「もしも、昔話の登場人物が訴えられたら…!?」をテーマに2015年から夏に放送している『昔話法廷』(Eテレ)新シリーズの放送が、8月13日(月)、14日(火)に決定。林遣都、木村多江、吉田羊、竹中直人らが出演する。
同番組は、子供たちになじみの深い昔話をモチーフにした法廷ドラマシリーズ。検察官、弁護人、被告人、証人のやりとりを、1人の裁判員の目線で描く。世界三大こども教育番組コンクールの1つで「こども番組のオスカー」とも呼ばれる「プリ・ジュネス」の2016年大会で、同番組は「国際こども審査員賞」に選出。これは、すべてのノミネート作品を視聴した世界各国の子供たちが投票によって選んだ第1位にあたる。
今回の新シリーズで取り上げるのは、「ブレーメンの音楽隊」と「赤ずきん」。“老人”と“心神喪失”がテーマになっている。
第9話の「ブレーメンの音楽隊」は、年老いたロバが被告人。同じく年老いたイヌ、ネコ、オンドリをけしかけ、盗賊たちの家を襲撃。大けがを負わせ財産を奪った、強盗致傷の罪に問われる。犯行を認めるロバだが、弁護人は動機や犯行に至るまでの境遇に同情の余地があるとして、執行猶予を求める。
第10話の「赤ずきん」は、赤ずきんが被告人。お腹に大量の石を詰めてオオカミを殺害した。殺害の事実は認めるものの、「その時のことはよく覚えていない」と言う赤ずきん。弁護人は「オオカミに食べられた赤ずきんは精神障害を起こし、“心神喪失”の状態にあった」と主張。「心神喪失者の行為は罰しない」と定めた刑法第39条により、無罪を求める。
<出演者コメント>
■林遣都
この番組は、斬新だと思いました。いろいろな角度から見つめ、最後まで結果(判決)は出さない。観る人の想像力をふくらませていると感じました。新鮮だったのは、このドラマが、学校の授業で使われている“教材”であるということです。教室にいる全ての子供たちにも届くよう、丁寧に丁寧に演じたので、ぜひ観ていただきたいです。
■木村多江
動物と真面目に共演し、それぞれの正義がぶつかり合う。こんなすごい企画があるだろうか。演じた私も、答えをいまだに探していて、終わらないのもまた面白い。答えは観ているみなさんの手の中にある。想像して欲しい。友達や家族の事のように。法廷を体感する昔話法廷は、小説より奇なり、です。
■吉田羊
私は、以前からこの番組のファンでした。慣れ親しんだお話でも、ちょっと視点を変えて見るだけで印象が大きく変わってしまうことに、いつも驚かされます。演者の芝居や表情によって、判決を考える視聴者の心象は大きく変化していきます。それが、この番組の醍醐味。常にそのことを意識して演じました。
■竹中直人
不思議な時間を味わうことができました。62年という僕の人生の中で、まさか赤ずきんちゃんとおばあちゃん、オオカミさんに会えるとは、思いもよらなかったです。本当にびっくりです。しかし…、吉田羊さん怖かったなぁ…。もちろん良い意味です!
『昔話法廷』
Eテレ
第9話「ブレーメンの音楽隊」裁判
8月13日(月)前9・00~9・20
検察官:林遣都
弁護人:木村多江
盗賊一家の長男:山中崇
裁判員:優希美青
ロバ(声):北見敏之
ネコ(声):松金よね子
第10話「赤ずきん」裁判
8月14日(火)前9・00~9・20
検察官:吉田羊
弁護人:竹中直人
おばあさん:角替和枝
裁判員:泉澤祐希
赤ずきん:佐藤玲
オオカミの母親(声):神野三鈴