CS放送ファミリー劇場オリジナル制作番組『小籔千豊の将棋道場小破り』が3月15日(金)よりスタート。放送に先立ち、出演者の小籔千豊、板倉俊之(インパルス)、竹部さゆり女流四段のインタビューが到着した。
この番組は「これまでの将棋番組は強い人向けすぎてついていけない!」ということで始まった世界一(ファミリー劇場比)敷居の低い将棋番組。
将棋大好き芸人の小籔が、将棋好きの後輩芸人・板倉を引き連れ、町の道場を訪ねて武者修業する。学ぶのは“奇襲戦法”。まだまだ将棋初心者の芸人が自分より強い相手を打ち負かすべく、プロ棋士たちに特別講義を受けて実力アップを図る。そして道場に通う“つわもの”と真剣対局を繰り広げる。
#1~3では「この指し方、相手が知らなかったら強いやつに勝てるかも!」な奇襲戦法「嬉野流」を竹部さゆり女流四段に習う。
<小籔千豊、板倉俊之、竹部さゆり女流四段 インタビュー>
◆本日の収録を終えていかがでしたか?
小籔千豊:小さいころ、母親に将棋の盤と駒を買ってもらい、親に教えてもらっていました。新喜劇に入ってからも将棋のおかげで先輩と仲良くなったりするきっかけになりました。座長になって将棋から離れていたんですが、何かの縁でこういったお話を頂いて、しかも今日は竹部先生に教えてもらって、僕や板倉でも強くなれた気がしましたので本当に良かったと思います。この機会に将棋をもっとやっていこうと思いました。
竹部さゆり女流四段:「将棋」のご縁でこんな楽しい企画に参加させていただけました。皆様のおかげです。ありがとうございました。
◆将棋との出会いと、まつわるエピソードを教えてください。
小籔:新喜劇に入ったばかりに、桑原(和男)師匠が将棋を指していて、遠目でじっと見ていたら、「お前らできるのか?」と聞かれて、その時一番強かったたいぞうさんとやらされて勝ったんですよ。もう一度やっても勝ったんです。それがきっかけで桑原師匠から話しかけていただくようになって、打ち解けました。今ではかわいがってもらっています。
板倉俊之:始めたのは小学生2~3年くらいから。学校の将棋クラブに入っていましたが、その時は集中力がなくて、お遊びでやる「はさみ将棋」ばっかりやってしまって。「これってどうやるんだっけ?分かんないからはさみ将棋やろ!」とか(笑)。当時叔母が、足がついているめちゃめちゃイイ将棋盤を買ってくれて、駒にも彫った人の名前が入っているくらいの。でも、弟と「銀ってどう動くんだっけ?もういいやまわり将棋やろ!」(笑)てなっちゃって。いい駒なのに、振る「金」だけめちゃくちゃ汚くなったり。歴で言えば長いですが、「矢倉」とか覚えたのは大人になってからですね。
◆東京ではベテラン芸人の方と若手芸人の方は将棋を指したりするんでしょうか?
板倉:あまり楽屋が一緒にならないので。東京の新喜劇は皆さん楽屋が一緒になると思うんですが漫才師は別なので。「囲碁将棋」の二人もやるんじゃないですかね?メガネの文田とは何回かやりました。
◆今回のゲスト講師はバラエティ番組でもおなじみの竹部女流四段でしたが、いざ実際にお会いしていかがでしたか?今後もレギュラー候補に?
小籔:もちろん、先生さえ良かったらぜひお願いしたいです。初めてパッと見たときは、思っていた棋士のイメージとはちゃうな、と思いましたが(笑)。でも将棋のお話になりますと、真面目な本来の勝負の姿勢になりますし、収録中横で見ていて、体勢がつらくなったので将棋の盤の上に肘をついたら、先生から「あ、カメラ止めてくだい」となり、「将棋盤の上は神聖なところなので肘をついた状態でオンエアしたくない」とおっしゃられて。将棋に対しては真摯な姿勢を持っている方でしたね。恥ずかしながら、そういったマナーを知らなかったので今日は勉強になりました。
板倉:先生的には、「まわり将棋」とかやってたらアウトなんですか?すごろくみたいなこととか。
竹部女流四段:将棋を知らなかったらOKです!将棋を知っていて、私の指導を受けた子が、まわり将棋やっていたら注意しますね。
板倉:「まわり将棋教室」だったらいいんですね(笑)。駒のプロの投げ方とか教えてくれるような。
小籔:どう教えんねん!誰が月謝払うねん。
竹部女流四段:あ、でも5枚振って先手か後手か決める時の振り駒あるじゃないですか?振り駒名人みたいな人がいて、先手か後手か、自分がやりやすいように決められるという人がいるみたいですよ。噂だけで実際にいるか分かりませんが、極めたらできるのかもしれません。
◆世間は藤井総太七段の活躍などで今まさに空前の将棋ブームですが、芸能界でも将棋のお仕事が増えてきていると感じますか?
