舞台『夫婦漫才』が11月6日に福岡・博多座で開幕し、初日公演の終演後に大地真央、中村梅雀、川﨑麻世、正司花江、演出のラサール石井が囲み取材に応じた。
本作は、俳優・豊川悦司が2001年に脚本・監督を務めたテレビドラマを原作に、ラサール石井が演出・池田テツヒロが脚本を担当。ひょんなことから漫才コンビを結成し、激動の昭和から現代を明るくたくましく生きた夫婦を大地真央と中村梅雀が演じる。
大地は「実は、現代を生きた普通の日本人女性の役を舞台で演じることも、関西弁をしゃべるのも宝塚のトップお披露目公演以来初めてだったので、とても新鮮でした。でもお客様の反応がとても温かくてホッとしています」と初日を迎えた感想を。演出のラサール石井は「王女とかそういう役ばかり演じてきた真央さんが、ごく普通の庶民の役を演じるというのも見どころです」と語った。
大地の夫役を演じる中村が「関西弁の役は苦手でこれまで封印してきたのですが、真央さんのおかげでスッとその世界観に入ることができました」と安堵の表情を見せると、大地から「せやろ♪」と関西弁で合いの手が。また、川﨑が「何があっても支え合う、夫婦のあるべき姿を舞台で勉強させていただいています(笑)」と語り、笑いを誘うひと幕も。
劇中では、戦争、貧困、高度成長、テレビ黄金期、漫才ブーム、オリンピックなど昭和を象徴する事柄が多く登場。ラサール石井は「真央さんの劇中でのファッションも、それぞれの時代にあったものをそろえ、コートも含めると全部で20着、着てもらっています。それだけ見ても昭和女性ファッション史として楽しんでいただけると思います」と見どころを紹介。音楽も「東京五輪音頭」「世界の国からこんにちは」など、昭和を彩った名曲が多数登場し、芸歴80年を迎えるという正司も「共演したことのある方の曲も多く、本当に懐かしくて涙が出そうです。皆さんにも懐かしく観ていただけると思います」と語った。
最後に大地は「本当に笑いあり涙ありの面白いお芝居に仕上がったと思います。ぜひ劇場にお越しいただき、この時間と空間を共有していただけたらと思います」と締めくくった。
舞台『夫婦漫才』は11月18日(月)まで博多座で上演された後、大阪・新歌舞伎座、東京・シアター1010で上演される。
舞台『夫婦漫才』
原作:豊川悦司、脚本:池田テツヒロ、演出:ラサール石井
<出演>
大地真央、中村梅雀
川﨑麻世、村上ショージ、竹内都子、上杉祥三
朝倉伸二、福本伸一、弘中麻紀、未沙のえる、南翔太
吉沢京子、正司花江 ほか
製作:博多座
制作協力:東宝
<あらすじ>
“あんたの横にはいつもうちがおる だから行こう、一緒に行こう”
大阪の長屋で、まるで兄妹のように育ってきた信子(大地真央)と伸郎(中村梅雀)。器量よしで美人な信子とぱっとしない伸郎の“のぶ”コンビは長屋の人気者だったが、ついに伸郎に赤紙が届く。
戦後、夫婦となり3人の子宝に恵まれたが、定職にもつかずふらふらしている伸郎に信子は腹を立て、毎晩長屋に響きわたるは夫婦喧嘩の声。ところが、この喧嘩が掛け合い漫才のようで面白いと評判を呼び、プロの漫才師としてデビューすることになる。家族を、長屋の人々を、お客さんを笑顔にすることが皆を幸せにすることだと仕事に打ち込む二人だが、突然悲劇はやってきて…。
戦争、貧困、高度成長、テレビ黄金期、漫才ブーム。激動の昭和から現代を、夫と家族を支えながら、前向きかつ豪快に突き進む信子。伸郎と共に二人手を取り、夫婦で歩む笑いと涙の珍道中の行く先は…。