スペインで開催された第65回サン・セバスチャン国際映画祭コンペティション部門に正式出品された『ライオンは今夜死ぬ』のワールドプレミア上映が9月29日に行われ、メガホンをとった諏訪敦彦監督、主演のジャン=ピエール・レオー、ポーリーヌ・エチエンヌが参加した。
上映前のレッドカーペットには、諏訪監督とジャン=ピエールはシックなスーツ姿、ポーリーヌは黒いラメ入りのニットにミニスカートというシンプルで華やかな服装で登場。フランスを代表する名優と、ヨーロッパで圧倒的な評価を受けている日本人監督のコラボレーションということで、世界各国のメディアと各地から訪れた多くの観客が押し寄せ、その声援に笑顔で応えながら会場入りした。
約2000名が収容される会場は超満員。3人は、観客と共にワールドプレミアを鑑賞。場内では何度も笑い声や歓声が起こり、エンドロールが始まると熱狂的なスタンディングオベーションが会場に響き渡った。観客の熱い反応に対し、ジャン=ピエールとポーリーヌは満面の笑みを浮かべ、諏訪監督は何度も手を上げて観客の拍手に応えた。
公式記者会見では、諏訪監督が本作について「ジャン=ピエールと、『この映画は死を描きながらも、生きていることは素晴らしいというテーマの映画にしよう』と話をしたことがあります。映画をご覧いただいて感じられるのは“生きる”ということに対する、いきいきとした実感だと思います」と語った。
そしてジャン=ピエールは今回のコラボレーションに対し、「ヌーベルヴァーグの継承者として尊敬する諏訪監督と共に作品を作り上げることができたことが本当にうれしい。『ライオンは今夜死ぬ』というこの“奇跡”に参加できたことがとても幸福だ」と語った。
さらにジャン=ピエールが劇中で歌っている「ライオンは寝ている」を熱唱し、会場を沸かせる場面も。会見中は、諏訪監督とジャン=ピエールは何度もほほ笑み合い、今回のコラボレーションに満足していることをうかがわせた。
『ライオンは今夜死ぬ』
2018年1月、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次ロードショー
監督・脚本:諏訪敦彦
出演:ジャン=ピエール・レオー、ポーリーヌ・エチエンヌ、イザベル・ヴァンガルテン
配給:ビターズ・エンド
<STORY>
南仏コート・ダジュール。死を演じられないと悩む、年老いた俳優ジャン。過去に囚われ、かつて愛した女性ジュリエットの住んでいた古い屋敷を訪ねると、幽霊の姿となってジュリエットが彼の前に現れる。さらに、地元の子どもたちが屋敷に忍び込んできて…子どもたちからの誘いで突然はじまった映画撮影。撮り進めるうちに過去の記憶と向き合い、残された時間、ジャンの心に生きる歓びの明かりがふたたび灯されていく。
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