サブスクリプション型（定額制）音楽ストリーミングサービス「AWA（アワ）」で、マルチな活躍を見せるサウンドクリエイター・ピノキオピーのインタビュー＆プレイリストが公開された。
ピノキオピーは、2009年より動画共有サイトにボーカロイドを用いた楽曲の発表をスタート。「腐れ外道とチョコレゐト」や「ありふれたせかいせいふく」「すろぉもぉしょん」など、数々のヒット作を生み出し、作曲活動の他にも動画内のイラストや漫画の執筆、さまざまな商品のプロデュースも行う多才なアーティストだ。ライヴ活動も活発に行い、2014年からそれまでのパフォーマンス形態からリニューアルを図り、笑って歌って踊って楽しめるパフォーマンスを提供している。
今回、ピノキオピーがAWAオフィシャルアカウントを開設。これを記念して、本人セレクトのプレイリスト「何度も聴いている曲」を公開。その選曲理由や活動スタイル、定額制音楽ストリーミングサービスに対する印象を語ったインタビューが公開された。
＜ピノキオピー インタビュー＞
◆プレイリスト「何度も聴いている曲」の選曲理由を教えてください。
最近聴いている曲、昔から聴いている打率が高い曲と、僕自身が今やっている音楽の根幹になっているものを厳選しました。プレイリストに入れた楽曲はそれぞれ影響を受けていて、アーティスト単位だと電気グルーヴとスピッツが特に好きで、その2つが僕の根幹にあります。最初に聴いたのがスピッツで、そこから音楽を好きになりました。打ち込み、電子音楽、センス、やっていることの面白さなどは電気グルーヴに憧れを抱いてる部分はありますね。Prodigyは電子音楽の分類に入るんでしょうけど、パンキッシュな音作りがかっこいいので僕の打ち込みとの折衷案、ライヴやりたいことのひとつです。
◆ボカロPとしての楽曲制作で楽しいこと、大変なことをそれぞれ教えてください。
作品の出来上がり直前が一番楽しいです。パッケージされつつある、完成が見えて来た時はすごい楽しく作れます。逆にゼロからイチを作るアイデア出しをする段階が一番苦しくて「何も出ないなー」と悩んでいることが多いですね。ボカロを打ち込むのも何気に単純作業で大変なので、早く完成しないかなと思いながら作っています（笑）。
◆かなりハイペースで作品をアップされていますが、その原動力や発想はどこから生まれるのですか？
2009年から活動を始めて、動画投稿して反応が返ってくるのがとにかく楽しかったんですよ。その気持ちがいまだに続いています。イラストを自分で担当することが多いので、作るのは時間がかかるんですけど、習慣というか投稿しないと不安になってくるから投稿しているって感じです（笑）。日常のサイクルとして半年ぐらい投稿しないともうダメですね、3か月空いたことないと思うし、本当はひと月に1回のペースで公開したいくらいです。
曲を作る時は、引っかかったアイデアをメモしておいて、その中の1個のことが広がってくこともあるし無理やり広げる時もありますね。結局自分が好きなものって幅が限られているから、前にも言ったことが多かったりするんですよ。それをいかに新鮮なニュアンスで伝えられるかを考えながら作ったり。
◆ひとつの作品を完成させるまでの制作期間はどれくらいですか？
平均すると大体2週間ぐらいで長くて1か月くらいかかりますね。アイデアがポンって浮かべば最近の「アップルドットコム」みたいに動画込みで一週間以内に完成することもあります。でもそれは稀で、なんか違うなと思ってやり直すことが多いです。アイデアがスイスイ出ればいいなーって思いながらやっています。
◆もう十分スイスイ出てきていると思いますが…（笑）。そういう時の気分転換は何をしますか？
映画観たり漫画読んだりすることが多いです。あとシンプルに他の人の曲を聴いたりします。漫画も音楽も映画も、誰かが頑張って作ったものだという前提で見ているんで、自分も作りたくなってきます。
◆楽曲やイラスト制作のほかにライヴ活動も活発ですが、初めてライヴをやった時のことは覚えていますか？
覚えています、すごく緊張しましたね。人前に出るのが好きじゃなかったので、すごく嫌でした。最初は僕じゃない人に金色のタイツを履かせて歌ってもらって、僕はずっとツマミをいじってるだけみたいなことをやっていたんですけど、ダメだこれ！意味分かんない！ってなって（笑）。
徐々に自分自身が前に出るパートを増やしたり、試行錯誤していって、今の形になりました。単純なことなんですけど、そこに自分がいて前に出ることでライヴ感が増していくことに気づいたんですよね。
ライヴ用にリミックスをすることも多くて、その経験が自身の楽曲のアレンジに反映されたりもしました。なので、ライヴやる前と今では楽曲の作り方が変わった部分があって、ライヴと曲作りは別モノではなく密接に関係しています。
◆今後こういうライヴをやりたいという展望はありますか？
より即興性がある感じというか、そこに人がいるから意味があるようなライヴができたらいいと思っています。最近ドラムを入れてやっているのもその一環です。
◆音楽配信サービスについての印象を率直に教えてください。
ずっとCDで買っていたので、月額で物凄い量の音楽を何度も聴けちゃうから、音楽の価値が下がってしまう不安があり否定的だったんですけど、意外と使ってみたら新しい音楽に出会う機会が増えるのは良いことだと思いました。プレイリストを作るのも楽しいし、昔学生時代によくカセットとかMDとかCD-Rとかで自分用のリストを作っていたことを思い出して、音楽を聴くのがより楽しくなりましたね。
◆音楽を作っている側の立場として音楽配信サービスに期待する事はありますか？
インターフェイスがノンストレスになればなるほどいいなって思います。分かりやすさ、アクセスのしやすさが一番ですね。あとは、このアーティストの最近の曲を気に入ったら、過去のアルバムから気に入りそうな曲をひもづけてくれるとうれしいです。自分が好きなものを逆引きで勧められたら、自分が好きなものがより明らかになっていくでしょうね。
逆に、苦手そうな曲を紹介してくれるっていうのも面白いかも。
ピノキオピー『何度も聴いている曲』プレイリスト
プレイリストURL：https://mf.awa.fm/2K96olm
01. ティーチャー？／集団行動
02. インヴェイダーズ・マスト・ダイ／The Prodigy
03. 生きてれば／どついたるねん
04. 泪橋／T字路s
05. Afx237 v.7／Aphex Twin
06. Swoon／The Chemical Brothers
07. 人間ビデオ／ドレスコーズ
08. 八月／七尾旅人
09. ミッドナイト清純異性交遊／大森靖子
10. Jeffer／Boys Noize
11. Ugly Boy／Die Antwoord
12. ゆらゆら帝国で考え中（ALBUM VERSION）／ゆらゆら帝国
13. RAINBOW／エレファントカシマシ
14. みなと／スピッツ
15. Forever Young～弾き語り ver.～／竹原ピストル
16. 人間大統領／Ningen President／電気グルーヴ
ピノキオピー公式アカウントURL：https://mf.awa.fm/2FyQbY6
インタビュー記事URL：https://mf.awa.fm/2PZIJcb
AWA：https://awa.fm/