「猟奇的な彼女」「ラブストーリー」のクァク・ジェヨン監督の最新映画「風の色」の初日舞台挨拶が行われ、主演の古川雄輝、ヒロインの藤井武美、マジック監修を務めたMr.マリックが登場した。
「もし、別次元にこの世界とまったく同じ世界が存在し、そこに自分とまったく同じ人間が生きていたら?」そして、「その2つがある瞬間につながったら?」。本作は、流氷の北海道・知床と、桜舞い散る東京を舞台に、同じ容姿の2組の男女が繰り広げる“究極のラブストーリー”。主演を務めるのは、ドラマ「イタズラなKiss~Love in Tokyo」やNHK朝の連続テレビ小説「べっぴんさん」で、日本だけでなく中国をはじめとするアジア全域で高い人気を誇る古川雄輝。ヒロインは、約1万人のオーディションから選ばれたシンデレラガール・藤井武美が務める。
MCの呼び掛けで登壇した古川は、「本日は映画『風の色』初舞台挨拶に来てくださってありがとうございます。本当にこんなにたくさんの方々に来ていただき、ちょっと今びっくりしています」と、公開初日を待ち望んでいた観客で満員の場内を見渡して興奮気味。続けて「この映画を撮影したのがもう3年前になりますので、やっと皆さんに見ていただけるということで本当にうれしく思います」と語った。シンデレラガールの藤井は「やっとこの日が来たなと皆さんに見ていただけるということでうれしくもドキドキしています」とフレッシュ感全開の挨拶を。Mr.マリックは「映画というのはとても影響力があるものですから、かっこいい古川さんのような人がマジシャンを演じると、きっと次世代の若いマジシャンがたくさん現れるのでは?という期待も込めて、一生懸命監修をしました」と明かした。
古川は、「先ほども話しましたが撮影から3年もたっているので、僕も30歳になりましたし、今まで撮影した中で、断トツで過酷で大変な現場でした。本物の氷水に入ったり、脱出マジックで水の中へ入ったり、主演でやらせていただいたということもあり、今でも撮影のときのことを思い出すことがあるので、とても思い入れのある作品ですね」と撮影時の様子を感慨深く振り返る。そして1万人の中からヒロインの座を射止めた藤井は、「監督の作品は前々から拝見させていただいていて大好きだったので、絶対に勝ち取るしかないという気持ちで無我夢中でオーディションに挑みました」と堂々と語った。
この日、会場へ来ることがかなわなかったクァク監督。「監督から今朝、今日も頑張ってね!と連絡をいただいて、監督の分も今日は皆さんに本作の素晴らしさを伝えたくてここに来ました」と藤井が話すと、古川も「こうやって撮影が終わっても連絡をくれて、撮影中も撮影時の写真を送ってくれたり、毎日一緒にごはんを食べたりしてたので本当に演者に対して愛情のある監督だと思います」と語った。
本作の見どころについて、Mr.マリックは「脚本を最初に見せていただいたときに、古川君がスターのマジシャンとして成長していく過程が本当にリアルに描かれていた」とマジシャンの目線からコメント。続けて「その中でも僕が特に力を入れたところは、マジックコンテストで優勝するシーン。ここは本当に優勝するレベルのマジックをやってもらわないと、すべてのリアリティがなくなってしまう。なので一番クオリティの高いマジックを本当に熱心に練習してくれて…このままコンテストで本当に優勝できるな、と思ったくらいすごい特訓をしてくれました。映画の中では少しずつ古川さんのマジックが上手になっていくところも見ていただきたいです」と古川を絶賛し、会場からは大きな拍手が沸き起こった。
そして、大ヒットを祈念し、ラブストーリーにちなんだ“「風の色」オリジナルマジック”を、3人で力を合わせて披露することに。Mr.マリックと藤井が持つ、赤い糸に見立てた1本の赤いロープの真ん中に古川がハサミを入れる。真っ二つになったロープは、離れ離れになった男女を連想させた。Mr.マリックは「半分になったロープがまたつながれば…『風の色』はすばらしいラブストーリーということの証明ですからね」と会場を沸かせ、2本のロープの切れた端と端を固く結んで透明のコップの中へ。「では、2人の愛のパワーを注いでください」と言われた古川と藤井がお馴染みの“ハンドパワー”をコップの中へ注入すると、Mr.マリックは「来てますか?」とこちらもお馴染みのせりふを。それに呼応するように2人は「来てますね!」と返答し、古川も藤井も、そして会場も大盛り上がり。そして、古川と観客の「3、2、1!」というカウントとともに古川がコップの中のロープを空中に投げ上げると、なんと先ほどまで真っ二つだったロープが1本に戻った状態で宙を舞った。これには観客も古川も藤井もびっくりした様子。見事愛の力で、時空を超えたラブストーリーさながら1本になった赤い糸に、観客からは割れんばかりの大きな拍手が沸き起こった。
最後に映画の見どころを聞かれると、Mr.マリックは「なんといっても最後のクライマックスの水中脱出マジックは圧巻です!ロケのときに現場のセットやシーンを見て、今までマジック界でもここまでスケールの大きなマジックはやってませんから、それをこの大スクリーンで見ていただくのは本当に素晴らしいと思います。楽しんでいってください」とコメント。藤井は「ここに今立っているだけで胸がいっぱいです。素晴らしい北海道の地で撮影したところなども見ていただきたい、クァク・ジェヨン監督ワールドを楽しんでください」と語った。そして古川が「今日もマジックを少し披露させていただきましたが、映画内でもマリックさんに教えていただいたマジックのすてきなシーンがたくさんありますのでそちらを楽しんでいただきたいのと、日韓合作ということで、海外映画を見ている感覚になると思います。この季節にぴったりのSFラブストーリーを楽しんでいってください。本日は本当にありがとうございました」と締めくくり、大盛況の中で舞台挨拶は幕を閉じた。
映画「風の色」は、TOHOシネマズ日本橋ほか、全国公開中。
<作品情報>
■STORY
「もし、別の次元にこの世界とまったく同じ世界が存在し、そこに自分とまったく同じ人間が生きているとしたら。そして、その2つがある瞬間に、つながってしまったら…」。
人はなぜ生き、そしてなぜ愛するのか。流氷の北海道・知床と東京。そこで生きる2組の男女。2つの世界が交錯し、結ばれる愛の先には…。人間の存在の本質を、ミステリータッチで紡ぎながら贈るラブストーリー。
■STAFF&CAST
監督・脚本:クァク・ジェヨン
出演:古川雄輝、藤井武美、石井智也、袴田吉彦、小市慢太郎、中田喜子、竹中直人
■公式サイト
https://apie.jp/movie/kazeiro/