2年ぶりの再演となるミュージカル「プリシラ」の初日前日となる3月8日に公開ゲネプロが行われ、メインキャストの山崎育三郎、ユナク(SUPERNOVA)、古屋敬多(Lead)、陣内孝則、そして演出を手掛ける宮本亜門が会見に出席した。
LGBTQのバイブル的作品である同名映画の舞台版で、世界15か国以上で上演されてきた「プリシラ」。日本では2016年12月に初めて上演されるや、チケットが完売続出となるなど大きな話題を集めた。だが、宮本は「ぶっちゃけて言うと再演があるとは思っていなかった」そうで、「それぐらいバカバカしい作品(笑)。でも、バカバカしいだけじゃなく、笑いと涙と愛が詰まっている。初演のお客さんが予想を上回るほど異常な盛り上がりだったので、メガ愛情詰まってます!」と言葉に力を込めた。
同作は、往年のディスコヒッツに乗せて歌い踊るドラァグクイーンたちの豪華な衣装も大きな見どころの1つ。アイデンティティーに悩む妻子持ちのドラァグクイーン・ティックを演じる山崎は「衣装を着ると『プリシラ』の世界にスッと入っていける。僕1人でも衣装が22着。衣装ごとに自分の気持ちが変わります」と話し、「笑いあり、涙あり、衣装も豪華で本当に振り幅の大きいミュージカル。確実に前回より何倍もパワーアップして帰ってきたので、ほぼチケットはないありがたい状況ですが、劇場で体感してもらえたら」と意気込みを語った。
トランスジェンダーのドラァグクイーン・バーナデットを演じる陣内は、役作りの苦労について聞かれると「私たち水着にもなるし、はみ出しちゃったら大変だからデリケートゾーンも無駄毛の処理が大事!」と力説。さらに初演を振り返り、「若手との格差を出すためにわざと下手に踊ったり、山崎君の歌を引き立たせるためにわざと音程を外したりした」と打ち明けると、「わざとだったんですか?(笑)」と山崎らの笑いを誘う場面も。
また、破天荒なゲイのドラァグクイーン・アダムをWキャストで演じるユナクと古屋には、互いの印象についての質問が。ユナクが「僕に持っていないところを古屋君が持っていて、古屋君が持っていないところを僕が持っているから、お互いにプラスになったと思います。今回もっと仲良くなれてうれしいです」と話すと、「お互いバチバチよ!(笑)」と陣内が割り込み、さらに「ユナクは社長になっちゃったから、将来の芸能界の(カルロス・)ゴーンよ!」とジョークを連発。「もぉ~!」とたじたじのユナクに対し、古屋も「(ユナクは)稽古中もずっと韓国語でいろんな電話をしていて、社長だから予算の話とかしてるのかなって(笑)。でも表にも立ってすごく器用にやられていて、カッコいいお兄さんです!」と乗っかり、宮本から「どの立場で言ってるの(笑)」とツッコまれ、会場は爆笑に包まれていた。
ミュージカル「プリシラ」は、3月30日(土)まで東京・日生劇場にて上演中。
■ミュージカル「プリシラ」公式サイト
https://www.tohostage.com/priscilla/