6月28日(金)公開の映画「新聞記者」の完成披露上映会が行われ、主演のシム・ウンギョン、松坂桃李、共演の高橋和也、北村有起哉、田中哲司、藤井道人監督が登壇した。
本作は、東京新聞記者・望月衣塑子のベストセラー「新聞記者」を原案に、政権がひた隠そうとする権力中枢の闇に迫ろうとする女性記者と、理想に燃え公務員の道を選んだある若手エリート官僚との対峙・葛藤を描いたオリジナルストーリー。韓国の若手女優シム・ウンギョンと松坂桃李がW主演を務める。
真実に迫ろうともがく若き新聞記者・吉岡エリカ役のウンギョンは「ちゃんとやれるのかどうか、悩んだ時期がありました。でも自分の持っている集中力を出して頑張りました。この映画での経験は貴重で、自分の演技も成長できたと思います」と流ちょうな日本語であいさつ。
内閣情報調査室に勤める若き官僚・杉原拓海役の松坂は「濃厚なスケジュールの中で、全員が一丸となってやりました。役柄的にも、葛藤に揺れるズシンとくるシーンも多くて、メンタル的に気持ちを上げることが難しかった」と語った。
杉原の直属の上司・多田智也役の田中は「怖い役ですが、それは暴力的な怖さではない。あえて淡々と優しく演じて逆に怖さを醸し出そうと思った。これまでさまざまな悪い役をやってきたけれど、集大成的なものになった」と手応えを明かし、松坂も「怖かったです。なんか静かなものがゆっくり来るような怖さがありましたね」と。
吉岡の上司・陣野和正役の北村は「脚本を読んで血が騒ぎました。大きなワクワク感があって、これは絶対に参加するべきだと迷いはなかった」と。杉原の外務省時代の上司・神崎俊尚役の高橋は「松坂さんとは初共演ですが、シュッとしているなぁ~と思った。僕の役は優しい役なので、初対面のときからうまくいったと思う」と話すと、松坂も「優しく包み込んでくれるような安心感がありましたね」と続いた。
この日は、ウンギョンが劇中で演じた若き新聞記者・吉岡エリカに成り切って監督・キャストに質問するコーナーを企画。ウンギョンがノートを片手に「どのようにせりふを覚えますか?」と切り込むと、田中は「僕は歩きながら。歩きながらしか入らない体になった。外じゃなければダメなので、雨の日も歩かなければならない」と告白。北村は「場所とか時間も関係なくて、全体を分割して散りばめて10分くらいに分けて覚える」、高橋は「書いて覚える」とそれぞれ回答した。
そんな中、松坂は「焼き肉を焼いたり、何かをしながら」と意外な記憶法を明かし「何かをしながら覚えることで自分に負荷を与えているのかも」と分析。それにウンギョンは驚くいっぽうで「以上ですか?もっとありますか?」とクールに記者ぶりを発揮した。
また「休日の過ごし方」を聞かれた松坂は「ひたすらテレビを見る。朝はニュース、昼はワイドショーとかアニメとか、夕方のニュースやドラマも見て、ずっとテレビ」とインドアな休日を紹介。田中は「子育てしか思い浮かばない」とパパの表情を見せ、ウンギョンから「お疲れさまでした!」と労われた。
さらにウンギョンから「最近泣いたことはありますか?」と切り込まれた松坂は「めったに泣かない…。それこそ肘を思い切りぶつけて思わず涙が出たとか。すごく痛くて」と。北村が「映画とかでは泣かないの?」と水を向けるも「泣いたことがなくて…。感動はするけれど涙腺が緩むことはない。すいません。こういう仕事をしているにもかかわらず」とつれない回答。
そんな松坂に対し、北村は「僕はこの『新聞記者』で結構きましたよ」と満点回答。これにハッとした松坂は「それを言われたら何も言えなくなる…」と反省し、ウンギョンも「だから私も質問したのに~」とガッカリ。
すると今度は松坂からウンギョンに「好きな日本語は?」との質問が。それにウンギョンは「ナウい!」と即答。あまりの古い言葉に一同が驚くと、ウンギョンは松坂に向かって「今日はナウいですね!」とすかさず使用し、松坂は「大変光栄です」と照れ笑いを見せた。
最後にウンギョンは「日本のお客さんに初めて観てもらうことになります。ジャーナリズムのお話ですが、そこの中に人間群像が見える映画です」とアピール。松坂も「いまだにこの作品において、いいワンワードが出ない。こんなことは初めての経験。それだけ一言では語れない作品ということ。これからご覧になる皆さんには、先入観を持たずに思ったままの感想を聞かせてもらえたら幸いです」と呼びかけた。
「新聞記者」
6月28日(金)新宿ピカデリー、イオンシネマほか全国公開
配給:スターサンズ イオンエンターテイメント
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