小籔:僕は藤井さん絡みで一度NHKさんでお仕事ありました。お仕事を頂くのもありがたいですが、一時期最近の子は将棋せえへんな、という時期があったじゃないですか。でも小さいころからやっていたら賢い子が出て来るんじゃないかと思っていたし、そんなゲームが廃れそうだ、と聞いた時ちょっと残念やな、と思ってましたね。なので、藤井さんや羽生さんとか皆さんのおかげで将棋をやる子が増えていると聞いた時は、普通に「国力」が上がるな(笑)と思いました。賢い子が増え、東大が世界の大学の何位だ?とかそういったことに紐付いてくると思ったので、個人的に仕事が増えるということよりもうれしいことだなと。
◆この番組の見どころを教えてください。
小籔:昔から有段者向けの将棋番組はあったと思うんです。幼いとき朝早く起きて見ても、何を言っているのか何一つ分からないものばかりだった気がします。なので、7級から1級くらいの人向けの番組をやれば、需要がきっとあるんじゃないかな?と思っていたので、できればこの番組がそうなればいいかなと思っています。みんなが初段じゃないんだ、ということをずっと心の叫びで持っていたので。7級の人が5級に、5級の人が2級に、そんな番組になればいいと思います。
◆学力のお話がありましたが、実際お2人は学生のときいかがでしたか?
小籔:高二のときは1100人学年にいたんですが、実力テストで1098番を取ったことあります(笑)。野球部でアホやと言われていたヤツが、僕の教室に来て「お前、俺よりアホらしいな!」って指差されたとき、大学進学を諦めました。僕は将棋がそこまで強くなかったし、学力も全然ダメでしたね。なので、僕の子供たちに託したいと思います。「僥倖(ぎょうこう)」という言葉を巧みに当たり前に使う小学生が出てくればいいなと思います。
板倉:僕は勉強がそこそこできちゃったんですよ。将棋のおかげなのは間違いないですけど(笑)。兄貴や親父と指していたから、志望校に行けたんじゃないかな?塾なんか行かなくても将棋指していれば行きたい高校に行けたわけですし。「まわり将棋」でもね(笑)。こんなこと言うと塾側からクレームが来るかもしれませんが。
◆小籔さんが新喜劇で出会った先輩との将棋での交流があって、この番組のお話があったと思いますが、その縁は感じましたか?
小籔:母親があるスポーツメーカーで働いていたときの話で、同期の男の子が二人いて、一人は一流大学を出て酒もたばこも博打もやらない人、片方は三流大学を出て朝も遅刻してスーツもヨレヨレ、酒もたばこも博打もやる人で遊び人でいい加減な人。会社の女の子たちでは、あの人が出世して、あの人はアカンな、と思っていたけど、その三流大学の人がどんどん出世してて。なんでかな?と調べたら専務や常務と将棋を指したりゴルフをしたり飲みに行ったりして出世していったそうです。その時男の世界はこうなんだ、ビックリした、と言ってまして、おもちゃなんか買ってもらったことなかったけど、小学三年生のときに買ってもらって、「それをやっておけばいつか上司のいるところに行くだろう。上からかわいがってもらうことが大切だ」と教えられて。新喜劇で将棋をきっかけに先輩にかわいがってもらって座長になったのも、母親の言うとおりだったな、と今思っています。なので縁はあったんじゃないかなと思います。この番組をきっかけにまた勉強し直して、1級でも初段にでもなれればと思います。
◆このブームで将棋を指す機会が増えましたか?
