バレリーナになることを夢見る少女の物語を描いた映画『フェリシーと夢のトウシューズ』 が公開され、日本語吹替版で声の出演をした土屋太鳳、黒木瞳が初日舞台挨拶に登壇した。
日本語吹替版で主人公・フェリシー役を演じた土屋太鳳、フェリシーにバレエを教える元バレリーナ・オデット役を演じた黒木瞳が初日1回目の上映後の舞台挨拶に登壇。フェリシーがオデットから譲り受ける赤のトウシューズを意識して選んだという真っ赤なドレスと赤いヒール、そして映画ポスターのフェリシー同様、輝くティアラを身につけた土屋、黒とシルバーを基調とした凛とした装いの黒木が登場すると観客から歓声が上がった。
「今日はお越し頂きましてどうもありがとうございます。海の向こうのさまざまな国で愛された作品がいよいよ日本で公開になりとてもうれしいです。(フェリシーを演じるにあたり)声の演技が本当に難しかったです。誰もが夢を追いかける時に経験する心の揺れ動きや挫折などしっかり描かれていて、共感しました。皆さんもきっと楽しんでくれると思います」と土屋が挨拶すると、黒木も「(作品は)楽しんで頂けたでしょうか。私も大好きな作品なので、今日こうして初日を迎えることができて心からうれしいです。日本公開が決まる前にフランスで観たのですが、言葉が分からなくてもとても楽しく、感動して(映画って)万国共通なんだと思いました。日本で公開されたらいいな、と思っていましたがこのような形で参加でき光栄です」とそれぞれ今の気持ちを語った。
この日が初対面だったという土屋と黒木はお互いの印象について、土屋は「アフレコは別々だったので、今日お会いするのがとても楽しみでした。(黒木さんが)素敵すぎて胸がいっぱいです!((日本語吹替版を観た時に)黒木さんの声で命が吹き込まれたことを実感して、感動しました」と伝えると黒木も「(作品を通じて接していたので)土屋さんとは初めてお会いした感じが全くしませんでした。わたし(オデット)の特訓でオペラ座の舞台に立った子!という感じです(笑)」とコメント。緊張する土屋は楽しもうね、と黒木に声をかけてもらったと登壇前のやりとりを明かした。
日本語吹替版のその他キャストについて土屋は「先日のジャパンプレミア時に夏木マリさん(ル・オー夫人役)とご一緒したのですが、ものすごく素敵でした。わたしは夏木さんの声(=夏木が声優で参加している作品)で育った一人なので、その声を思い浮かべながらアフレコに挑みましたが、いざ完成した作品を観ると、もうわたしの脳内を遥かに超えた、ル・オー夫人がいて……感動しました!」と声を弾ませた。黒木は「フェリシーの先生・メラントゥ役の熊川哲也さんが声優初挑戦だとは思えないくらい素晴らしかったです。(メラントゥは)わたしが演じたオデットともちょっと良い関係ですし、いい思いをさせて頂きました」と会場の笑いを誘った。
そしてフェリシーの持つ〝誰にも負けない“情熱にちなみ、そのような〝強い想い”について聞くと、土屋は「未熟者なので誰にも負けない!と思っても負けてしまうことばかりですが……出会えた役を全力で愛すること。これだけはやろうと決めています」と役と真摯に向き合う姿勢を語った。
フェリシーがオデットと行う猛特訓についての話になると、黒木は宝塚時代に初めて台詞のある役をもらった時、動きながらせりふを言うために、毎日「ハー」とだけ言って教室をぐるぐる回る特訓を毎日2週間近くも続けていたことを告白。それを受け、出演が決まっている舞台の準備中であった土屋は「なるほど……。今すごくそれで悩んでいる時だったので勉強になります!」と思わぬアドバイスに真剣な表情を見せるひと幕も。
映画のテーマにちなんで、かなえたい夢を聞かれた土屋は「(先日のジャパンプレミアで)夏木さんにお会いし、今日こうして黒木さんにお会いし、お二人とも素敵な女性で、こんな女性になりたいなと思いました!」と目を輝かせた。
最後に観客へのメッセージとして、黒木が「夢を追いかけている人も今探している人もこの作品をみてハッピーな気持ちになってほしいです。初日の1回目にお越し頂きありがとうございました」と述べると、土屋からも「夢に向かって夢をつかむというのは、たくさんのことに気付くということだと思います。この作品で描かれている(うまくいかない時の)切なさや、きらめきが、スクリーンで味わえます。ぜひ何回も足を運んで楽しんで頂きたいです。今日はどうもありがとうございました」と晴れやかに舞台挨拶を締めくくった。