坂本浩一監督「すごくリアル」『ダイバージェント FINAL』のアクションを解説

映画
2017年08月22日

『ダイバージェント FINAL』公開記念スペシャルトークイベント 『ダイバージェント FINAL』公開記念スペシャルトークイベントが都内で行われ、「仮面ライダー」シリーズなどを手掛ける坂本浩一監督が登壇した。

 坂本監督は、アメリカでは、強い女性が主人公のアクション映画を女の子同士で観に行って、共感して自分たちも物語の一部になって楽しむという習慣があり、いわゆる絶世の美女よりも<ガール・ネクスト・ドア>といって感情移入しやすいタイプの女優が起用され、人気になるケースが多いと、本作の全米大ヒットの理由を分析。

 さらに、アメリカで青年期を過ごしたという坂本監督は、本作に登場するトリスのような「強い女性」に憧れると話し、引き締まった身体にタンクトップを着たカッコいい女性が自身の作品でも時折登場するのは、坂本監督の意向が強いことを明かした。

「格闘技を使って戦うという文化がないアメリカでは、謎の東洋人マスターが師匠として登場することが多かったが、『リーサル・ウェポン』(87)でメル・ギブソンが後ろ回し蹴りを披露したあたりから大きな変化があった」と語り、「90年代、香港の監督を呼んでカンフー的な要素を取り入れた作品がはやり、現在では軍隊格闘技、パルクールなどリアルな接近戦を取り入れるのが主流になってきている。本作でいうと、飛行機の中の格闘技もすごくリアルだったし、相手1人を拘束しながら戦うとか、接近戦でエルボーを使って投げ飛ばすとか、リアル系格闘技を取り入れていました」と本作のアクションについて解説した。

 また、坂本監督がアクションのデモンストレーションとして、近年の映画で取り入れられている接近戦を披露。その迫力に、会場からは大きな拍手が送られた。

 最後に坂本監督は「戦隊シリーズも本作も、特徴のあるキャラクターを描きわけることで感情移入する人物を観る側にチョイスさせる目的がある。壮大なSF要素に恋愛要素が盛り込まれていて、より共感しやすくなっている。さらにシリーズを通し、各キャラクターが成長しているところが本作の魅力。日本でも、もっとアクション映画に力を入れて頑張ってほしいなと思っているし、日本のアクション映画の活性化にひと役買わせていただきたい」と語った。

『ダイバージェントFINAL』
全国公開中

<ストーリー>
人類が【無欲】<アブネゲーション>【平和】<アミティー>【高潔】<キャンダー>【勇敢】<ドーントレス>【博学】<エリュダイト>の5つの派閥に分類され管理されていた社会体制が大規模なクーデターによって崩壊し、新たな勢力が支配力を拡大していた近未来のシカゴ。
街は巨大なフェンスに囲まれ、強権的に重いゲートで閉鎖されていた。混迷の中を逃れ、外の世界に希望を見いだそうと考えた主人公トリスは、仲間と共に未知なる外界へ脱出する──。
だが、そこに待ち受けていたのは【異端者(ダイバージェント)】にまつわる驚愕の事実と、人類の記憶を消去し世界を“リセット”させようと企む組織の陰謀だった…。

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