板倉:僕はコンピューター相手にやることが多いです。対人でやると、カッコつけちゃうんですよね。コンピューターなら感情がないから、「うわ、何それ板倉」とか思われないから、何でもできるんですよね。ニコ生とかでコンピューター将棋のポナンザを相手に対戦するほうが楽しいですね。
小籔:福島の将棋会館に通っているとき、当時10級から始めて上がって行ったら5級くらいにときになった初段の人とか二段の人とかと当たるようになって、「飛車香落ち」か「二枚落ち」が多かったんですよ。その時に逆にやりにくいなと思ってて、下の本屋さんに行ったら、「駒落ち定跡」という赤い本があったので買って読んで。家でPSPで二枚落ちができたんですよね。それで本を見ながら何度もやってたら、だいたいの人が銀多伝を知らなかったので、実力ある人にもバンバン勝てて、それで5級になったんかな。「駒落ち定跡」の「飛車香落ち」と銀多伝を覚えて上がったんで、本当の実力ではないんですよね。あのときもポナンザに勝てたら100万円という噂があったので、銀多伝をスマホで検索して最終形だけ思い出して、先生の助言も頂きながら、ですけどたまたま勝ちました。
◆最後にこれから番組を見る方にメッセージをお願いします。
小籔:視聴者の方には強い方がたくさんいらっしゃると思いますが、僕たちと同じくらい弱い人もきっとたくさんいると思います。強い人よりも弱い人のほうが多いと思うんですね。その人たちに向けて僕とか板倉とかが、先生のご協力をいただきながら強くなっていくさまを見ていただいて、一緒に強くなっていただけたらいいなと思います。
板倉:今回は見ている人が僕に感情移入できると思います。本当に恥ずかしいことをやってて(笑)。あれだけ教わったことが、何一つ出せないという(笑)。
小籔:でもそういうことを繰り返して覚えていくものなので。
竹部女流四段:やっぱり藤井聡太先生のブームで、「観る将」という人、将棋は観るだけでいいという人が増えました。でも藤井聡太先生の顔とおやつとご飯だけで満足できないと思うんですね。そのもう一歩先に行って将棋を覚えたいなという人はぜひこの番組を見ていただきたいですし、強くなってしまった人も板倉さんを見ながら、自分もこうだったなとか、楽しかったころを思い出せると思いますので、ぜひいろいろな方に見ていただきたいなと思います。
板倉:「そうなんだよな~板倉!」とか思いながら見てほしいですね(笑)。
小籔:エモい(笑)将棋番組やね。
板倉:「俺もやるわーそこ!」とか思ってほしい(笑)。
『小籔千豊の将棋道場小破り』
3月15日(金)スタート
毎週(金)後9:00~9:30ほか(全10回)
<出演>
小籔千豊
#1~3ゲスト:板倉俊之(インパルス)、竹部さゆり(女流棋士)
■#1 奇襲戦法「嬉野流」で勝つ!前編
「これまでの将棋番組は強い人向けすぎてついていけない!」ということで始まった世界一(ファミリー劇場比)敷居の低い将棋番組。まずは新宿ゴールデン街の将棋Bar一歩でクダを巻く芸人・小籔千豊と板倉俊之(インパルス)。名物純子ママと芸人あるある&毒舌トークを繰り広げる。続いて新宿将棋センターに舞台を移し「この指し方相手が知らんかったら強いやつに勝てるかも!」な奇襲戦法「嬉野流」を竹部さゆり女流四段に習う。
■#2 奇襲戦法「嬉野流」で勝つ!中編
前回習った「相手が知らんかったら強いやつに勝てるかも!」な戦法「嬉野流」をさっそく実践。初心者・板倉が対戦するのは道場に通う有段者の高杉さん。板倉のまさかの指し口に対局相手もびっくり。果たしてジャイアントキリングを起こすことができるのか?
■#3 奇襲戦法「嬉野流」で勝つ!後編
自分より断然強い相手と対局中の板倉。終盤、「これは決めてたんですが、最後まで『参りました』とは言わないと」と断言する板倉に「いや、言えよそれは!」とツッコむ小籔。そんな“世紀の対局”もいよいよ終局。果たして勝負の行方は?そして「これ知らんかったら強いやつに勝てるかも」な戦法「嬉野流」は有段者相手にどこまで通用したのか?
※段位は2019年1月23日時点
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