事件で、29年間刑務所に入れられていた桜井昌司さんがスタジオに来てくれて。すごく壮絶な29年間だったんだろうという思いがあったんですが、ご本人は明るくポジティブに、これから冤罪事件を防ぐために自分でやれることをとことんやりたいとおっしゃっていて。議論したら圧倒されましたね。僕が頭の中で「冤罪事件を防ぐためにはこうすべき」とか、「警察の捜査権限を強化すべき」とかって、頭の中で考えるわけですよ。でも経験を基にした桜井さんに、「警察は信用できないでしょ」って言われたら、返す言葉がなかった。こういう経験は初めてでした。
小山:僕は特にストーカー事件についてですね。今回、あるアイドルの女の子がスタジオでご自身の被害を語ってくれましたが、ちょっと他人事ではないというか。僕もそういうお仕事をさせていただいている中で、可能性はゼロではないと思いながら聞いていました。恐怖を感じながらも自分で何か調べることはしていなかったし、知識もなかったので、勉強になりました。ファンの方を信じているという大前提はありつつ、知識の一つとして頭に入れておくことは大事だなと思いましたし。
あとはアメリカで日本人女性が被害にあった殺人事件の裁判。被告人からの司法取引に応じたご家族に直接取材させていただいたのですが、話せば話すほど家族の怒りを感じました。“娘を取り戻したい”という思いを第一にした上での決断だったと思うので、司法取引というものがいいものなのか悪いものなのか、僕自身では判断できないというか。ご遺族にしか分からないのかもしれないなと。残酷な状況の中でもお母さんが選んだ“娘と一緒に家にいられること”という幸せがあるなら、良かったのではないかとは思いますが、難しいですね…。
◆青森巨額横領事件で話題になった、チリ人妻・アニータさんの登場も衝撃でした。
橋下:それまで映像で見てた姿と、内面っていうのがちょっと違うというか。やっぱり人間ですから。アニータという人間を見たなっていう感じがしましたけどね。
小山:橋下さんがアニータに「大変だったでしょ?」って言ったときに、これは心を開く瞬間が来るのかなっていう風に見てたんですけど、ホントに開きましたもんね。寄り添い方が素敵でした。「アニータの心、開く人いた!」って。
橋下:(笑)。キャスターはリップサービスがすごい!
小山:いやいや(笑)、アニータがあそこまで心開いてくれると思わなかったのでびっくりしました。
橋下:無理してたところがずっとあったんでしょうね。若い頃貧しい中で、稼がないと、子供を食べさせないと、との思いで外国へ来て、いろんなつらい経験もしたと思うので。
◆もし、番組第二弾があったら、こういう話題を取り上げて欲しいというものはありますか?
橋下:次、あるんですかね。しんどいからもうやらないんじゃないですか?(笑)しんどいもん収録。中身は濃いし、全部で6時間ぐらい収録してましたから。
小山:僕は何とかまたやりたいと思いますけどね。でも今回は3時間番組だったので、次はできれば1時間ぐらいでお願いできれば…(笑)。
橋下:裁判クイズとかの方が楽なんじゃない? あとはやっぱり小山さんが語りかけたら、若い人たちも見てくれると思うので、それでもっと司法を身近に感じてもらえれば。司法を身近にしようというのは弁護士会の中でももうずっと、何十年も言われてることなんですよ。でも身近にならないでしょ? だから小山さんのような人がああいう形で、問題提起とか問題意識とかを語ってもらうって言うのが一番身近になると思うんです。僕らの世代とかが小難しく出てきて言っても、やっぱりみんな聞いてくれないもん。
小山:いやいや。でも何かのきっかけになればとは思いますね。ニュースで見てて分からないワードっていっぱいあると思うけど、それがより分かるし、僕らの世代の方々も僕と一緒に考えて下さったらいいかなと。
橋下:だからと言って堅苦しくなく、ゲストの皆さんが盛り上げてくれてるしね。
小山:アニータのハプニングもありますし(笑)。また第2回がありますように。断らないでくださいね?
橋下:ははは。是非是非。
『橋下徹・NEWS小山
実録!世界怒りの法廷』
TBS系
7月5日(水)後7・00~9・53(※一部地域を除く)