前田敦子が加瀬亮を無視!?「なんで来たの?とは言えないから…」

映画
2019年06月04日

映画「旅のおわり世界のはじまり」 6月14日(金)公開の映画「旅のおわり世界のはじまり」の完成披露舞台あいさつが行われ、前田敦子、加瀬亮、柄本時生、黒沢清監督が登壇した。

 前田は足のけがの状態について聞かれると「いい感じなんですが、ご迷惑おかけしました。こういう舞台に立つのが久しぶりなので緊張しています」と照れ笑いを浮かべた。

 撮影から約1年がたち、その間に結婚、出産を経験した前田は「撮影から完成、公開まであっという間で、それを特に感じます。この1年間、私自身にもいろいろなことがあったので、思い出深い作品になりました」と感慨深げに語った。

 劇中ではシャンソン歌手・エディット・ピアフの名曲「愛の讃歌」を歌うシーンもあり「ボイストレーニングを3か月くらいやらせていただき、そういった準備期間も初めての経験だったので、すべてをひっくるめてぜいたくな時間でした」と振り返った。

 クライマックスでは標高2443メートルの山頂で、空気が薄い中アカペラ歌唱に臨み「空気って大事なんだなぁと思った」と苦労を明かした前田。また一方で「撮影中に『うわっ!』と思ったのが、このシーンの撮影に関係のない加瀬さんが見に来てくれたこと。加瀬さんが居ることがプレッシャーでしかなくて、『なんで来たの?』とは言えないから、無視していました」と告白した。

 加瀬が「単純に歌を聞きたいと思ったので…すみません」と苦笑すると、「イヤなお客さんがいました」と前田。黒沢監督も「僕も加瀬さんと一緒に楽しく観客として前田さんの歌を聞いていました」と笑った。

 黒沢監督作品に5度目の出演となる、カメラマン役の加瀬は「黒沢作品では今まで変な役ばかりだったので、脚本を読んだときにいつもと違うと思いました。自分の役も初めてまともな人で、今までの監督の作品とは違う印象がありました」と語った。

 家族全員が黒沢監督ファンという柄本は「お話をもらった時は、今年1年の仕事すべてがチャラになると思うくらいうれしかった。まずはお兄ちゃん(柄本佑)に自慢しました」とうれしそうに報告した。

 ウズベキスタンのロケではさまざまなハプニングがあったようで、前田は「酔っぱらった現地の方に求婚されました」と驚きの告白。「日本人の女性スタッフさんも求婚されていて、現地の男性はかわいい=結婚してくれ!みたいな感じ。それがすごかった」と語った。

 黒沢監督は「僕も現場を目撃しました。前田さんに求婚していたのは紛れもなくオジサンでしたね。僕もそれなりに衝撃を受けました」と説明すると、加瀬も「僕もその様子を見ていましたが、僕は無責任なので『(結婚しちゃえば)いいんじゃないの?』と伝えてしまいました」と。そんな男性陣の反応に、前田は「誰も助けてくれなかった。厳しい世界だなと。明日から頑張ろうと思った」と笑わせた。

 一方、柄本はホテルのエレベーターに閉じ込められたそうで「5階くらいで止まってしまって。皆に連絡したのですが連絡がとれず、30~40分ぐらい閉じ込められました。階上から染ちゃん(染谷将太)の『時生~!』という声が聞こえて、助かりました」と九死に一生エピソードを披露した。

 その柄本は、前田から外出する際の連絡係を頼まれていたそうだが、前田は「時間があればみんなに連絡してどこかに行こうと伝達係をお願いしていたのに、『忘れていた!ごめん!』みたいな。夕方までホテルの部屋でDVDを見ているだけなのに何もしてくれなかった」と柄本に公開説教。柄本は「ごめんね~!」と反省した。

 最後に前田は「ウズベキスタンのいろいろな場所で撮影し、いろんな風景を見ることができた。歌も私なりに頑張ったつもりなので、少しでも心に響いたらうれしい」と観客にアピール。

 黒沢監督は「この映画を観てくれた古い友人から、初期の作品のようだと言われた。僕自身も新鮮な何かが生まれたような気がする」と心境を明かし「映っている俳優たちも日本の映画やテレビで見るときとは少し違う顔をしている。ウズベキスタンにいる独特の雰囲気が俳優にも出ている。美しい見慣れない風景と、見慣れない俳優の顔に注目してほしい」とメッセージを送った。

「旅のおわり世界のはじまり」
6月14日(金)公開

<あらすじ>
テレビ番組のリポーターを務める葉子は巨大な湖に棲む“幻の怪魚”を探すため、番組クルーと共に、かつてシルクロードの中心地として栄えたこの地を訪れた。夢は、歌うこと。その情熱を胸に秘め、目の前の仕事をこなしている。収録を重ねるが、約束どおりにはいかない異国でのロケで、いらだちを募らせるスタッフ。ある日の撮影が終わり、ひとり街に出た彼女は、聞こえてきたかすかな歌声に誘われ美しい装飾の施された劇場に迷い込む。そして扉の先で、夢と現実が交差する不思議な経験をする──。彼女が、旅の果てで出会ったものとは……?

監督・脚本:黒沢清
出演:前田敦子、加瀬亮、染谷将太、柄本時生、アディズ・ラジャボフ

配給・宣伝:東京テアトル

©2019「旅のおわり世界のはじまり」製作委員会/UZBEKKINO

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