戸田恵梨香、共演の大原櫻子は「太陽の人」

映画
2019年02月25日

映画『あの日のオルガン』公開記念イベント
 映画『あの日のオルガン』の公開記念イベントが行われ、戸田恵梨香、大原櫻子、田中直樹(ココリコ)、平松恵美子監督が登壇した。

 戸田が「皆さん今日はありがとうございます。何か伝わりましたか?」と問いかけると、会場からは大きな拍手が送られた。戸田は「初めて観てくださった方は、重い話なのかな?って気を構えていたかもしれないですけれど、実際に観ていただいて、さくちゃん(大原櫻子)が演じたみっちゃんの明るさに、皆さんも笑顔になったんじゃないかなと思います」と語った。

 大原は「この映画は終わった後に、お客さん同士であんなふうに思ったよ、こんなふう思ったよと言い合える映画だと思います。この舞台あいさつのお時間も、映画を観た後のお時間も、楽しんでいただければと思います」と。

 田中は「自分も子供たちとのシーンに関わらせていただいたんですが、現場でも戸田さんと大原さんをはじめ、キャストの皆さんが本当の保母さんのようで素敵でした。自分自身も素敵な作品に参加させていただいたと思っています。本当はもっと設備の整った、良い環境の疎開先を見つけたかったんですが、脇本はあれが精いっぱいでした…」と演じた役柄の気持ちを代弁すると、会場からは大きな笑いが起こった。

 平松監督は「映画というものは、公開して初めて完成するものだと思っています。同じ日にもたくさんの映画が公開されている中で、本作を選んでくださりありがとうございました」と感無量の様子を見せた。

 登壇したキャスト3人全員が初共演、そして平松監督とは初タッグ。戸田はそれぞれの印象について「あれは、そう、おととしの暖かい時期だった…」と語りだし、「平松監督は女性なのにすごく凛々しく、男らしく、たくさん知識と想いが詰まった方だなと思いました。クランクインしてもその想いや強さは変わらなかったですし、本当にカッコいい女性だと思います」と印象を明かした。すると、平松監督は「褒め殺しされてる気がします」と恥ずかしそうに照れ笑い。

 大原に関しては「ちっちゃい~かわいい~ふわふわ~としていましたね。保育園に行って実際に保育士さんの体験をさせてもらったんですが、そのときもニコニコで走り回っているさくちゃんを見て、なんて元気でフレッシュな人なんだ!と思いました。みっちゃん先生と同じように、子供たちと同じ目線で接していて、すごく優しい人。例えるなら太陽の人です」と語った。

 バラエティ番組では共演済みだった田中に関しては「えっ!?バラエティでお会いしたことありましたっけ!?(笑)」と記憶にない戸田の様子に「第一印象がなかったということで…(笑)」と田中が思わずツッコんだ。

 戸田は「でもテレビで拝見しているよりもずっとスマートで、脇本さんの格好をしていると、爽やかな色気を放出されているんです。素敵だなと思います!」と語った。

 大原は印象的なシーンについて「恵梨香さんにビンタされるシーン。なかなか人にビンタされることってないじゃないですか。リハーサルでも振りだったんですが、本番だけちゃんとやることになっていて。いざ愛のビンタを受けたときに、人ってこんなに傷つくと同時に、愛情もすごく感じるんだなって思いました。カットがかかった瞬間はもう二人で笑っちゃって。すごく緊張したシーンでしたね」と、撮影を振り返った。

 戸田は「今までビンタとか、蹴りを入れるとか、経験してきたんです。あ、もちろん芝居ですよ(笑)。でも相手は今まで男性だったので、受け方も慣れている方が多かったし、アクションシーンでも緊張することはなかったんですけど、女性に対しては初めてだったので、やっぱり緊張しましたね」と明かした。

 田中は「脇本は楓先生(戸田)と一緒に物事を進めていく立場だったので、楓先生が上の立場としてしっかりしなきゃいけない、でも不安で揺れ動く信念というのを一番傍で見ていたので、楓先生が最後に涙するシーンは、僕の中でも想いが大きかったです」と。

 また、楓と脇本の間に特別な感情がかすかに垣間見えるシーンに対して、戸田が「あれはラブシーンでしたよね(笑)」と話すと、田中も「あのシーンも緊張しましたね。どれくらいその想いが見え隠れしたほうがいいのか、すごく丁寧に演出していただきました」と振り返った。

 最後に戸田は「とにかく私は、今生きている世代の皆さんと一緒に、次世代に対して、このお話を語り継いでいきたいなと思っています。私たちは戦争があった時代のことを分かりきれないし、事実を全て知ることはできないけど、少しでも知るということがすごく大事です。今回この作品に関わって、ずっと語り継いでいかなければならないことだなと思えたので、皆さんにはそのお力を貸していたければと思います」と。

 大原も「今、こうやってお客さんの顔を見ていると、男性女性含めて、いろいろな世代の方たちにこの作品を観てもらえているんだなと思っていました。老若男女、という言い方をすると、軽く聞こえてしまうかもしれませんが、本当にさまざまな世代に観てほしいですし、観ることができる、幅広く知っていただかなければならない作品だと思います。2回、3回観てもその都度、感じることは違うと思うので、何度も劇場へ足を運んでくれたらうれしいです」とメッセージを送った。

映画『あの日のオルガン』公開記念イベント
「あの日のオルガン」
全国公開中

<あらすじ>
東京も安全ではなくなっていた1944年。戸越保育所の主任保母・板倉楓は、園児たちを空襲から守るため、親元から遠く離れた疎開先を模索していた。別の保育所・愛育隣保館の主任保母の助けもあり、最初は子供を手放すことに反発していた親たちも、何とか子供だけでも生き延びてほしいという一心で我が子を保母たちに託すことを決意する。
しかし、戸越保育所の所長がようやく見つけてきた先は古びた荒れ寺だった。幼い子供たちとの生活は問題が山積み。それでも保母たちは、地元の世話役の協力を得て、子供たちと向き合い、みっちゃん先生はオルガンを奏で、みんなを勇気づけていた。戦争が終わる日を夢見て…。
そんな願いをよそに、1945年3月10日、米軍の爆撃機が東京を来襲。やがて、疎開先にも徐々に戦争の影が迫ってくる―。

出演:戸田恵梨香、大原櫻子、佐久間由衣、三浦透子、堀田真由、福地桃子、白石糸、奥村佳恵、林家正蔵、夏川結衣、田中直樹、橋爪功
監督・脚本:平松恵美子
原作:久保つぎこ『あの日のオルガン 疎開保育園物語』(朝日新聞出版)
音楽:村松崇継
主題歌:アン・サリー「満月の夕(2018ver.)」(ソングエクス・ジャズ)
配給:マンシーズエンターテインメント
文部科学省特別選定作品(一般劇映画)

オフィシャルサイト:anohi-organ.com
オフィシャルツイッター/フェイスブック:@anohinoorugan #あの日のオルガン

©2018「あの日のオルガン」製作委員会

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