劇団新派130年記念公演、舞台「犬神家の一族」の制作発表会見が行われ、水谷八重子、波乃久里子ら出演者が登壇した。
本作は、横溝正史の同名人気ミステリー小説を舞台化。物語のカギを握る琴の師匠・宮川香琴を水谷八重子、犬神家の長女・松子を波乃久里子、難事件を解決してきた名探偵・金田一耕助を喜多村緑郎、犬神家の三女・梅子を河合雪ノ丞が現代の新派を支える顔触れが務める。さらに、犬神家の顧問弁護士・古館恭三を田口守、犬神家の次女・竹子を瀬戸摩純、犬神家の相続争いの渦中にある野々宮珠世を春本由香と河合宥季が交互に出演する。
ゲストには、捜査を仕切る橘警察署長役で佐藤B作、松子の息子・佐清と生存不明で謎多き青沼静馬の二役で新派初出演となる浜中文一が出演する。
本作の制作決定を聞いた時どう思ったか聞かれた波乃は「原作を読んでみたら、歌舞伎の菊畑をもじって菊人形をやっている。戦後すぐの話で、明治・大正・昭和の舞台が多い新派に合っているなと。どうしてもっと早くやらなかったんだろう」とコメント。
金田一を演じる喜多村は「歌舞伎界に入ってから、横溝先生の本をたくさん読むようになって、自分の中で明智小五郎や金田一耕助といった探偵に憧れた。ですが、歌舞伎の世界にいたので演じることはないって思っていた。新派に入団して、昨年、舞台『黒蜥蜴』で明智小五郎を演じて、とてもうれしかった。今回、金田一耕助をやるに当たって、明智が終わったころから髪を伸ばしているのですが、なかなか伸びないものですね(笑)」と明かした。
今回、新派初出演となる浜中は、出演に当たり楽しみにしていること、心配していることや演じる役について記者から一度に質問されると「すみません、最初の質問なんでしたっけ?」と返し、会場が笑いに包まれた。「楽しみにしていることは、以前久里子さんと共演させていただいた時に師弟関係を演じたのですが、今回は親子関係。そこを楽しみにしています。心配なことは、今のところはないですね。役については、それぞれの役を普通に演じられたら」と質問を確認しながらコメントした。このやりとりに波乃は「最高」と。
波乃は「以前の舞台で師弟関係の役を演じていたが、裏では私が弟子で文ちゃんが師匠でした。文ちゃんが大丈夫です!って、私の手におまじないをかけてくれて。今度もやってね」と。浜中が「ぜひ」と答えると、「しっかりしていて、面白いんですよ」と波乃は絶賛していた。
舞台「犬神家の一族」
大阪・松竹座
11月1日(木)~10日(土)
東京・新橋演舞場
11月14日(水)~25日(日)
出演:水谷八重子、波乃久里子、喜多村緑郎、河合雪ノ丞、春本由香、河合宥季、瀬戸摩純、田口守/佐藤B作、浜中文一