綿矢りさの小説を映画化した「勝手にふるえてろ」の大ヒット&ロングランを記念したトークイベントが行われ、主演の松岡茉優が登場した。
2001年に「インストール」でデビュー、「蹴りたい背中」で第130回芥川賞を受賞した作家・綿矢りさによる同名小説を原作とした本作は、十八番とも言える毒舌さえわたる切れ味のいいモノローグで女性のリアルな感情を描いている。
主人公ヨシカには、映画、テレビに大活躍中の松岡茉優。映画初主演となる本作で、コメディエンヌとしての才能を存分に見せつける。2人の彼氏には、黒猫チェルシーのボーカルであり、役者・映画監督としても独特の存在感を放つ渡辺大知と、DISH//でボーカル・ギターを務め、「君の膵臓をたべたい」「恋と嘘」など話題作への出演が続く、人気急上昇中の若手俳優・北村匠海。“脳内片思い”と”リアル恋愛”の2人の彼氏、理想と現実、どっちも欲しいし、どっちも欲しくない…という、恋愛に臆病で片思い経験しかないヨシカが、もがき、苦しみながら本当の自分を解き放つ。東京国際映画祭観客賞受賞、公開初日満足度第1位(12/15 Filmarks 調べ)、そしてネット上でも「2017年邦画No.1」との呼び声も高く、海外映画祭への出品も決定している痛快エンターテインメントだ。
昨年12月23日(土)に公開した本作は、大ヒットを受けて1月11日(木)にこの日と同じ劇場(ヒューマントラストシネマ渋谷)で大ヒット御礼イベントを実施、そこで鏡開きを行った。そこからさらに1か月以上たち、劇場公開からちょうど2か月後のタイミングで、また再びこの場に戻ってきた松岡。今の気持ちについて聞かれると「皆さまのおかげで2か月も上映することができました」とうれしさをかみ締めた。この日は、23歳になったばかりの松岡に会場中が「おめでとう」と祝福ムードの中、松岡の年齢にかけて「勝手にふるえてろ」を23回もリピートしたという強者のファンがいることに松岡自身も驚きの声をあげた。
きゃりーぱみゅぱみゅや「君の名を。」の新海誠監督など、多くの著名人が劇場で鑑賞をし、SNSで感想をあげていることが話題となると、「先日、(今一緒に舞台をしている)三谷幸喜さんも見てくれました」と松岡。「(舞台で)こんな役あげちゃってごめんなさい」と三谷から言われるほど、本作のヨシカ役がハマっていたそう。「男女問わず、ヨシカのように生きづらさを感じている人など、見てもらいたい人に見てもらえ、それがちゃんと届いたという実感があります」と手応えもバッチリの様子だった。
また、「私の“初”主演映画はこの映画だけ。『勝手にふるえてろ』は永遠に私の中で輝いて消えません!」と、公開から2か月経った今の思いを明かし、本作がかけがえのない作品であることを再認識していた松岡。「『勝手にふるえてろ』がずっと皆様の心の中に残って輝き続けるために、私もこれからもっと輝けるように頑張りたい。23歳、また映画で主演を務めて皆様と会いたいです!」と今年の抱負を語った。
さらに、「ウーディネ・ファーイースト映画祭」「ニッポンコネクション」「JAPAN CUTS」という3つの海外映画祭への出品が決定している本作が、3月19日からの「香港国際映画祭」、7月12日からカナダ・ケベックにて行われる「ファンタジア国際映画祭」、8月3日からアメリカデンバーで開催される「デンバー日本映画祭」へも出品されることが決定。さらに、新宿シネマカリテの歴代興行成績が邦画No.1となったことも発表された。シネマカリテでの興行収入No.1作品がウェス・アンダーソンの「グランド・ブダペスト・ホテル」と知ると、「『グランド・ブダペスト・ホテル』にヨシカが競っているってすごくないですか?私が一人で走っても超えられませんので、皆さまと一緒に超えていくためにリピートしたくなる言葉を伝えたいです」と話し、「ヨシカみたいな生き方をしている人は周りを見渡すとたくさんいると思います。そのような方たちが映画館で一緒に見ることで、その瞬間でしか味わえない映画体験ができる作品だと思っています。そして、それが体験できるのは、劇場公開している今だけ。なので、ぜひ劇場でのリピート鑑賞してほしいです」と、何度でも劇場で映画体験を楽しんでもらいたいとメッセージを。最後に「私は泣ける作品も怒りを覚える作品も大切だと思いますが、『明日も生きていこう』『元気になった』と思っていただけるような仕事をしたいなと思っています。この作品はまさに夢そのもの。皆さまの人生の隣にある映画になっていったらうれしいです」と、そっと背中を押してくれる作品であり、ヨシカはずっと映画の中、観客の記憶の中で生き続けることの喜びを語った。
映画「勝手にふるえてろ」は、現在公開中。
<STORY>
24歳のOLヨシカ(松岡茉優)は中学の同級生「イチ」(北村匠海)へ10年間片思い中!そんなヨシカの前に、突然暑苦しい会社の同期「ニ」(渡辺大知)が現れ告白される。「人生初告られた!」とテンションが上がるも、ニとの関係にいまいち乗り切れないヨシカ。ある出来事をきっかけに「一目でいいから、今のイチに会って前のめりに死んでいこうと思ったんです」と思い立ち、同級生の名を騙り同窓会を計画。ついに再会の日が訪れるのだが…“脳内の片思い”と“リアルな恋愛”、同時進行で進む二つの恋の行方は?
原作:綿矢りさ「勝手にふるえてろ」文春文庫刊
監督・脚本:大九明子
出演:松岡茉優、渡辺大知(黒猫チェルシー)、石橋杏奈、北村匠海(DISH//)
趣里、前野朋哉、池田鉄洋、稲川実代子、栁俊太郎、山野海
梶原ひかり、金井美樹、小林龍二(DISH//)、増田朋弥、後藤ユウミ、原扶貴子、仲田育史、松島庄汰、古舘寛治、片桐はいり
主題歌:黒猫チェルシー「ベイビーユー」(Sony Music Records)
公式サイト:http://furuetero-movie.com/
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