映画『パンク侍、斬られて候』の初日舞台あいさつが行われ、主演の綾野剛をはじめ、北川景子、東出昌大、染谷将太、浅野忠信、永瀬正敏、村上淳、若葉竜也、渋川清彦、國村隼、脚本を務めた宮藤官九郎、石井岳龍監督が登壇した。
主人公の掛十之新を演じた綾野は「今まで宣伝不可能な作品と言ってきましたが、本日初日を迎えることができ、皆様にこの映画をご覧頂くことによって初めて不可能が可能になりました!」と。さらに「この映画は革命的な作品だと思います。映画の新しい表現方法を生み出した作品になっていると思います。自分もこの映画に出演したことで、役者としてもう一度生まれ変わったような感じがします」と語った。
ろん役の北川は「いかに皆を“腹ふり踊り”に誘い込めるような踊りができるか?ということを、ダンスの先生と一緒になって考えました。とても得難い経験をさせて頂きました」と語り、「ラストシーンはとても演じていて気持ちが良かったです。この瞬間のために頑張ってきたんだなと思うくらいです!」と。
大浦主膳を演じた國村は「今僕のこの肩に、お猿の相棒が乗っていないのが寂しいです。実はあのお猿さんは、ゆう君ときな子ちゃんという二匹なのですが、最初に出会った時とても懐いてくれてうれしかったのですが、実は私がお猿さんにオーディションされていたのです!」と猿たちとの秘話を明かした。
特殊メイクで謎の猿将軍大臼を演じた永瀬は「オファー受けた時は“やった!”と思いました。町田さんの原作で、宮藤さんの脚本に石井監督という座組ですから。そして猿役!もう最高でした!!」と語った。
撮影現場について、綾野は「浅野さんが演じる茶山と最初に会うシーンが最高でした!茶山はセリフがないはずなのに、いきなり台本にもないタックルをされて(笑)その横で染谷さんの幕暮が普通にセリフ読んでて、その隣で若葉さんのオサムがいきなり奇声を上げて、そのオサムに僕がドロップキックを喰らわしたんです!」と台本無視の撮影現場のエピソードを披露。
江下レの魂次を演じた渋川は「撮影は全て最高でしたけど、浅野さんを見てると、僕なんかまだまだ普通の人なんだなーと思ってしまいました」と語り、浅野は「いやー僕は役に入り込んでいたので気が付きませんでした。僕の心声が聞こえました!?」と返すと会場は爆笑に包まれた。
真鍋五千郎役の村上は、掛とのバトルシーンに関して「綾野さんの股間がすごくいい匂いだったんです!夏の石鹸のような香りがして…そのために何回か撮影をストップしたくらいです!」と。また「この前僕の息子の虹郎が綾野さんと共演させて頂いて、どうやらギターを買ってくれる約束をしたようなんです。でも僕は綾野さんとは、他作品も含めて3回もアクションシーンを撮影しているんですが、まだ何も買ってくれない!」と明かすと、綾野がすかさず「それは虹郎君が20歳になるから、記念にですよ!」と。すると村上は「僕だって45歳だよ!!」と駄々をこね、会場はまたもや大爆笑。
キャストたちのさまざまなパンクエピソードが明かされる中、脚本の宮藤は「自分は中学生の頃に石井監督の作品を観て、おかしくなってしまったんです(笑)。だからこの映画を中学生が観たらどうなるかが気になりますね。あと町田さんの原作がすごいのでぜひ読んで頂きたい!」と熱弁をふるった。
さらに本作を14年もの間構想し続け、ついに映画化を実現させた石井監督は「映画を大事にしてくれているスタッフと、こんなにも素敵なキャストの方々と一緒に映画を作ることができて、本当に感無量です!」と熱く語った。
最後に、綾野は「自分の生き方によって、この作品の見える角度が変わってきます。観終わった後に、ご自身の気持ちをスクリーンに投影して頂けたら幸いです。あらためまして本日はありがとうございました!」とイベントを締めくくった。
「パンク侍、斬られて候」
全国ロードショー中
監督:石井岳龍
脚本:宮藤官九郎
出演:綾野剛、北川景子、東出昌大、染谷将太/浅野忠信/永瀬正敏/村上淳、若葉竜也、近藤公園、渋川清彦/國村隼、豊川悦司
原作:町田康「パンク侍、斬られて候」(角川文庫刊)
配給:東映
©エイベックス通信放送