「東京落語会」が開催700回を迎え、その記念口上の模様が、11月12日(日)に『日本の話芸』(Eテレ)で放送される。収録後に行われた囲み取材に落語協会会長の柳亭市馬と落語芸術協会副会長の三遊亭小遊三が参加した。
昭和34年に開始した「東京落語会」は、10月13日に行われた公演で700回を迎えた。この日の公演には市馬、小遊三のほか、柳家花緑、春風亭昇太、柳家権太楼が出演。口上には5人全員がそろって登壇した。11月12日(日)の『日本の話芸』では、花縁の「時そば」のほか、記念口上の模様も放送される。
「東京落語会」には、それぞれ20回(市馬)、43回(小遊三)も出演している2人。その長い歴史について小遊三は「昭和34年って王(貞治)さんが巨人に入った年だからね。もう王さんとっくに辞めちゃってますから(笑)、そういうのを考えると、ひと昔、ふた昔、って問題じゃないからね」とその重みをかみしめたが、「重みを感じたらできないんで、やるときはなるべく考えないようにしてるけど、やっぱり落ち着いて考えると、落ち着いてるとは限りませんが(笑)、落ち着いて考えるとすごいなと」としみじみ。
落語家になる前から「東京落語会」を見ていたという市馬も「素人のときから思い入れがあるので、その会で口上を言うとかトリを務めるとか…。落ち着いて考えると、本当にそこにきますね(笑)」と小遊三の言葉にかぶせて報道陣を笑わせ、「普通の高座のつもりでやりましたけど、本当に大変なところに出させてもらってありがたい」とまとめた。
最近、若い女性にも落語がブームとなっていることについては「最近は女の人のお客さんが増えたので寄席の雰囲気が全然違う。よく笑ってくれるし明るいし。昔は平日の昼間なんて年寄りと仕事の行き詰ったセールスマンしかいないんだもん(笑)」と小遊三。「お母さんが小学生の娘を連れて寄せに来てることもあるからね。そんなこと絶対ありえなかったから、世の中は変わってきてるんだなーって」と、客層の変化を肌で感じている様子。
落語初心者におすすめの演目を聞かれた市馬は、「ネタが何かってより、まずは来てもらって、会場の雰囲気を味わっていただければ」と呼びかけた。
『日本の話芸』(Eテレ)は、毎週(日)後2・00放送。「東京落語会」700回記念口上は、11月12日(日)放送。