第69回カンヌ国際映画祭でフィリピン映画界に三大映画祭で初めての主演女優賞をもたらした『ローサは密告された』が7月29日(土)に公開される。
2016年6月30日、ロドリゴ・ドゥテルテが大統領に就任後、過激な麻薬撲滅戦争を筆頭に世界でも注目を集めている国、フィリピン。本作は、ひとりの女性を通じ、この国の「貧困」「麻薬密売」「汚職」「密告」「スラム街」、そして就任1周年を迎えたロドリゴ・ドゥテルテ大統領について描かれる。
「麻薬中毒者は殺せ」「中国人をヘリから突き落とした」など、過激な発言の数々から「フィリピンのドナルド・トランプ」などの異名を持つロドリゴ・ドゥテルテ大統領。大統領選期間中から、一貫して麻薬、薬物犯罪への厳しい取り組みを宣言しており、麻薬撲滅戦争は国外では批判を浴びているものの、フィリピン国内では幅広い支持を獲得。今年はじめに行われた世論調査では75%という驚異の支持率をたたき出した。彼が導く国・フィリピンの現状が垣間見える衝撃の作品だ。
<ストーリー>
ローサはマニラのスラム街の片隅でサリサリストアを夫ネストールと共に経営している。かつての日本の下町のように、密接して暮らす人々のつながりは深い。ネストールはいつもだらだらしてばかりだが気は悪くない。店を切り盛りするのはローサ。ローサには4人の子供がおり、彼らは家計のため、本業に加えて少量の麻薬を扱っていた。ある日、密告からローサ夫婦は逮捕される。さらなる売人の密告、高額な保釈金……警察の要求はまるで恐喝まがいだ。この国で法は誰のことも守ってくれない。ローサたち家族は、したたかに自分たちのやり方で腐敗した警察に立ち向かう。
『ローサは密告された』
7月29日(土)より、シアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー
監督:ブリランテ・メンドーサ
出演:ジャクリン・ホセ、フリオ・ディアス
配給:ビターズ・エンド