4月期のBSテレ東「土曜ドラマ9」枠で、和田正人、松尾諭出演の『やじ×きた 元祖・東海道中膝栗毛』が放送されることが決定した。
原案は“弥次さん喜多さん”で知られる、江戸時代最大のベストセラー小説「東海道中膝栗毛」(作:十返舎一九)。映画、漫画、歌舞伎と多様な解釈でアレンジされてきた作品だが、今作ではオリジナルにある“破天荒な味わい”を忠実に再現する。
ひょんなことから女と女房に捨てられ、江戸に居場所がなくなった喜多さん(和田正人)と、弥次さん(松尾諭)が、東海道を西へ向かう「お伊勢参り」にかこつけた自分探しの旅を描く、旅と友情のブロマンス(相棒)時代劇。
この枠での時代劇は初めての試みとなり、さらに話は1話完結で、毎話旅先の“いい女”が女性ゲストでも登場。2人は女性のきをひくために、公儀隠密になったり、お化けになったり、ふんどしをかぶったり…となんでもやる。
和田が元役者のお調子者・喜多さんこと喜多八を演じ、松尾が芸術家気取りのエロおやじ・弥次さんこと弥次郎兵衛を演じる。製作スタッフには『水戸黄門』に携わった京都東映太秦の時代劇職人が集結。さらにドラマの案内人を落語家・瀧川鯉斗が務める。
和田は「とにかく脚本の面白さに目を引かれました。東海道中膝栗毛は時代劇の名作喜劇。当然のごとく大きな重圧を感じましたが、それ以上に、ここに描かれている喜多八を演じたいという、抑えられない欲の方が勝ったのを覚えています」とオファーを受けた際の心境を明かした。
演じる喜多八について「“金”と“女”にだらしなく、目先の欲に安易に溺れるという、どうにも救いようのない男ですが、情に厚く、義に忠実という真っ当さがあります。いかにも人間らしいという印象で、遊びは芸の肥やしという言葉がありますが、喜多八を演じて納得すること多数。うらやましいくらいに魅力的な男です」と語った。
相棒として共演する松尾とは2度目の共演。「初日の撮影から息の合う印象がありました。わがままに、自由気ままに自らの考える喜多八をぶつけられたのは、松尾さんの情の深さだと思います。また松尾さんは最近、共演する若手女優がブレークするというジンクスをお持ちらしいので、全力であやかりたいと思っています」と語った。
弥次さんを演じる松尾は「スケベでセコくてちょっといい人だけど下心満載という、いたって普通の男性像だな」と役柄の印象を。また「若きプロデューサーに『弥次郎兵衛は松尾さん以外に考えられないんです』と言われ、僕に一体どういうイメージを持っているのかといぶかりはしましたが、何にせよありがたいお話だと思いました」と語った。
和田については「喜多八は“ちょっとだけいい男”という描写があり、演じられる和田さんも実にちょっとだけいい男です。さらに言うなら僕よりちょっとだけスケベです」とイメージを明かした。
<第1話あらすじ>
【俺は喜多さん、お前は弥次さん(江戸)】
江戸時代最大のベストセラー「東海道中膝栗毛」を原案に、二人のお調子者が巻き起こす痛快な旅物語の幕開け。
元役者の喜多八と売れない絵師の弥次郎兵衛は、何をやってもうまくいかずに腐っていた。
折しも、喜多八が出入りする大店の主人が危篤となり、若女将と不倫熱愛中の喜多八は“逆玉の輿”のチャンスを得る。だがそのためには、使い込んだ店の金15両をひそかに清算せねばならない。
喜多八は土下座して弥次郎兵衛に金の工面を頼むが、弥次郎兵衛にも金のあてなどない。途方にくれていると、住んでいる長屋の大家が「わけあり女を片付ければ15両出す」と持ちかけてくる。弥次郎兵衛は、十年連れ添った恋女房か相棒の喜多八か究極の選択を迫られる…。
誰もが聞いたことはあるけど、何者なのか分からない“弥次さん喜多さん”の二人連れが、お伊勢さん目指して東海道に出るまでを描く旅のはじまり――【江戸篇】。
土曜ドラマ9『やじ×きた 元祖・東海道中膝栗毛』
2019年4月スタート
出演:和田正人、松尾諭ほか
案内人/語り:瀧川鯉斗
作:十返舎一九
脚本:池田政之ほか