『サムライマラソン』バーナード監督が佐藤健らを絶賛「最高のキャストでした!」

映画
2019年02月25日

映画『サムライマラソン』
 映画『サムライマラソン』の公開記念舞台あいさつが行われ、佐藤健、小松菜奈、森山未來、染谷将太、青木崇高、小関裕太、竹中直人、バーナード・ローズ監督が登壇した。

 主演の佐藤は「僕が経験した現場の中で最もスリリングだった」と撮影を振り返り「動きやせりふさえも決めぬまま本番に突入し、役者が自分の役を本当に理解していないと成り立たないような環境の中で、やらせてもらいました。そんな監督の“無茶ぶり”をとことん楽しめる役者たちの中で芝居ができたことをうれしく思います」と笑顔を見せた。

 ヒロインの雪姫を演じた小松は「走ったり、馬に乗ったり、殺陣をしたり、めまぐるしい日々でした。監督がとてもパワフルで、私たちもその勢いに乗って日々戦いながら演技していた姿が、映画に美しく残っているので、映画館で楽しんでいただけたらうれしいです」と。

 メガホンをとったバーナード監督は「時代劇を作るのはクレイジーで奇妙な、自分の夢でもあった。素晴らしいキャストにも恵まれ、日本で映画を作ると言う最高の体験ができて本当に感謝しています」と、感慨深げに語った。

 続いて話題は、本作の役作りについて。ただ一人、藩に迫る危機を知り、藩を守るために奔走する唐沢甚内を演じた佐藤は、本作の撮影にあたり歴史や時代と向き合い、江戸時代に生きていた人々や侍のイメージというのは、映画が作り上げたものだという答えにたどり着いたという。「だったら今回僕たちが作るこの映画、僕が演じるこの役は、過去に作られた映画をなぞるのではなく、自分たちが新しい歴史を提供するんだという思いで、芝居をさせていただきました」と語った。

 画家を夢見る行動的な姫で、城を抜け出すために男装して遠足に参加する雪姫を演じた小松は、「雪姫は凛としていて向上心もある女の子なので、城の外に出た時の解放感、自由に生きているパワフルさを出せたら良いなと思った。現場で相手の方のお芝居に反応しながら、そこで起こるものを感じながら演じさせていただきました」と。

 そんな雪姫との結婚をもくろむ傲慢な侍・辻村平九郎を演じた森山は、本作で乗馬に初挑戦。青木いわく「僕らの中では“森山ケンタウロス”と呼んでいる」というほど見事な乗馬シーンを絶賛された森山は「やっぱり腰つき、体幹ですね」と秘訣を明かした。さらに「生き物同士のコミュニケーションとして、どちらが上かはっきりさせるような“マッチョな姿勢”も持っておかないといけないんだなと思いました」と語った。

 佐藤演じる甚内の上司・植木義邦を演じた青木は、『るろうに剣心』シリーズで佐藤と相棒として共演した間柄。そんな佐藤との殺陣シーンについて青木は「なるべく鬼気迫るような、時代劇らしくないリアルに近い戦いを見せてほしいと監督に言われ、二人で話して作っていった」と語った。

 侍に憧れる俊足の足軽・上杉広之進を演じた染谷将太は、劇中で「一着になって名誉を得るか、八百長に乗って家族に楽をさせるか」の選択を迫られる役に挑戦。染谷自身ならどちらを選択するか聞かれると「私自身は一着になることは絶対ない」と答え、会場は大爆笑。

 また、俊足に見せるために“ナンバ走り”で早く走ることが難しかったといい、遠足のシーンでは「森山未來さんのスピードについていくのが大変で、追いつくのにいっぱいいっぱいでした」とその苦労を語った。

 対する森山は、撮影時に監督から「誰が勝つかが重要ではなく、誰が一着になってもいい」と言われたことを告白。その代わりとにかく走ることを求められたそうで「ガチで走ろうと思った」と明かすと、染谷からは「かなわないですよ!」の声が飛び、再び会場に笑いが起こった。

 幕府の刺客として戦いに身を投じる青年・三郎を演じた小関は、実は役柄に裏設定があったことを明かした。なぜ三郎という若者が荒くれ者たちに交ざって戦いに身を投じたのか、その理由を監督たちとディスカッションする中で、小関が行きついた答えが「失恋」だったのたという。「三郎にとって失恋は重いもので、今までの自分を壊してみたいという気持ちから、戦に参加したんじゃないかという結論にたどりつきました」と語った。

 暇を出されるも、もう一花咲かそうとする老侍・栗田又衛門を演じた竹中は、バーナード監督のホラー映画『キャンディマン』の大ファン。そんな大好きな監督との撮影について「台本どおりやらなくていいというの監督のオーダーは、僕にとっては最高でした。いきなり本番だから、毎日何が起こるか分からなくて楽しかった!」と満面の笑みで振り返った。

 バーナード監督は、これまでゲイリー・オールドマンやソフィー・マルソーなど世界的な俳優と映画を作り、本作で初めて日本人俳優と仕事をしたといい「皆さん最高でした!」とキャスト陣を絶賛。「本作は群像劇でもあるので、役者それぞれのキャラクター理解を表現してほしいと思っていた。僕の現場ではテストの段階からカメラを回していて、役者のアップなのか引きなのか、何を撮っているか分からないようにしたりしていたので、緊張感を持って演じていただけたと思います。今までのどの作品よりも最高のキャストでした!」と語ると、会場からは大きな拍手が起こった。

 最後に、バーナード監督は、本作を通じて日本の観客に「とにかく楽しんでほしい!」と語り「エンターテインメントなのですごく楽しさが詰まっているし、ワクワクできる映画だと思っているので、気に入ってくださればうれしいです」と思いを明かした。

 さらに、世界各国での公開に向けてさらなる展開が期待される本作。佐藤は、海外の観客に向けて「和の心」を見てほしいと話し、バーナード監督は「役者から出てくるエモーションを撮りたいから、自由にやってほしい」とキャスト陣にリクエストしていたと説明。佐藤はそれを受け「自由に演じてと言われても、ここに立っているすべてのキャストの中に和の心があって、昔ながらの所作や着物の着こなし、日本語ならではの美しさなど、醸し出されるものがあると思っていて。この映画を観て、そういう日本人ならではの美しさを感じてもらえたら、それは僕たちの中から出てきたものです」と熱く語った。

映画『サムライマラソン』
TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー中

出演:佐藤健 小松菜奈 森山未來 染谷将太
青木崇高 木幡竜 小関裕太 深水元基 カトウシンスケ 岩永ジョーイ 若林瑠海/竹中直人
筒井真理子 門脇麦 阿部純子 奈緒 中川大志 and ダニー・ヒューストン
豊川悦司 長谷川博己

監督:バーナード・ローズ
原作:土橋章宏「幕末まらそん侍」(ハルキ文庫)
脚本:斉藤ひろし バーナード・ローズ 山岸きくみ
企画・プロデュース:ジェレミー・トーマス 中沢敏明
音楽:フィリップ・グラス
衣装デザイン:ワダエミ
配給:ギャガ

公式サイト:https://gaga.ne.jp/SAMURAIMARATHON/

©“SAMURAI MARATHON 1855”FILM Partners

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