漫画家・古泉智浩による童貞漫画の金字塔を実写映画化した「チェリーボーイズ」が、2月17日(土)より全国公開される。その公開に先駆けてプレミア上映会が行われ、主演の林遣都、共演の栁俊太郎、池田エライザ、般若、西海謙一郎監督が登場した。
童貞3人組の主人公で通称・クンニこと国森信一役の林は「挑戦しがいのある役であり作品。男たちの情けない青春物語は今までやったことがなくて、20代のうちにそういった作品をやりたいと思った」と念願かなった様子。童貞という設定には「まずはそこが最低限のテーマ。童貞に見えなければ成立しない難しい役だけれど、演じ切れたらこの先、俳優として幅を広げることができるのではないかと思った」とチェリー役に気合十分だった。
童貞3人組の一人・ビーチクこと吉村達也役の栁は、その通称どおり「役的には乳首が長い設定。監督と乳首が長いってどういう感じなのだろうか?と相談しながら、役を作り上げました。今しかできない役であり、今後一生ないだろうという役。楽しく演じました」と語り、会場を笑わせた。
童貞3人組から脱・童貞大作戦のターゲットにされる釈笛子役の池田は、童貞3人組に「母性が湧いた」と目を細め、「女性が楽しめる笛子像を作りたいと意欲が湧いたけれど、まだ公開前なので感想がないのでビビっています。女子の感想を聞きたい。女子だけの試写会をやって、女子だけでトークしたい」と、同性の反応に興味津々だった。
そして、「北斗の拳」でいう“ラオウ的ポジション”という般若は「映画のタイトルを聞いた瞬間、やるしかないでしょ!と。しかも童貞役ではないので、カッコいいじゃん!と。どこまでカッコよくやれるのかを試しました」とコメントした。
本作が長編映画監督デビューの西海監督は、「イケメンの皆さんが童貞に見えなければ失敗だと思ったけれど、童貞3人衆には見事なまでの童貞っぽさを出してもらった。素晴らしい童貞になったと自負しております」と胸を張る。そして池田については、「池田さんをいかにきれいに撮るか。撮影中は“かわいい!”と本気で思いながら撮っていたので、きれいに映っているはず」と自信を覗かせた。
撮影中の林は、童貞感を高めるために池田とあえて言葉を交わさなかったそうで、池田から「撮影現場で背中を丸めて小さくなりながら3人で群れている姿はチェリーそのものだった」と評されると、「撮影本番は池田さんをどうにかしたいというような気持ちでいなければならず、常に“どうにかしたい”という目で見ていました」と危険な告白を。それに対して池田は「だから仲良くなれなかったんだと思います。でもその空気感が画面に生きている」と語った。
壇上では池田をマドンナ役に、男性陣が女性にキュンとした瞬間を再現してもらうことに。林は「素直になれない学生時代だったので、自分に歩み寄ってきてくれる人は好き。いたずら感のある活発な子に登校時間に後ろからドン!とぶつかってきてほしい」と妄想エントリー。栁は「休み時間にイヤホンで音楽を聞いているときに、急にイヤホンを取り上げて『何を聞いているの?』と女子が言ってくれる。ふふふ」と青春時代の実体験を脳内再生している様子。般若は「筆記用具が落ちたときに、近くの女の子が拾ってくれて、手が触れる」と、ピュアなシチュエーションを挙げた。
そして西海監督のジャッジで、再現は般若のエピソードに決定。池田は「皆さん、本当に見たいですか?」と戸惑うも、般若相手に壇上で妄想を再現することに。それを後ろから見ていた林は「後姿しか見えなかったので、ニュース記事で確認したい」とうらやましそうで、栁は「制服のときって、後ろから下着のラインが見えるのがいい」と学生時代に脳内タイムスリップ。
童貞感覚に戻ってしまった男性陣に池田は「女の子の透けた下着のラインや上目遣いは女でもいいなと思う」と理解を示し「自分も男兄弟がいるので、お兄ちゃんたちにもそういった時期があったのかなと思うと…優しくしようと思えてきた」と聖母的まなざしを見せた。
最後に主演の林は「女性の観客のことは撮影中頭になかった」と暴露しつつ、「情けないダメ男のバタバタコメディの印象があるけれど、その中身はすごくいい物語。童貞3人組からこれからの人生を歩んでいく上での大事な感情にも気づかされた」と実感を込めながら作品をアピールした。
映画「チェリーボーイズ」は、2月17日(土)より、シネ・リーブル池袋、渋谷TOEIほか全国ロードショー。