韓国で750万人を動員する大ヒットを記録した映画『密偵』の初日舞台あいさつに鶴見辰吾が登壇した。
初回から満席で上映した後の余韻が残る中、MCの呼び込みで温かい拍手と共に鶴見が登壇し、イベントがスタートした。「皆なさまこんにちは鶴見辰吾です。すみません私、主演ではないのにソン・ガンホさん、コン・ユさん、イ・ビョンホンさん、オム、テグさん、ハン・ジミンさんその他皆さんから託されまして、今日は代わりに舞台あいさつを務めさせていただきます」とあいさつした。
撮影オフショットや、10月に韓国を再訪した際の、この初日のために編集されたスペシャル映像がスクリーンに映し出され、トークはスタート。鶴見の解説と共に撮影中のキャストたちのリラックスしたほほ笑ましいオフショットなどが映し出されると、会場は温かい笑いに包まれた。
韓国では、撮影前に“打ち入り”という、良い映画を作ろうと土気を高めるための会があり、鶴見はソウルへ行き打ち入りから参加し、「キャストやスタッフと打ち解けた」と話す。「打ち上げの反対だから打ち入りなんですね」とMC。「そうなんです。打ち入りやった方が良いですね、現場がすごく和みましたよ」と話し、続けて打ち入りの際に「打ち入り会場へ行く際に車が道に迷って遅れてしまい、お祓いの時間に遅刻してしまったんです。そのときにソン・ガンホさんがとても僕に気を使ってくださってすごく優しく迎えてくれたので、気持ちが随分楽になりました。そのときからずっとソン・ガンホさんは優しくしてくれました」とエピソードを披露した。
ソン・ガンホとの共演シーンに関して「実は幻のソン・ガンホさんとの2ショットシーンがあったんです。すごく良いシーンだったんですが、ばさっとカットになっていましたね…もしかしたらDVDの特典映像とかになるかもしれないですね」と観客の期待をあおった。
そして話題は映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』で日本でも人気を獲得した共演者のコン・ユのファンからの撮影時の差し入れの話題に。「韓国では映画スターのファンの方が出演者にプレゼントというか差し入れをしてくださったんです。フードワゴンを現場に呼んでスタッフやキャストに振る舞うんですよ!皆さんからも差し入れいただいても良いのでぜひ」と会場の笑いを誘った。
続けて鶴見は「韓国はねぇ、撮影時の食事が本当に良くて、朝から炊き立てのご飯にコムタンなどが食べ放題なんですよ!ついつい僕も食べすぎてしまって…韓国映画に出演した日本人俳優さんたちとよく話題になるのが、食事が本当にいいよねって、大杉漣さんなんかは『食べた!?うまいよねぇー!』って言ってそんな話になったりしてます」と“韓国映画あるある”を話した。
また、本作で数か国語を操る義烈団メンバーを演じた女優ハン・ジミンについては「彼女は本当に演技に打ち込むほうで…。つらいシーンがあるんですけど、そのシーンのたに10日間もの絶食をしてやつれた役作りをしていたんです。それだけ絶食をしていたら、普通イライラしたり機嫌が悪かったりするんですが、私に対しても気を使ってくださるほどの余裕もあって、本当に素晴らしい方でした。ソン・ガンホさんからは『韓国の女優さんは気が強い人が多くて大変だけど、ハン・ジミンさんだけは特別だから貴方はラッキーですよ』と言われました」と語った。
そして、韓国を代表する大スター、イ・ビョンホンの話題に。「イ・ビョンホンさんが演じるのは独立運動団体・義烈団の団長役で物語の中でもかなり重要な役なんですけど、あの役はかなりの人がやらないと説得力がない。撮影が始まってからもなかなか決まらなかったんです。そしてしばらくするともしかしたら、イ・ビョンホンさんがやるらしいですよ…でもまだ内緒ですよ!と噂になり、結局イ・ビョンホンさんがやることになったんですよ」と裏話を明かした。
また、イベント冒頭で流れたスペシャル映像で、ソン・ガンホ主演作『タクシー運転手 約束は海を越えて』で「2017年釜日映画賞授賞式」を客席で見守っていた鶴見に対し、主演男優賞を受賞したソン・ガンホはスピーチの際に、観客に向け日本から来ていた鶴見を紹介するシーンが。紹介を受けた鶴見は韓国の映画ファンから大きな拍手を受けていた。MCが「韓国の映画ファンの方から鶴見さん!鶴見さん!と声を掛けられたそうですね」と聞くと「そうなんです。うかうか歩いていられないですね、韓国では非常にうれしい想いをさせてもらいました」と韓国での『密偵』の大ヒットを受けての影響をうれしそうに語った。
最後に鶴見は「お隣の国、韓国の名優たちと皆で一生懸命作った映画です。面白かったらぜひSNSなどでたくさん広めてください!よろしくお願いします」と呼びかけた。
『密偵』
公開中
監督:キム・ジウン
出演:ソン・ガンホ、コン・ユ、ハン・ジミン、鶴見辰吾、オム・テグ、シン・ソンロク、イ・ビョンホン
配給:彩プロ
<STORY>
1920年代の日本統治時代。朝鮮人の日本警察官イ・ジョンチュル(ソン・ガンホ)は、独立運動団体の義烈団を監視しろとの特命を受け、義烈団のリーダー、キム・ウジン(コン・ユ)に接近する。出処不明の情報が双方間で飛び交い、誰が密偵なのか分からない中、義烈団は日本統治下の主要施設を破壊する爆弾を京城(現ソウル)に持ち込む計画を進めていた。そんな中、日本警察は義烈団を追って上海へ。義烈団と日本警察のかく乱作戦が繰り広げられる緊張感の中、爆弾を積んだ列車は国境を越えて京城へ向かうが…。
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